目次
入力テキストの長さを検査するサンプル・プログラム
解凍できたら、input1.php というファイル名で Apache の仮想ディレクトリが通っているディレクトリにセーブすること。
例によって、画面に表示している行番号は説明の便宜上のものであり、ソースプログラムには含まれていない。
サンプル・プログラムの実行方法
入力テキストの長さをチェックする仕組み
0018: $min_length = 3; //最小長
0019: $max_length = 10; //最大長
0020:
0021: //メインプログラム
0022: if (isset($_POST['text']) == FALSE) $text = ''; //初回起動時
0023: else $text = $_POST['text'];
0024:
0025: $l = mb_strwidth($text); //テキストの長さ

入力テキストは <form> タグの <input> で取得する。
あらかじめ、入力テキストの長さの最小値を変数 $min_length に、最大値を $max_length に代入しておく。この値は文字の桁数で、半角文字なら 1、全角文字なら 2 として数えることとする。
ここでは、$min_length に 1 を代入しているので、「何か文字を入力しなければならない」チェックも兼ねている。チェックする文字列は POST メソッドの名前 text として渡されることにするが、初回起動時は text は渡されないので変数 $_POST["text"] は存在しない。このままではエラーになってしまうので、関数 isset を使って場合分け処理を行っている。

関数 mb_strwidth によって文字列の長さを求める。関数 mb_strwidth は、ANK 文字なら 1、マルチバイト文字なら 2 として数える。ここで、「マルチバイト文字」の定義は処理系によって異なるのだが、日本語の場合、「全角文字」が相当すると考えておけばいいだろう。
シフト JIS 文字の場合は関数 strlen 関数でも同じ結果が得られるが、 UTF-8 では mb_strwidth を使わないと正しい結果が得られない。
入力が正常の場合と異常の場合
0027: //正常なら入力テキストを表示
0028: if ($l >= $min_length && $l <= $max_length) {
0029: $msg = '入力されたテキストは => ';
0030: //未入力
0031: } else if ($l <= 0) {
0032: $msg = 'テキストを入力してください => ';
0033: //異常なら再入力を促す
0034: } else if ($l < $min_length) {
0035: $msg = 'テキストが短すぎます => ';
0036: } else if ($l > $min_length) {
0037: $msg = 'テキストが長すぎます => ';
0038: }
0039: echo "<form action=\"input1.php\" method=\"post\">\n";
0040: echo $msg;
0041: echo "<input type=\"text\" size=\"20\" name=\"text\" value=\"" . $text . "\">\n";
0042: echo "<input type=\"submit\" value=\"実行\">\n";
0043: echo "</form>\n";
異常入力の場合は、入力文字が短いのか長すぎるのか表示して、再入力を促す。初回入力時もここにジャンプする。
入力値が数字かどうかを検査するサンプル・プログラム
解凍できたら、input2.php というファイル名で Apache の仮想ディレクトリが通っているディレクトリにセーブすること。
例によって、画面に表示している行番号は説明の便宜上のものであり、ソースプログラムには含まれていない。
サンプル・プログラムの実行方法
入力テキストが数字かどうかをチェックする仕組み
0001: <!DOCTYPE html>
0002: <html lang="ja">
0003: <head>
0004: <meta charset="UTF-8">
0005: <title>入力テキストのエラーチェック(数字)</title>
0006: </head>
0007: <body>
0008:
0009: <?php
0010: // ここからPHPプログラム ===================================================
0011: /**input2.php
0012: * 入力テキストのエラーチェック(数字)
0013: * @copyright (c)studio pahoo
0014: * @author パパぱふぅ
0015: * @version 2.0 2014/07/12 HTML5対応,表示方式変更
0016: * @version 1.0 2004/10/12
0017: */
0018: //メインプログラム
0019: if (isset($_POST['text']) == FALSE) $text = ''; //初回起動時
0020: else $text = $_POST['text'];
0021:
0022: $l = mb_strwidth($text); //テキストの長さ
0023: $flag = is_numeric($text); //テキストが数字かどうか

関数 is_numeric は、引き数が数字かどうかを調べる。数字なら TRUE を、数字以外の文字が混ざっていれば FALSE を返す。
そこで TRUE なら正常系の処理を行い、そうでなければ再入力を促す。初回入力時もここにジャンプする。

is で始まる関数には、変数の値をチェックできるものが複数用意されている。入力チェックに使えるだろう。
半角英字で始まり、2文字目以降が半角英数字かどうかを検査するサンプル・プログラム
解凍できたら、input3.php というファイル名で Apache の仮想ディレクトリが通っているディレクトリにセーブすること。
例によって、画面に表示している行番号は説明の便宜上のものであり、ソースプログラムには含まれていない。
サンプル・プログラムの実行方法
正規表現によるパターンマッチング
0015: $pattern = '/^[A-Z|a-z][0-9|A-Z|a-z]+$/u';
0016: //チェックするパターン(perl互換正規表現)
0017:
0018: //メインプログラム
0019: if (isset($_POST['text']) == FALSE) $text = ''; //初回起動時
0020: else $text = $_POST['text'];
0021:
0022: $l = mb_strwidth($text); //テキストの長さ
0023: $flag = preg_match($pattern, $text); //テキストが数字かどうか
しかし、入力されたテキストが「半角英字で始まり、2 文字目以降が半角英数字である」かどうかを調べる組み込み関数は存在しない。このような込み入った判定を行う際に活躍するのが 正規表現 である。
PHP には POSIX および Perl 互換の正規表現を行う関数群が揃っている。「半角英字で始まり、2 文字目以降が半角英数字である」を Perl 互換正規表現で記述すると、

/.../ で囲んだ部分が正規表現であることを示す。

^ は文字列の先頭を示す。$ は文字列の末尾を示す。
[A-Z] は文字 A~Z のいずれかとマッチするクラスで、[A-Z|a-z]は文字 A~Z または a-z にマッチするクラスである。[0-9|A-Z|a-z] は文字 0~9 または A~Z または a-z にマッチする。
+ は直前の文字の 1 回以上の繰り返しを指す。

入力テキストと正規表現のマッチングを行うのが関数 preg_match である。マッチしたら TRUE、そうでなければ FALSEを返す。
そこで、TRUE なら正常系の処理を行い、そうでなければ再入力を促す。初回入力時もここにジャンプする。

Perl 互換正規表現の詳細については、http://jp2.php.net/manual/ja/ref.pcre.php をご覧いただきたい。
正規表現の応用
たとえばメールアドレスのチェックなら、「英小文字で始まり、2 文字目以降は英小文字または数字、途中に@が入り、英小文字または数字、途中に.(ドット)が入り、英小文字または数字が続く」というルールにしておけば、

と記述できる。実際のメールアドレスには_(アンダーバー)などが利用できるので、もう少し工夫する必要はある(「正規表現でメールアドレスかどうかチェックする」参照)。

マルチバイト文字(全角文字)に対応する POSIX 互換正規表現マッチング関数 [mb_ereg_match] もある。これを使えば、機種依存文字でないかどうかチェックすることもできる。

正規表現の使い方については、「PHP で正規表現」で解説しているので、ご覧いただきたい。
参考サイト
- PHP セキュリティ対策:正規化した文字列を取り出す
- PHP で正規表現:ぱふぅ家のホームページ
- 入力チェックとエラー表示:PHP pro
これをバリデーション(validation)と呼ぶ。
悪意のある入力への対策については、「PHP セキュリティ対策:正規化した文字列を取り出す」などで述べていくことにするが、ここでは、入力値が正常な範囲にあるかどうかをチェックする方法を紹介する。
通常、入力エラーチェックは JavaScript などクライアントサイドで行うことが多い。ここでは isleap.php と同様、1つの PHP プログラムの中で、入力、エラーチェック、結果出力を行う方法を紹介する。