おしゃれ用カラーコンタクトレンズが薬事法対象に

2014年10月2日 更新

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おしゃれ用カラコンは薬事法対象に

おしゃれ用カラーコンタクトレンズ
オシャレで顔つきが変わることで人気のカラーコンタクトレンズ(カラコン)だが、使用者のトラブルが続発している。おしゃれ用カラコンは“雑貨”扱いであるため、取り扱いが雑になってしまったり、色素が溶け出すなど素材そのものに問題がある製品もあるという。
そこで、厚生労働省は、2009年(平成21年)11月4日より、おしゃれ用カラコンについても、視力矯正用コンタクトレンズ(医療用コンタクトレンズ)と同じように高度管理医療機器として薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の規制対象にすると発表した。。おしゃれ用カラコンの製造・輸入にあたっては厚生労働大臣の承認が、販売にあたっては都道府県知事の販売業の許可、販売管理者の設置が義務づけられることになる。

ちなみに、高度管理医療機器はクラス分類におけるクラス3以上を指す。カラーコンタクトレンズは、「クラス分類告示 別表」により、視力矯正用のコンタクトレンズと同様にクラス3に分類されるようになったのである。

カラコンによる眼障害、酸素不足で最悪失明

厚生労働省による規制にもかかわらず、カラーコンタクトレンズによる眼障害のトラブルが後を絶たない。その多くは眼科医の処方を受けずにインターネットなどで購入、不適切な使用を続けたことで起きている。最悪の場合、失明する可能性もあるという。
日本眼科医会などは購入時に眼科医の診察を受け、定期的にチェックするよう呼びかけている。

眼障害の多くは、角膜への酸素不足が原因だ。
ソフトレンズが主流のカラコンの場合、レンズそのものがどれくらい酸素を通すかや、レンズが適度に動くよう適切にフィッティングされているかが大切になってくる。

日本コンタクトレンズ学会が国民生活センターなどと昨年9月から今年4月にかけて市販のカラコン17製品について、承認基準を満たしているか、レンズ表面がどうなっているかなどを調査。その結果、承認基準を満たしていない恐れのある製品が複数あったほか、基準は満たしているものの、着色部分が角膜側にあり角膜障害につながりやすいレンズが多かった。この結果を受け、同学会などはカラコンの承認基準の見直しを求めている。

使用者7割が眼科を一度も受診せず

日本コンタクトレンズ協会が2014年(平成26年)1月にインターネットで実施した調査によると、眼科を一度も受診したことがないと回答した人は72.4%にのぼった。
度なしカラコン使用者の68.6%が、雑貨店やインターネット通販で購入し、眼科併設店での購入は15.2%にとどまった。カラコンの購入時や使用中に眼科の受診義務はないものの、眼科を一度も受診したことがないと回答した人は72.4%にのぼった。レンズの使用方法の説明を「受けたことがない」との回答も64.8%と半数を超えた。

日本コンタクトレンズ協会は、度なしカラコン使用者の多くが、従来の眼科併設店などではなく、ドラッグストアやネット通販で購入しているため、眼科の受診機会が減っていると分析。販売自主基準を昨年8月に改定し、こうした販売元に対しても、購入者へ眼科受診を勧めることや、医師の処方に基づく販売を呼びかけている。
毎日新聞,2014年2月2日より

参考サイト

(この項おわり)
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