パレオエクスプレスは21世紀を走る唯一のC58形蒸気機関車

お召し列車も牽引
C58形蒸気機関車「パレオエクスプレス」
2013年3月31日 西武秩父駅付近 写真:こぱふぅ
C58 形は、1938 年(昭和 13 年)から 1947 年にかけて 427 両が製造された鉄道省(国鉄の前身)の機関車である。全国に配備された客貨万能の機関車で、安定した性能を有することから、お召し列車を何度か牽引している。
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C58形蒸気機関車「パレオエクスプレス」
2013年3月31日 西武秩父駅付近 写真:こぱふぅ
パレオエクスプレスは、土曜日と日曜日、熊谷駅と三峰口駅の間を 1 往復する。所要時間は約 2 時間半。
機関車の先頭には、季節に合わせたヘッドマークを付けている。この日は のヘッドマークが掲げられていた。
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C58形蒸気機関車「パレオエクスプレス」
2006年6月17日 秩父駅 写真:ままぱふぅ
パレオエクスプレスを牽引する C58 363 は、太平洋戦争のさなか、1944 年(昭和 19 年)に製造された。

1973 年(昭和 48 年)に現役を引退し、埼玉県吹上町立吹上小学校の校庭で静態保存されていた。しかし、1988 年(昭和 63 年)のさいたま博覧会(3 月 19 日から 5 月 29 日まで熊谷市で開催)にともない復活した。
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C58形蒸気機関車「パレオエクスプレス」
2014年7月26日 西武秩父駅~影森駅間 写真:こぱふぅ
2004 年(平成 16 年)には還暦を迎え、21 世紀を走る唯一の C58 形となっている。
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C58形蒸気機関車「パレオエクスプレス」
2013年3月31日 西武秩父駅付近 写真:こぱふぅ
牽引される 12 系客車は、2012 年(平成 24 年)に運行25 周年を記念してダークグリーンから赤茶色にあらためられた。
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脱線事故

2012 年(平成 24 年)6 月 19 日に 2000 回運転を達成したが、2012 年(平成 24 年)8 月 6 日午前 9 時 32 分ごろ、埼玉県熊谷市の秩父鉄道広瀬川原熊谷工場内で脱線した。けが人はなかった。
2013 年(平成 25 年)3 月 20 日に運行再開された。

パレオパラドキシア

パレオエクスプレスの「パレオ」は、秩父地方に 2,000 万年前に生息していた幻の海獣パレオパラドキシア(ラテン語で「昔の不思議な動物」という意味)にちなんだ名前。数々の化石から、太古の秩父地域は海底にあったことが明らかになっている。
パレオパラドキシアの化石は珍しく、世界でも数体しかない。その骨格標本が埼玉県立自然史博物館に展示されている。

国内最年長のSL機関士

C58形蒸気機関車「パレオエクスプレス」
2006年6月17日 熊谷駅 写真:ままぱふぅ
パレオエクスプレスは、国内最年長の機関士、田村 (つとむ) さん(70)によって運行されてきた。1966 年(昭和 41 年)に 23 歳で国鉄の機関士となり、一時は電車の運転士となったが、1990 年(平成 2 年)に秩父鉄道に出向しパレオエクスプレスの機関士を務めた。
C58形蒸気機関車「パレオエクスプレス」
2006年6月17日 熊谷駅 写真:ままぱふぅ
田村さんは「SL は奥が深い」という。弁の開き具合を細かく調節し、蒸気の消費を最小限にとどめて石炭を節約する。急発進などで乗客に不快な衝撃を与えないよう、乗客数の違いに応じて加減を変える。すべて経験に基づく感覚が頼りだ。「乗客が多いか少ないかは、始発駅で動き出す時の“感じ”で分かる」という。

田村さんは 2013 年(平成 25 年)11 月に引退した。秩父鉄道には教え子の機関士が 5 人いる。
「秩父鉄道も生え抜きだけで運行できる態勢になり、うれしい。SL の運転は誇りであり、楽しかった」と振り返った。引退後は 5 人の孫娘と一緒に客として乗り、教え子たちの上達ぶりを見るのが楽しみだという。

参考サイト

パレオエクスプレス 関連
(この項おわり)
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