寝台特急「なは・あかつき」は鹿児島と大阪を結ぶ

2008年3月に廃止
寝台特急「なは・あかつき」14系・24系
2007年8月1日 岡山駅 写真:こぱふぅ
寝台特急「なは」は、新大阪~西鹿児島間を運行していたが、2004年(平成16年)の九州新幹線開通で熊本までの運転となった。
一方の「あかつき」は京都~長崎を結ぶ寝台特急だったが、併結相手の「彗星」が2005年(平成17年)10月に廃止されたため、新たに「なは」と併結し「なは・あかつき」として運転している。
2007年(平成19年)8月現在、JR九州・西日本・東海・東日本をまたいで運行する唯一の列車だったが、2008年(平成20年)3月のダイヤ改正で廃止された。
寝台特急「なは・あかつき」14系・24系
2007年8月1日 岡山駅 写真:ままぱふぅ
あかつきの客車はJR西日本の14系客車を、なはの客車はJR九州の24系客車である。
14系客車は、サービス電源を床下のディーゼルエンジン駆動の発電機でまかなう「分散電源方式」を採用しており、1971年(昭和46年)から寝台特急列車用に配備された。ところが、1972年(昭和47年)に発生した北陸トンネル火災事故を契機に、火元となりうる分散電源方式は問題があるとされ、 14系の製造を中止した。
そこで、基本構造は14系を踏襲しつつ、独立した電源車から客車へサービス電源を給電する「集中電源方式」を採用したのが24系客車である。
寝台特急「なは・あかつき」14系・24系
2007年8月1日 岡山駅 写真:ままぱふぅ
最後尾の10号車は、普通車指定席「レガートシート」である。寝台料金不要の指定席特急料金で乗車できる。
座席は、横3列、縦方向は交互に配置され、まるで夜行バスのよう。毛布やスリッパも用意されている。
なはは、沖縄の本土復帰を願って命名され、1968年(昭和43年)に昼間の特急として運行を開始した。1975年(昭和50年)から寝台特急になり、熊本~京都間を約12時間で結んできた。
近年は飛行機や長距離バスに押され、1989年(昭和64年)に1日往復約450人だった乗客数が近年では約70人に減少、2008年(平成20年)3月のダイヤ改正で廃止が決まった。
これにともない、熊本駅は、2月15日から記念入場券の発売を開始した。なは号の語呂合わせで785セットを販売する。

2008年(平成20年)3月11日、「なは・あかつき」のヘッドマークが盗まれた。
次々に廃止されるブルートレインへの関心が高まっているが、備品が盗まれたり、乗車券を持っていないのに車内に入り込んだりと、迷惑行為が後を絶たないという。

3月15日、なは最終便が熊本駅に到着し、沖縄県と那覇市の代表に列車のヘッドマークが贈られた。ヘッドマークは那覇市のゆいレール展示館で展示されることになっている。
ブルートレイン「なは」関連
(この項おわり)
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