蒸気機関車 パレオエクスプレス

2006年6月17日 撮影
パレオエクスプレス
パレオエクスプレスは、土曜日と日曜日、熊谷駅と三峰口駅の間を1往復する。所要時間は約2時間半。
機関車の先頭には、季節に合わせたヘッドマークを付けている。この日は RainySeason のヘッドマークが掲げられていた。

パレオエクスプレスの「パレオ」は、秩父地方に2,000万年前に生息していた幻の海獣パレオパラドキシア(ラテン語で「昔の不思議な動物」という意味)にちなんだ名前。数々の化石から、太古の秩父地域は海底にあったことが明らかになっている。
パレオエクスプレスの大きな写真大きな写真
(1430×1920 ピクセル, 1013 Kbyte)
パレオパラドキシアの化石は珍しく、世界でも数体しかない。その骨格標本が埼玉県立自然史博物館に展示されている。
地図 - 秩父鉄道
熊谷駅
パレオエクスプレスに乗るため、三鷹からJRで熊谷へ向かった。そこからパレオエクスプレスに乗車して三峰口まで。帰路は、西武秩父から西武線で池袋を経由して三鷹まで。
乗車距離250キロ、1日の大半が列車移動であるにもかかわらず、こぱふぅはご満悦であった。
パレオエクスプレスの車窓から
パレオエクスプレスの車窓から。

これは鉄橋の手前なので開けているが、全体的に、線路脇すぐのところに鉄柱がある。窓から顔を出してはいけない。
路肩に入り込んで写真撮影をしているカメラマンも多いが、くれぐれも運行の妨げにならないように。
客車 - パレオエクスプレス
パレオエクスプレスの客車は4両編成で、機関車に近い1両(往路では1号車、復路では4号車)が指定席で、あとの3両は自由席である。指定券は、大人、子どもとも700円。自由席は500円――いずれにしても安い。
客車 - パレオエクスプレスの大きな写真大きな写真
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エンブレム - パレオエクスプレス
客車のカラーは、緑豊かな秩父路の風景に馴染み重厚な雰囲気のダークグリーンを基調として、窓の下にはゴールドのラインを配し、側面中央部と両端の貫通扉には「電車は地球にやさしい乗り物です」をコンセプトに地球をモチーフとしてデザインした社名入りゴールドエンブレムが描かれている。
エンブレム - パレオエクスプレスの大きな写真大きな写真
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車内 - パレオエクスプレス
パレオエクスプレスの客車は、旧・国鉄の12系客車を改装して使っている。
12系客車は、1970年(昭和45年)の大阪万博の輸送のための臨時列車・団体列車を含めた波動輸送用車両として1969年(昭和44年)から1978年まで合計603両を製造した。
電源としてディーゼル発電機を床下に備えており、当初から電気式の冷暖房を提供している。
クロスシート - パレオエクスプレス
車体幅はそれまでの客車に比べて約10センチ拡大し2.9メートルに、また車体長も20.8メートルに拡大し、人間工学に考慮した形状のクロスシートが配されている。
とはいえ、2時間半といえば、新幹線で東京から新大阪までの所要時間。新幹線世代としては、さすがに腰に負担が‥‥。
車内販売 - パレオエクスプレス
パレオエクスプレスの車内では、いろいろなものが車内販売されている。
弁当は、「SLべんとう」と「C58みそとん弁当」の2種類。
SLべんとう - パレオエクスプレス
「SLべんとう」は和洋折衷の幕の内弁当みたいな感じ。ノリとバランがSLの形をしている。ハンバーグが手作りっぽく、なかなか美味しかった。
SLべんとう - パレオエクスプレスの大きな写真大きな写真
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パレオくん - パレオエクスプレス
パレオエクスプレスのマスコット「パレオくん」は、2001年(平成13年)5月26日にデビューした。
パレオパラドキシアとは似ても似つかぬ姿に、ガチャピンのバッタものかと思ってしまいました。
三峰口駅
秩父鉄道の終着駅、三峰口駅(埼玉県秩父市荒川白久1627)は、三峰山の入口にあり、奥秩父観光の拠点となっている。、関東の駅百選の認定駅でもある。
三峰口駅前
駅前はこんな感じ。観光客はまばらだ。
三峰口駅内
駅の中はこんな感じ。
転車台 - パレオエクスプレス
三峰口の駅を降りてすぐの所に車両公園があり、大正時代の車両が展示されている(野ざらしという気がしないでもないが)。
その先に、機関車を回転させるための転車台がある。動力は電動だが、操作者が目視で180度回転させているような気がしてならない。
転車台 - パレオエクスプレスの大きな写真大きな写真
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前原国土交通大臣が視察

2009年(平成21年)11月29日、前原国土交通大臣が、観光担当相としてパレオエクスプレスを視察し、制服姿で自ら運転台に乗り込んだ。
前原大臣は自他ともに認めるSL好き。制服姿で自ら石炭をくべるなどしてご満悦で、「こういうものが後世に残り、観光が盛り上がれば」と語った。

工場内で脱線

2012年(平成24年)8月6日午前9時32分ごろ、埼玉県熊谷市の秩父鉄道広瀬川原熊谷工場内で、パレオエクスプレス(C58)が脱線した。けが人はなかった。
脱線時の速度は時速20キロ程度だったといい、秩父鉄道はポイントの切り替えミスが原因ではないかとみて調べている。 また、16日までの運行を中止する。

三峰口駅付近の地図

【鉄道】
  • 西武池袋線「池袋駅」から西武線特急で1時間20分、「西武秩父駅」から秩父鉄道「御花畑駅」に乗り換え(徒歩)、約20分
  • 秩父鉄道「熊谷駅」から約1時間30分
パレオエクスプレス 関連

近隣の情報

(この項おわり)
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