偽の携帯基地局が個人情報を盗んでいるかもしれない

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偽の携帯基地局
2025年(令和7年)4月に、Twitter(現・X)で「偽基地局による違法な電波が確認された」という投稿が相次ぎました。基地局設備を搭載した車の画像や、中国語でクレジットカード会社を装ったフィッシングメールが送られたという投稿もありました。
村上誠一郎総務相は4月15日の閣議後会見で、「携帯電話サービスの混信事案が発生していることは把握している」と述べました。
偽の基地局(IMSIキャッチャー)は、周辺のモバイル回線の電波を妨害してユーザーの端末を一時的に圏外にし、再接続時に偽基地局が発信するGSM(2G)通信をつかませ、詐欺メールなどのSMS(ショートメッセージサービス)を送信します。日本ではすでに利用されていないGSMですが、セキュリティが脆弱で暗号化を簡単に破れるため、攻撃者による中間者攻撃に使われやすいといいます。

ITmedia NEWS が取材したところ、キャリア各社から次のような回答がありました。
NTTドコモ「妨害電波の被害情報は認識しており、社内外で連携して対応を進めている」
ソフトバンク「疑わしい事象は把握しており、現在関係各所と連携して情報収集・調査を行い、対策に向けた取り組みを進めている」
KDDI「状況は承知している。当社への影響は確認できていないが、今後も状況を注視していく」
楽天モバイル「発生については把握しているが、現時点ではサービスへの具体的な影響などは確認されていない。本件については今後も注視していく」

スマートフォンは通信できる電波を自動で検知して接続するため、偽の基地局による通信を未然に防ぐことは困難です。
ただし、Android端末の一部では「設定→ネットワークとインターネット→インターネット」から契約通信事業者の設定画面を開き「2Gを許可する」をオフにすることで2G接続を拒否できる機能が用意されている。なお、設定をオフにした場合でも緊急速報に用いられる2Gは引き続き有効となります。
iPhoneの場合は、セキュリティを強化する「ロックダウンモード」を有効にすることで、2G通信を無効にできますが、その他の機能制限もかなり厳しくなるので、設定にあたっては十分注意してください。
これらの設定ができない/行わない場合には、不審なメールやSNSに添付されたURLにはアクセスしないといった基礎対策を実行しましょう。

参考情報

参考サイト

(この項おわり)
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