加齢による視線の一貫性低下が、顔を見分ける力の衰えを招く

2026年07月18日 作成
加齢による視線の一貫性低下が、顔を見分ける力の衰えを招く
香港科技大学(HKUST)などの国際研究グループは2026年7月10日、加齢にともなって顔を見分ける力が衰える仕組みを調べた論文を、学術誌「npj Science of Learning」に発表した。
人は顔を覚えるとき、目や鼻など決まった部分を順番に見る「視線のクセ」を持っている。このクセは若いころに身につき、年齢とともに安定していくことが分かっていた。
ところが今回の研究では、301人の中高年を対象に視線追跡 (しせんついせき) 装置を使って調べたところ、年をとるほどこの視線のクセの一貫性が崩れていくことが判明した。研究チームは、若いうちに一貫性が高まり、年をとると再び低くなる「山型」の変化が起きていると説明している。

さらに、視線の一貫性の低下は、顔を見分ける力の低下と関係していることも確かめられた。特に、目をよく見なくなった人ほど、顔を覚える力が落ちやすい傾向があった。目は顔を見分けるうえで最も重要な手がかりだからだと考えられる。

視線の一貫性が低い人は、余計な情報を無視して必要なものだけに注目する「選択的注意」や、不要な反応を抑える「抑制制御 (よくせいせいぎょ) 」の働きも弱くなっていた。研究チームは、視線の一貫性の低下が、脳の中で身につけた「見る手順」をうまく実行できなくなることの表れではないかと分析している。この結果は、高齢になっても顔を覚えるトレーニングや視線の使い方を練習することで、認知機能 (にんちきのう) の低下を遅らせられる可能性を示している。

参考サイト

(この項おわり)
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