目次
- 次のパンデミックで接種する意向は53.1%
- 過去の接種歴と将来意向で分けた4集団
- 接種を考えるときに重視する条件
- 優先する条件から見えた8つの集団
- 調査結果の読み方と限界
- 参考サイト
次のパンデミックで接種する意向は53.1%
ワクチン接種の判断には、科学的根拠、費用、利便性、情報への信頼など、さまざまな条件が関わります(生成AIによるイメージ)
AI生成コンテンツ / AI-generated content
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東京大学などの研究チームは2026年8月20日、日本で次のパンデミックが起きた場合のワクチン接種意向を調べた研究報告を、科学誌「npj Vaccines」に発表しました。2024年12月から2025年1月に、15~84歳の2万8000人を対象として全国インターネット調査を行い、有効回答2万5082人を得ました。

医学的な理由で新型コロナワクチンを接種できなかった人を除く2万4577人を解析しました。その結果、次のパンデミックで「必ず接種する」または「おそらく接種する」と答えた人は53.1%(1万3050人)でした。
医学的な理由で新型コロナワクチンを接種できなかった人を除く2万4577人を解析しました。その結果、次のパンデミックで「必ず接種する」または「おそらく接種する」と答えた人は53.1%(1万3050人)でした。
質問では、死亡リスクを50%超減らすワクチンが開発され、日本政府や世界保健機関(WHO)などの承認を得た状況を想定しています。感染症の致死率は新型コロナと同程度の0.1~2%、ワクチンの効果が続く期間など複数の条件を示して意向を尋ねました。

調査参加者のうち、新型コロナワクチンを少なくとも1回接種した人は75.9%でした。しかし、その接種経験者の35.8%は、次のパンデミックでは接種をためらうと答えました。新型コロナ流行後の「現在の備え」を考えるうえで重要な変化です。
調査参加者のうち、新型コロナワクチンを少なくとも1回接種した人は75.9%でした。しかし、その接種経験者の35.8%は、次のパンデミックでは接種をためらうと答えました。新型コロナ流行後の「現在の備え」を考えるうえで重要な変化です。
過去の接種歴と将来意向で分けた4集団
左上:接種済み・次も接種する1万2213人、右上:接種済み・次は接種しない6814人、左下:未接種・次は接種する837人、右下:未接種・次も接種しない4713人
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研究チームは、新型コロナワクチンの接種歴と次のパンデミックでの接種意向を組み合わせ、回答者を4つの集団に分けました。接種済みで次も接種する人は1万2213人(49.7%)、接種済みだが次は接種しない人は6814人(27.7%)でした。

新型コロナワクチンを接種していないが次は接種する人は837人(3.4%)、接種しておらず次も接種しない人は4713人(19.2%)でした。未接種だった人の15.1%が次は接種する意向を示したことから、考え方は固定されているとは限りません。
新型コロナワクチンを接種していないが次は接種する人は837人(3.4%)、接種しておらず次も接種しない人は4713人(19.2%)でした。未接種だった人の15.1%が次は接種する意向を示したことから、考え方は固定されているとは限りません。
接種を考えるときに重視する条件
接種意向は一様ではなく、想定する感染症やワクチンの条件によって変わりました。致死率を高くした場合や、ワクチンの効果が2~3カ月ではなく生涯続くとした場合には、「おそらく接種しない」と答えていた人の一部が接種する側へ移りました。特に新型コロナワクチンの接種経験者で変化が大きく見られました。

接種意向が低い傾向は、20~40歳代、女性、所得や学歴が低い人、感染症への脅威をあまり感じない人、ワクチンの偽情報や新型コロナの陰謀論を信じる人で見られました。一方、かかりつけ医がいる人、感染症やワクチンの知識が多い人、高齢者と日常的に接する人では、接種意向が高い傾向でした。
接種意向が低い傾向は、20~40歳代、女性、所得や学歴が低い人、感染症への脅威をあまり感じない人、ワクチンの偽情報や新型コロナの陰謀論を信じる人で見られました。一方、かかりつけ医がいる人、感染症やワクチンの知識が多い人、高齢者と日常的に接する人では、接種意向が高い傾向でした。
これらは統計上の「関連」であり、年齢、性別、所得などが接種意向を直接決めると証明したものではありません。また、過去の新型コロナワクチン接種後の副反応の有無や重さは、今回の解析では将来の接種意向と関連しませんでした。

回答者全体で重視されたのは、無料で接種できること、臨床試験による医学・科学的な根拠、医師の推奨でした。これに対し、WHOや政府の推奨、家族や友人の意見、国内での開発・製造、予約や接種場所の利便性をどれほど重視するかは、人によって大きく異なりました。
回答者全体で重視されたのは、無料で接種できること、臨床試験による医学・科学的な根拠、医師の推奨でした。これに対し、WHOや政府の推奨、家族や友人の意見、国内での開発・製造、予約や接種場所の利便性をどれほど重視するかは、人によって大きく異なりました。
優先する条件から見えた8つの集団
研究チームは、接種意向を高める20の条件に付けた優先順位をコンピューターで分析し、似た回答をまとめました。その結果、回答者は8つの集団に分類できました。最大の集団は全体の47.3%を占め、接種しない意向の人が56.8%でした。この集団は接種の利便性をあまり重視せず、家族や友人の勧めを比較的重視しました。

ほかには、国産ワクチンや従来型の技術を重視する集団、接種できる時間や場所などの利便性を重視する若者が比較的多い集団、専門家や専門機関の説明を重視する集団などがありました。同じ情報を全員に示すだけでなく、何を心配し、誰の説明を信頼するかに合わせた情報提供が必要だと研究チームは指摘しています。
ほかには、国産ワクチンや従来型の技術を重視する集団、接種できる時間や場所などの利便性を重視する若者が比較的多い集団、専門家や専門機関の説明を重視する集団などがありました。同じ情報を全員に示すだけでなく、何を心配し、誰の説明を信頼するかに合わせた情報提供が必要だと研究チームは指摘しています。
調査結果の読み方と限界
53.1%という数字は、次のパンデミックで実際に接種する人の割合を予測したものではありません。病気の重さ、安全性や有効性に関する情報、周囲の状況が明らかになれば、人の判断は変わります。新型コロナ流行時にも、接種開始前の意向より実際の接種率が高くなりました。

この調査は日本国内のインターネット調査であり、参加者の偏りを完全には除けません。回答者は「ワクチン」と聞いて、日本で広く使われたmRNAワクチンを思い浮かべた可能性もあります。また、地域の流行状況や医療へのアクセスは解析していません。結果は、2024年末から2025年初めの日本における意識を示すものとして読む必要があります。

研究が示したのは、接種をためらう人をひとまとめにせず、費用、科学的根拠、利便性、技術への不安、情報を伝える人への信頼を丁寧に確かめる大切さです。将来の危機に備えるには、平時から分かりやすく透明な情報を届け、質問や不安に答えられる仕組みづくりが欠かせません。
この調査は日本国内のインターネット調査であり、参加者の偏りを完全には除けません。回答者は「ワクチン」と聞いて、日本で広く使われたmRNAワクチンを思い浮かべた可能性もあります。また、地域の流行状況や医療へのアクセスは解析していません。結果は、2024年末から2025年初めの日本における意識を示すものとして読む必要があります。
研究が示したのは、接種をためらう人をひとまとめにせず、費用、科学的根拠、利便性、技術への不安、情報を伝える人への信頼を丁寧に確かめる大切さです。将来の危機に備えるには、平時から分かりやすく透明な情報を届け、質問や不安に答えられる仕組みづくりが欠かせません。
参考サイト
(この項おわり)
