PHPで円周率を求める

「PHPで巨大素数の生成と判定」で紹介した GMP関数を使い、チュドノフスキーの公式を使って小数点以下数千桁の円周率を求める。PHPはコンパイラ型言語ではないが、数万桁程度であれば比較的短時間に計算できる。

サンプル・プログラムの実行例

サンプル・プログラム

圧縮ファイルの内容
pi.php	サンプル・プログラム本体。
pahooInputData.php	データ入力に関わる関数群。使い方は「PHPでGET／POSTでフォームから値を受け取る」「数値入力とバリデーション」「文字入力とバリデーション」などを参照。include_path が通ったディレクトリに配置すること。

pi.php 更新履歴
バージョン	更新日	内容
1.0.0	2024/06/30	初版

pahooInputData.php 更新履歴
バージョン	更新日	内容
1.5.0	2024/01/28	exitIfExceedVersion() 追加
1.4.2	2024/01/28	exitIfLessVersion() メッセージ修正
1.4.1	2023/09/30	コメントの訂正
1.4.0	2023/09/09	$_GET, $_POST参照をfilter_input()関数に置換
1.3.0	2023/07/11	roundFloat() 追加

準備：初期値など

  52: //表示幅（ピクセル）
  53: define('WIDTH', 600);
  54:
  55: //Spinner - jQuery UI を使用するかどうか
  56: define('USESPINNER', TRUE);
  57:
  58: //計算範囲
  59: define('MIN_DIGITS', 5);        //計算できる小数点以下の最小桁数
  60: define('MAX_DIGITS', 10000);    //計算できる小数点以下の最大桁数
  61: define('DEF_DIGITS', 100);      //小数点以下のデフォルト桁数

各種定数は変更可能である。
jQuery UI を使いたくなければ、USESPINNER を FALSE にする。
データ入力に関わる関数群 "pahooInputData.php" はinclude_pathが通ったディレクトリに配置すること。

解説：チュドノフスキーの公式を使って円周率を求める

チュドノフスキーの公式を使うと、級数展開部分は巨大整数の計算でクリアできるので、GMP関数が適用でき、計算速度の高速化が期待できる。最後に小数化する部分で、BCMath 任意精度数学関数を利用する。
チュドノフスキーの公式については「チュドノフスキーの公式 - C++ で円周率を計算する」をご覧いただきたい。

191: /**
192:  * チュドノフスキーの公式を使って円周率を求める．
193:  * @param   int $digit 小数点以下の桁数
194:  * @return  string 素数／NULL：取得失敗
195: */
196: function compPiChudnovsky($digits) {
197:     //精度の設定
198:     $scale = $digits + 10;  //指定桁数に余裕を持たせる
199:     bcscale($scale);
200:
201:     //初期値
202:     $C = bcsqrt(10005, $scale);
203:     $C = bcmul($C, 426880);
204:
205:     $K = gmp_init(6);
206:     $M = gmp_init(1);
207:     $X = gmp_init(1);
208:     $L = gmp_init(13591409);
209:     $S = $L;
210:
211:     //級数展開
212:     for ($k = 1; $k <= $digits; $k++) {
213:         $K = gmp_add($K, gmp_mul(12, $k));
214:         $M = gmp_mul($M, gmp_div(gmp_pow($k, 3), $k));
215:         $X = gmp_mul($X, -262537412640768000);
216:         $L = gmp_add($L, 545140134);
217:         $term = gmp_mul($M, $L);
218:         $term = gmp_div_q($term, $X);
219:         $S = gmp_add($S, $term);
220:     }
221:
222:     $pi = bcdiv($C, gmp_strval($S), $digits);
223:     return bcsub($pi, 0, $digits);
224: }