
単位が異なる名数の計算は注意が必要だ。
たとえば、100メートルを10秒で走るときの秒速は、100メートル÷10秒=10メートル/秒 として求める。このように、単位が異なる名数の計算は、結果の単位も異なる。

最初から無名数というデータもある。
たとえば、マイナンバーのようなID番号は、最初から無名数である。ID番号は、量を意味しないので、足し算・引き算、大小比較ができない点でも名数と異なる。
たとえば、100メートルを10秒で走るときの秒速は、100メートル÷10秒=10メートル/秒 として求める。このように、単位が異なる名数の計算は、結果の単位も異なる。

最初から無名数というデータもある。
たとえば、マイナンバーのようなID番号は、最初から無名数である。ID番号は、量を意味しないので、足し算・引き算、大小比較ができない点でも名数と異なる。
quantitation と identity
日本語でうまい表現が思い当たらないので、下記のように定義をしておく。
- quantitation
- 単位がつくデータ。算術・論理演算ができる。
- identity
- 最初から単位がつかないデータ。IDなど。算術・論理演算は無意味。
コンピュータでデータ処理するときにも注意が必要だ。
演算処理装置は無名数として処理するので、プログラム側でquantitation なのか identity かを常に意識しておく必要がある。
型宣言では quantitation か identity なのかの区別はできないため、たとえば、誤って売上金額にマイナンバーを加算したとしても、処理系でエラーを出すことはできない。プログラム側でデータ属性をチェックする必要がある。
演算処理装置は無名数として処理するので、プログラム側でquantitation なのか identity かを常に意識しておく必要がある。
型宣言では quantitation か identity なのかの区別はできないため、たとえば、誤って売上金額にマイナンバーを加算したとしても、処理系でエラーを出すことはできない。プログラム側でデータ属性をチェックする必要がある。
論理値
無名数として、もうひとつ、論理値(bool値)というものがある。数の大小比較や、AND、ORなどの論理演算の結果をあらわす数で、一般的にはTRUE(真)とFALSE(偽)の2値となる。
多くの処理系では、TRUE と FALSE の各々に、実体として整数が割り当てられているが、属性としては整数ではない。

なお、論理値は必ずしも2値とは限らない。
たとえば、PHPバージョン7で導入された宇宙演算子は、「大きい/等しい/小さい」の3値を返す。
多くの処理系では、TRUE と FALSE の各々に、実体として整数が割り当てられているが、属性としては整数ではない。

なお、論理値は必ずしも2値とは限らない。
たとえば、PHPバージョン7で導入された宇宙演算子は、「大きい/等しい/小さい」の3値を返す。
NULL

コンピュータで扱うデータには、NULL または nil という特殊な概念がある。
ラテン語の nullus(無い;女性名)に由来するのだが、ゼロではなく、データ実体が存在しないことを意味する。
nilはラテン語の nihil(何も無い;中性名詞)に由来するのだが、いわゆる「ニヒル」と同じ語源で、なにやら知的な雰囲気がする。
ちなみに、PythonではNoneという英語を使う。

実際のプログラミングでは、型宣言はしたものの、実体を代入していない状態の変数が NULL に当たる。また、エラーが発生したときに NULL を返す処理系もある。
ラテン語の nullus(無い;女性名)に由来するのだが、ゼロではなく、データ実体が存在しないことを意味する。
nilはラテン語の nihil(何も無い;中性名詞)に由来するのだが、いわゆる「ニヒル」と同じ語源で、なにやら知的な雰囲気がする。
ちなみに、PythonではNoneという英語を使う。

実際のプログラミングでは、型宣言はしたものの、実体を代入していない状態の変数が NULL に当たる。また、エラーが発生したときに NULL を返す処理系もある。
- 論理値(bool値)
- 数の大小比較や、AND、ORなどの論理演算の結果をあらわすデータ。例:TRUE、FALSE。
- NULL(nil)
- データ実体が存在しない状態。ゼロではない。
Undefined

JavaScriptには undefined型がある。これは FALSE や NULL とは別物で、値が無いこと(定義されていないこと)を示す。変数を宣言したままの状態では、その変数に undefined が代入された状態である。
一方、オブジェクトが空の状態は NULL である。
一方、オブジェクトが空の状態は NULL である。
SQLを含むほとんどのプログラミング言語に NULL が存在するが、言語によって定義が若干異なるので注意が必要だ。
練習問題
(この項おわり)
意識はしていなかったかもしれないが、算数で四則計算を習うとき、名数を単位の付かない無名数に変換して計算している。最初に習うのは、同じ単位同士の足し算である。たとえば、3人のグループに2人が加わったら5人になることを、3 + 2 = 5 として求める。
数には、単位がある場合とそうでない場合があることを覚えておこう。
(2024年2月4日)記事「Undefined」,練習問題を追加