富岡駅(福島県双葉郡富岡町大字仏浜字釜田)は、JR常磐線の駅で、1898年(明治31年)8月に開業。2011年(平成23年)3月11日、東日本大震災による津波で駅舎が流出。
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津波対策を施したうえ、100メートル北側に、交通広場とともに再整備され、2017年(平成29年)10月21日、竜田~富岡駅間の6.9kmが、6年7カ月ぶりに運転再開された。
富岡駅の待合室には、空間線量率(μSv/h)が表示されている。毎時シーベルトは被曝の強さを表す。
現在、日本では国際放射線防護委員会(ICRP)の安全基準に基づき、1年間の被曝限度となる放射線量を、通常1mSv未満、緊急時20~100mSv、緊急事故後の復旧時1~20mSvとしている。現在は0.073Sv/hであるから、1年間で0.073×24×365.25≒0.64mSvとなり、通常以下の被曝量である。
富岡~浪江駅間の15.9kmは代行バス(1日11便;富岡駅発が6便、浪江駅発が5便)が運行している。
2020年(令和2年)3月14日、この区間の営業が再開し、常磐線は9年ぶりに全線再開した。
2020年(令和2年)3月14日、この区間の営業が再開し、常磐線は9年ぶりに全線再開した。
富岡→浪江駅
代行バスに乗り、陸前浜街道(国道6号)を浪江駅へ向かって北上して行く。
セガワールド富岡は東日本大震災によって損壊し、続く、福島第一原発事故で富岡町が帰宅困難区域に指定された。その後、避難指示解除準備区域となり、2017年(平成29年)4月1日に解除された。
いまも、事故当時の姿をさらしている。
いまも、事故当時の姿をさらしている。
締め切ったままのENEOS。
復旧しているガソリンスタンドもある。
復旧しているガソリンスタンドもある。
パチンコの六万石と、飲食店のやまもと屋。
ファミリーマート双葉郡長塚店(福島県双葉郡双葉町大字長塚字寺内前230-1)も閉まったままだ。
浪江町に入る。
焼肉香房座々(福島県双葉郡浪江町高瀬桜木38−1)も閉まったままである。
焼肉香房座々(福島県双葉郡浪江町高瀬桜木38−1)も閉まったままである。
高瀬川の様子。
富岡~浪江駅間は不通のままで、この踏切も遮断機が下りることはない。
駅前には、浪江町出身の佐々木俊一が作曲した「高原の駅よさようなら」の石碑がたっている。この曲は、1951年(昭和26年)に小畑実が歌い大ヒットとなった。
2017年(平成29年)3月31日の解除を受け、4月1日から浪江~小高駅間の9.8kmが運転再開された。再開に際しては、大規模な反対運動があった。
現在も通行は少なく、駅前の交差点も閑散としている。
現在も通行は少なく、駅前の交差点も閑散としている。
浪江町は、浜通り夜ノ森以北の中では、相馬市や南相馬市に次ぐ規模の街であり、駅周辺に商店が広がっていた。
現在は廃屋が目立つ。
ところが、福島第一原発事故の影響で、避難を余儀なくされ、3月15日から二本松市に仮役場を設置した。
2017年(平成29年)3月、避難指示解除準備区域、居住制限区域の避難指示が解除され、4月には役場機能の大部分を本庁舎に戻した。しかし人口の流出は止まらず、震災時点で21,434人いた人口は、2017年(平成29年)5月31日には18,256人にまで減っている。
2017年(平成29年)3月、避難指示解除準備区域、居住制限区域の避難指示が解除され、4月には役場機能の大部分を本庁舎に戻した。しかし人口の流出は止まらず、震災時点で21,434人いた人口は、2017年(平成29年)5月31日には18,256人にまで減っている。
浪江町役場の敷地内に、2016年(平成28年)10月、仮設商業共同店舗施設「まち・なみ・まるしぇ」がオープンした。
名称は公募から選び、「まち」には街並み、待ち合わせ「なみ」は浪江のなみ、「まるしぇ」は市場の意味をこめているという。
名称は公募から選び、「まち」には街並み、待ち合わせ「なみ」は浪江のなみ、「まるしぇ」は市場の意味をこめているという。
コンビニ、雑貨、飲食、クリーニング、コインランドリーなど、日常生活の店が並び、配置された木製テーブル・ベンチにはお客さんが座っており、にぎわいを見せている。
福島第一原発のある双葉町は、いまも帰還困難区域に指定されている。
2022年(令和4年)春ごろまでに避難指示の解除を目指している。
2022年(令和4年)春ごろまでに避難指示の解除を目指している。
浪江町の屋外空間線量率は0.390μSv/hと、さすがに富岡駅の待合室に比べると高い。
浪江駅付近の地図
参考サイト
- 富岡駅:JR東日本
- 浪江駅:JR東日本
- 浪江町役場
- 奇跡の一本松と道の駅「高田松原」:ぱふぅ家のホームページ
- 福島第一原子力発電所事故の経過と教訓:東京電力
浪江町駅周辺の情報
- 常磐線不通区間の富岡駅から浪江駅へ(2020年3月運転再開):ぱふぅ家のホームページ
- 復活、じゃんがら踊り(2023年8月26日)
- 夢かなうも「ゴールじゃない」(2023年1月13日)
- 福島・大熊町で10年ぶりに再開、憩いの場の喫茶店(2021年6月13日)
- 双葉町の「遥拝殿」で地鎮祭、帰還困難区域の参拝兼ねる(2021年5月17日)
- 道の駅「なみえ」が開業、「懐かしい顔に会える」(2020年8月5日)
- 台風被害乗り越えサケ稚魚放流(2020年3月20日)
- モリアオガエル産卵最盛期迎える(2019年6月24日)
- 「浪江こども園」落成 来春開所、関係者テープカット(2017年10月4日)
- こいのぼり 浪江再生へ願い空高く(2017年5月7日)
- JR常磐線、南相馬で運転再開 避難指示解除で5年ぶり(2016年7月12日)
(この項おわり)