電話の取り次ぎ

(1/1)
会社にかかってくる電話の中には、悪質な勧誘業者からの電話もあります。社員の氏名や携帯電話番号も守らなければならない個人情報ですから、正しい手順で「電話の取り次ぎ」を行いましょう。初めて会社に入った時の研修を思い出してください。

基本的な取り次ぎ手順


自分「○×商事でございます」
相手「△□製作所の鈴木です。お世話になっております。田中さんはいらっしゃいますか」
自分「少々お待ち下さい」ここで電話を保留状態にします。受話器を手で塞いだだけでは、相手に声が聞こえてしまうおそれがあるので、保留音をかけてください。田中さんが在席中だったら、相手の所属・氏名を告げ、電話に出る意思があるかどうか確認します。もし田中さんが電話に出る意志がないなら、居留守を使ってください。
自分「申し訳ありませんが、田中はただいま席を外しております。こちらからかけ直しますので、お電話番号をお知らせ下さい」
相手の所属、氏名、電話番号をメモして、田中さんに渡しましょう。
このとき、相手は勧誘業者かもしれませんし、田中さんのプライベートな電話かもしれません。相手が誰であるか詮索するのは野暮です。もし必要な電話であれば、田中さん自身が電話をかけ直すでしょう。もし田中さんが外出中だったら、
自分「申し訳ありませんが、田中はただいま外出しております。田中からお電話させましょうか?」
と、相手に投げ返しましょう。
このとき、田中さんの携帯電話番号などは教えないこと。携帯電話番号も個人情報と考え、本当に必要な場合は、あらかじめ田中さん自身が相手に番号を伝えるべきだからです。

不審な電話が多い場合

勧誘業者と思われる電話が頻繁にかかってくるようでしたら、あなたの部署の電話番号が漏れている可能性があります。あなたの会社の総務部や法務部など、担当の部署に相談しましょう。
このとき、けっして自分の部署で解決しようとせず、担当部署に相談するのがベターです。

不審電話の事例

2008年(平成20年)4月下旬頃から、「東京裁判所」を名乗って調停への出頭を求め、個人情報を聞き出そうとする不審な電話が東京都や神奈川県、大阪府で相次いでいます。5月1日までに600件近い通報がありました。
この不審電話は、自動アナウンスで「調停のため、5月6日午後2時半に東京裁判所に出頭してください。問い合わせは9番を押してください」などと流れます。9番を押すと、たどたどしい日本語を話す女性のオペレーターにつながり、氏名やパスポート番号を聞き出そうとします。「そちらの連絡先は?」と尋ね返すと、最高裁や東京地裁、大阪地裁などの実在する電話番号をあげるとのこと。
最高裁は「そうした電話による手続きはない。かかってきても個人情報を教えないように」と注意を呼びかけています。

参考サイト

(この項おわり)
header