のと鉄道観光列車「のと里山里海号」 NT300形

観光列車 のと里山里海号
2018年8月11日 穴水駅 写真:こぱふぅ
のと里山里海号は、のと鉄道が、のと鉄道七尾線で運行する観光列車である。N200 形気動車をベースにした 2 両編成のNT300 形により、2015 年(平成 27 年)4 月に運行開始した。
車窓から、世界農業遺産に登録された能登の里山里海 (さとやまさとうみ) が織りなす風景と能登の旬の味が楽しめる。
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観光列車 のと里山里海号
2018年8月11日 七尾駅 写真:こぱふぅ
1 日 5 本(下り 3 本、上り 2 本)で、土日祝日と指定日には「ゆったりコース」が、平日は「カジュアルコース」の 2種類が設定されている。いずれも予約が必要。ネットから予約でき、支払いは乗車時に現金でも可能。空席があれば当日券も発行している。

車内では、アテンダントが沿線ガイドをしてくれる。七尾-穴水駅間を 40 分かけて走る普通列車よりゆっくりで、約 1 時間かけて走り、ビューポイントでは一時停車して風景を堪能できる。
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観光列車 のと里山里海号
食事の事前予約ができる。世界的に活躍するパティシエ辻口博啓氏の「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」が能登の素材にこだわった「スイーツプラン」、和倉温泉の名店「能登すしの庄 信寿し」が手がける「寿司御前プラン」、日本四大杜氏に数えられる能登杜氏が造る美味しい地酒を用いた「ほろ酔いプラン」から選べる。
観光列車 のと里山里海号
外装は、能登の海をイメージした日本海ブルーを基調に、下部に大地の実りをイメージしたえんじ色帯がまかれたている。鏡面仕上げで高級感を出している。
悪天候でも眺望を妨げないよう、窓は防曇の二重ガラスとなっている。
観光列車 のと里山里海号
2018年8月11日 駅 写真:こぱふぅ
運転席はコンパクトにまとまっており、前面の眺望も楽しめるようになっている。
また、1 号車の運転席近くは、コーヒー、アルコール、オリジナルグッズなどを販売するサービスカウンターになっている。
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観光列車 のと里山里海号
七尾寄りの客室のシートはすべて海向きとなっており、眺望を楽しめる。
山側は、床面を 150mm高くしたソファーシートになっている。
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観光列車 のと里山里海号
ソファーシートは、家族やグループで食事をしながら語り合うのにちょうどいい。
予約は必要なものの全車自由席であり、空いているシートに腰掛けて旅を楽しもう。
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観光列車 のと里山里海号
1 号車の座席は里山をイメージしたオレンジ色、2 号車の座席は里海をイメージした青色となっている。表布には「のとキリシマツツジ」がデザインされている。
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観光列車 のと里山里海号
車内各所には、能登の伝統工芸品が配置され、工芸品を鑑賞できるギャラリースペースを設けている。

食事は予約しなかったのだが、地元の海洋深層水とキャラメルが用意されており、アテンダントが荷物の置き場所など心遣いをしてくれた。また、写真は撮れなかったが、途中のトンネルでは手作りのイルミネーションが目を楽しませてくれる。
こうした手作り感あふれるもてなしは、われわれ旅人にとって、どんな高級な工芸品より記憶に残る。
郵便車 オユ10
途中の能登中島駅には、郵便車「オユ 10」が留置されている。10 分間ほど停車し、オユ 10 の中を見学できる。
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郵便車 オユ10
オユ 10 は、国鉄が 1955 年(昭和 30 年)に開発・量産した軽量客車で、食堂車や寝台車としても活躍した。
軽量であることを利用し、72 両が区分室付郵便車として製造された。写真の郵便車は 1969 年(昭和 44 年)9 月にオユ 10 2045 として製造され、東京-北海道間で活躍した。
郵便車 オユ10
北海道から九州までの全国各地を移動しながら、郵便物を車内で仕訳していた。
郵便袋を 500~600 個(重量にして 7~8 トン)搭載できた。
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郵便車 オユ10
北海道向けは電気暖房を搭載していたが、冷房設備は備わっておらず、作業員の汗で郵便物が汚れないように苦労したという。1972 年(昭和 47 年)から冷房が増備された。写真のオユ 10 は 1976 年(昭和 51 年)2 月に冷房改造され、2565 に改番された。
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観光列車 のと里山里海号
2018年8月11日 駅 写真:こぱふぅ
1986 年(昭和 61 年)10 月の鉄道郵便廃止にともない、全車が引退した。
現在、残っているのは、ここにある 1 両と、中央郵政研修センターにある 1 両の計2 両のみである。
鉄道郵便車保存会による説明板には、「鉄郵魂は永遠に不滅なり」と記されている。

車内には、昔懐かしい丸型ポストがあり、ここに郵便物を投函すると、オユ 10特別日付印を押印し郵送してくれる。
観光列車 のと里山里海号
2018年8月11日 駅 写真:こぱふぅ
1番目のビューポイントは、石川県七尾市中島町の深浦港。七尾北湾に面した小さな漁港だ。
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湯乃鷺駅(西岸駅)
こちらはビューポイントではないが、アニメ「花咲くいろは」でモデルとなった西岸 (にしぎし) 駅。作中の「湯乃鷺 (ゆのさぎ) 」の看板が掲示されている。
アニメの放映が 2011 年(平成 23 年)4 月であり、だいぶ色褪せている。
ボラ待ちやぐら
ボラ待ちやぐらは、ボラ漁のために建てられた櫓。警戒心が強いボラが櫓を通り抜けたところを、海底に張った袋網ごと引き揚げる。
1889 年(明治 22 年)に能登を訪れた天文学者パーシヴァル・ローウェルは、著書『NOTO―能登・人に知られぬ日本の辺境』の中で、怪鳥ロックの巣のようだと記している。
観光列車 のと里山里海号
2018年8月11日 七尾駅 写真:こぱふぅ
1970 年代には衰退し、現在は観光用にいくつかを残すのみとなっている。

七尾駅および和倉温泉駅では、七尾線の観光列車「花嫁のれん」から乗り換え接続している。

運行ルート

七尾駅から穴水駅まで 33km を、約 60 分かけてのんびりと運行する。
車内では、記念乗車券をもらい、スタンプを押すことができる。
ゆったりコースでは、帰りの乗車券が付いている。

のと鉄道設立当初は 100km 以上あった鉄道も、現在では 33.1km と短くなり、経営状況も厳しいと聞く。能登観光の際は、のと鉄道に乗って、ノンビリとした鉄道旅行を堪能していただきたい。
のと鉄道 関連

参考サイト

(この項おわり)
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