携帯電話のメモリカードから個人情報が漏れる

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最近の携帯電話には大容量のメモリカードが搭載できます。しかし、メモリカードに入れた写真や電話帳は、たとえカードを初期化しても復元できてしまいます。
携帯電話を処分したり機種変更する際は、かならずメモリーカードを抜いてから渡しましょう。また、携帯電話本体のメモリには、プライバシー情報を入れないようにしましょう。

メモリカードとファイルの削除、初期化

メモリカードからの個人情報流出
最近の携帯電話には miniSDmicroSD カードと呼ばれる超小型のメモリカードが搭載されています。2008年(平成20年)10月現在、容量が8Gバイトのものも発売されており、動画や音声ファイルも簡単に入れることができるようになりました。
これらのメモリカードは着脱可能で、撮影した写真や動画をPCに取り込んだり、友だちと写真を交換する時に便利です。また、写真店のデジタルプリンタに挿入すれば、きれいなフォトカードを印刷することもできます。
しかし、このメモリカードに、プライベートな写真や動画を入れている場合には注意が必要です。

友だちにメモリカードを渡す前に、プライベートな情報を削除したり、メモリカード自身を初期化しても、簡単に復元できてしまうのです。削除した後に新規の画像ファイルをセーブした場合でも、復元できる可能性があります。
たとえば、「完全フォト復元」というソフトは、文字通り、消してしまった画像ファイルを復元するものです。また、ファイナル データのような汎用のファイル復元ツールを使って復元することもできます。
なぜ復元できるのかというと、デジカメのファイル削除、初期化機能が、メモリカードを完全に消去していないためです。

実際、いくつかの携帯電話の初期化済の miniSD カードに対してデータ復元ソフト「FINAL DATA 」をかけてみたところ、全部とまではいきませんでしたが、いくつかのファイルを復元することに成功しました。
復元さえできれば、携帯電話管理ソフトによって内容を盗むことは簡単です。

また、最近では本体にかなり大容量のメモリを搭載する携帯電話が増えてきました。
しかし、本体にプライベートな情報を格納するのは避けた方がいいでしょう。携帯電話本体だけでは、確実にデータを削除する手段がないためです。

対策

メモリカードでのデータの受け渡しは避けるようにしましょう。また、携帯電話の本体メモリにプライベートな情報を保存するのは避けましょう。

どうしてもメモリカードでデータの授受を行う必要があるときは、自分の手で相手のPCを操作して、必要なファイルだけを渡すようにしましょう。
また、携帯電話を処分したり機種変更する際は、メモリーカードを抜き取ってからショップに渡すようにしましょう。

携帯電話の本体メモリ内の情報の削除ですが、USBケーブルでPCに接続し、外部ドライブとして認識できるような携帯電話の場合は、PC側で「米国国防総省 DoD5220.22-M」水準以上の消去機能を持った専用の消去ソフトを使って本体メモリの内容を完全消去しましょう。
こうした機能をもたない携帯電話では、本体メモリにプライバシー情報を登録するのは避けてください。

参考サイト

参考書籍

表紙 子どものケータイ・危険な解放区
著者 下田博次
出版社 集英社
サイズ 新書
発売日 2010年07月21日
価格 792円(税込)
rakuten
ISBN 9784087205510
中・高生にとって、今やそれなしではいられない必須アイテムとなったケータイ。しかし子どもたちの世界はその出現を境に一変した。いつでも誰とでも繋がることができる利便性は、有害情報へのアクセスをも簡単にし、児童買春、少女売春、援交といった子どもを巻き込んだ犯罪の出現を助長している。大人の目の届かない世界で繰り広げられ、深刻化の度合を増すケータイを使った少年犯罪を、長らく子どもの携帯電話利用問題に取り組んできた第一人者が分析し、その解決策を緊急提言する。
 
表紙 ケータイ・リテラシー
著者 下田博次
出版社 NTT出版
サイズ 単行本
発売日 2004年12月
価格 1,760円(税込)
rakuten
ISBN 9784757101432
あなたの子どもは本当に安全ですか?出会い系、援交、殺人、強盗、強姦…。犯罪に巻き込まれないために今、子どもに教えるべきパーソナル・メディア時代に必要な知識とは。
 
(この項おわり)
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