浦佐駅と田中角栄の像

2017年12月31日 撮影
浦佐駅
浦佐駅(新潟県南魚沼市浦佐719-2)は、上越新幹線とJR上越線の接続駅となっている。新幹線は高架2面2線、在来線は地上2面4線となっている。
1983年(昭和58年)9月に開業。1981年(昭和56年)11月、上越新幹線開業に備えて新駅舎が運用を開始。
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田中角栄の像 - 浦佐駅
東口前の広場には、田中角栄の像が建っており、左手をポケットにつっこみ、右手を「よっ」という感じで上げた独特のポーズで、越後三山を見上げている。雪が積もらないように屋根が設けられている。

浦佐駅は、特急が1日1往復と一部の急行が停車するだけの小さな駅だった。大和町は、街づくりの核にすべく、積極的に新幹線の誘致を進め、大和町を選挙区(旧・新潟3区)とする田中角栄がバックアップしたともいわれている。上越新幹線は、浦佐駅の前後で大きくカーブする。
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田中角栄

この像は1985年(昭和60年)10月に完成した。田中角栄が脳梗塞で倒れた7ヶ月後のことだった。越山会の幹部でつくる田中角栄先生銅像建設期成会が、その功績をたたえ、さらなる尽力を願い、魚沼地区で一般家庭などからも資金を集めをしたという。

田中角栄は、1918年(大正7年)5月4日、新潟県刈羽郡二田村(現・柏崎市)で、農家の7人兄弟の次男として生まれた。1933年(昭和8年)、二田高等小学校(現:柏崎市立二田小学校)卒業。1934年(昭和9年)3月、上京し、井上工業に住み込みで働きながら、中央工学校土木科の夜間部に通った。1936年(昭和11年)3月、中央工学校土木科を卒業し、翌年、独立して共栄建築事務所を設立。仕事のかたわら錦城商業学校にも籍を置き、商事実務を学んだ。こうした努力が実を結び、のちに「コンピュータ付きブルドーザー」と呼ばれるようになる。
1938年(昭和13年)に徴兵され、翌年、満州で兵役に就く。1年で陸軍騎兵上等兵になるが、肺炎を発症し、1941年(昭和16年)10月に除隊。東京に田中建築事務所を開く。1942年(昭和17年)10月に結婚。
1947年(昭和22年)4月、日本国憲法による最初の総選挙となった第23回総選挙で、新潟3区から民主党公認で立候補し、当選する。その後、民主自由党に入り、吉田茂に接近する。
1948年(昭和23年)11月、炭鉱国管疑獄により東京拘置所に収監。第24回総選挙は獄中選挙となったが、得票数を前回の2倍に増やし、再選を果たした。

田中角栄は国土開発に注力した。一議員でありながら多くの議員立法を提出し、池田勇人蔵相を説得し日本住宅公団を設立し、ガソリン税と道路特定財源として全国の道路網整備を可能とした。1962年(昭和37年)7月、池田勇人内閣の大蔵大臣に就任し、発言権は更に増した。
1969年(昭和44年)8月、大学管理法成立を働きかけ、大学紛争を収束に導いた。
また、中越自動車の株式取得を通じて東急に接近し、1972年(昭和47年)、全国に工業地帯を開発し、人の移動に新幹線網、物の移動に高速道路網を建設する『日本列島改造論』をぶち上げ、ついに総理にまで上り詰めた。
1972年(昭和47年)9月、中国を訪問し、周恩来首相や毛沢東共産党主席と会談し、日中国交正常化を実現した。

しかし、1973年(昭和48年)10月、第四次中東戦争からオイルショックが発生し、景気は大きく後退した。翌1974年(昭和49年)10月、文藝春秋が立花隆の「田中角栄研究」を掲載し、田中金脈問題を追求。総理在任2年5ヵ月で退陣することとなる。
1976年(昭和51年)2月、ロッキード事件が発生し、田中角栄も逮捕される。
1983年(昭和58年)11月、上越新幹線が暫定開業。1985年(昭和60年)10月、関越自動車道が全通した。だが、同年2月27日、田中角栄は脳梗塞で倒れた。翌1986年(昭和61年)7月の総選挙でトップ当選を果たすものの、政治活動はできなくなっていた。1990年(平成2年)1月、政界を引退。
1993年(平成5年)12月16日、75歳で死去。ロッキード事件は上告審の審理途中で公訴棄却となる。有罪判決を受けた刑事被告人のまま死去したため、位階勲章は与えられなかった。

交通アクセス

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目的地:浦佐駅

近隣の情報

参考サイト

参考書籍

表紙 日本列島改造論
著者 田中角栄
出版社 日刊工業新聞社
サイズ 単行本
発売日 1993年12月
価格 1,388円(税込)
ISBN 9784526034671
 
表紙 小説吉田学校〈第4部〉金脈政変
著者 戸川猪佐武
出版社 学陽書房
サイズ 文庫
発売日 2000年12月20日頃
価格 770円(税込)
ISBN 9784313751248
昭和四十七年七月、田中角栄“庶民宰相”誕生。日中国交回復を果たし、「日本列島改造」をスタート。日本国中好景気に浮かれるがオイルショックであえなくダウン。参議院選挙で自民党は大惨敗。田中の指導力が問われ党内抗争が再燃。さらに田中金脈問題が発覚し、世論は騒然となる。田中退陣を読んだ三木、福田、大平は対決の姿勢を強める。長老会議の全権を握る椎名副総裁の裁定が意外な方向へ…。
 
表紙 鉄道と政治
著者 佐藤 信之
出版社 中央公論新社
サイズ 新書
発売日 2021年04月20日頃
価格 1,034円(税込)
ISBN 9784121026408
かつて鉄道は、地方に近代化をもたらしてくれるものだった。「我田引鉄」と呼ばれようとも、政治家は血眼になって自らの票田に鉄道を引き込んだ。不自然な路線や駅の配置が各地に見られるのはその結果でもある。だが、鉄道を国に強請る時代は終わった。国と地方との関係が変わった今、リニア、都市交通などの整備はどうあるべきか。明治以来の政治家・政党と交通政策の変遷を概説し、これからを展望する。
 
表紙 角栄に花束を
著者 大和田秀樹
出版社 秋田書店
サイズ コミック
発売日 2020年05月20日
価格 693円(税込)
ISBN 9784253300018
 
(この項おわり)
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