目次
- 歩数が少なくても歩く速さで補える可能性
- 6万4743人の歩数と速さを調査
- 歩数と速さの組み合わせ別の結果
- 自分に合う歩き方を続ける
- 因果関係はまだ証明されていない
- 参考サイト
歩数が少なくても歩く速さで補える可能性
AI生成コンテンツ / AI-generated content
モナシュ大学とシドニー大学の研究チームは2026年(令和8年)9月8日、1日の歩数と歩く速さの組み合わせを調べた研究報告を「British Journal of Sports Medicine」に発表しました。歩数が少ない人は速めに歩き、速く歩けない人は歩数を増やすことで、どちらも死亡リスクが低くなる可能性が示されました。
研究チームは、歩数だけ、速さだけを別々に見るのではなく、2つを組み合わせて調べました。その結果、全員が同じ目標を目指す必要はなく、生活時間や体力、体の状態に合わせた歩き方でも健康につながる可能性が見えてきました。

ただし、研究が示したのは「そのような歩き方をする人は死亡リスクが低かった」という関連です。「歩き方を変えれば必ず長生きできる」と証明した研究ではありません。
ただし、研究が示したのは「そのような歩き方をする人は死亡リスクが低かった」という関連です。「歩き方を変えれば必ず長生きできる」と証明した研究ではありません。
6万4743人の歩数と速さを調査
研究には、英国の大規模調査「UKバイオバンク」に参加した中高年6万4743人のデータが使われました。平均年齢は61.5歳で、女性は3万7497人でした。参加者は2013~2015年(平成27年)に、手首に活動量計を7日間着け、1日の歩数と歩く速さを記録しました。

研究チームはその後、参加者を平均約8年間追跡しました。この間に1697人が亡くなり、そのうち502人は心臓や血管の病気による死亡でした。年齢、性別、喫煙、食事、持病など、結果に影響しそうな違いを統計的に調整して比べました。
研究チームはその後、参加者を平均約8年間追跡しました。この間に1697人が亡くなり、そのうち502人は心臓や血管の病気による死亡でした。年齢、性別、喫煙、食事、持病など、結果に影響しそうな違いを統計的に調整して比べました。
1日の歩数は「5,000歩未満」「5,000~7,500歩」「7,500~10,000歩」「10,000歩超」の4群に分けました。速さには「ピーク30分ケイデンス」を使いました。これは、1日のうち歩数が多かった30分間(連続していなくてもよい)の、1分当たりの平均歩数です。

たとえば「80歩/分」は、1日中その速さで歩いたという意味ではありません。最も活発だった合計30分間に、平均すると1分に80歩だったという意味です。
たとえば「80歩/分」は、1日中その速さで歩いたという意味ではありません。最も活発だった合計30分間に、平均すると1分に80歩だったという意味です。
歩数と速さの組み合わせ別の結果
歩数が5,000歩未満で速さが約80歩/分の人は、歩数も速さも最も低い基準群と比べ、あらゆる原因による死亡リスクが28%低い傾向でした。5,000~7,500歩で約60歩/分の人も、30%低い傾向でした。少なめの歩数を速さで補う方法と、ゆっくりでも歩数を増やす方法で、似た結果が得られたことになります。

最も低い値になったのは、7,500~10,000歩で約100歩/分の組み合わせです。基準群より死亡リスクが43%低い傾向でした。心臓や血管の病気による死亡についても、全体として似た形の結果でした。
最も低い値になったのは、7,500~10,000歩で約100歩/分の組み合わせです。基準群より死亡リスクが43%低い傾向でした。心臓や血管の病気による死亡についても、全体として似た形の結果でした。
この割合は、実際に亡くなる人数が28%、30%、43%減ると保証する数字ではありません。基準群に対する統計上のリスクの比を表しています。また、推定値には幅があり、特に人数が少ない組み合わせほど不確かさが大きくなります。

よく知られる「1日1万歩」は、全員が必ず達成すべき境界ではありません。この研究では7,500~10,000歩の群で死亡リスクが最も低く、5,000歩未満でも歩く速さが高い人にはよい関連が見られました。一歩一歩に意味があり、歩き方も大切という結果です。
よく知られる「1日1万歩」は、全員が必ず達成すべき境界ではありません。この研究では7,500~10,000歩の群で死亡リスクが最も低く、5,000歩未満でも歩く速さが高い人にはよい関連が見られました。一歩一歩に意味があり、歩き方も大切という結果です。
自分に合う歩き方を続ける
時間が少なく、長く歩けない人は、歩ける範囲で少し速さを上げる方法があります。速く歩くのが難しい人は、ゆっくりでも日常の歩数を少しずつ増やす方法があります。研究者は、数週間だけ頑張るより、無理のない習慣を何カ月、何年と続けることが大切だと説明しています。

「速め」の感じ方は、年齢や体力によって違います。研究者が示す簡単な目安は、少なくとも1分ほど続けると、息が普段より弾み、体が温まり、短い文なら話せるものの、楽に歌うことはできない程度です。
「速め」の感じ方は、年齢や体力によって違います。研究者が示す簡単な目安は、少なくとも1分ほど続けると、息が普段より弾み、体が温まり、短い文なら話せるものの、楽に歌うことはできない程度です。
運動に慣れていない人は、急に歩数や速さを大きく増やさず、少しずつ始めます。ひざや心臓などに病気がある人、歩いていて胸の痛み、強い息切れ、めまいを感じる人は、無理をせず医師などに相談してください。
因果関係はまだ証明されていない
この研究は、参加者に決められた歩き方をしてもらう実験ではなく、普段の歩き方と、その後の死亡との関係を追った観察研究です。そのため、よく歩くことが死亡リスクを下げたのか、もともと健康な人だからよく歩けたのかを完全には分けられません。

食事や病気など多くの条件を調整しましたが、孤立の程度や調査に記録されていない病気など、別の要因が影響した可能性もあります。歩数を測ったのは最初の7日間だけで、その後の約8年間に習慣が変わった人もいると考えられます。
食事や病気など多くの条件を調整しましたが、孤立の程度や調査に記録されていない病気など、別の要因が影響した可能性もあります。歩数を測ったのは最初の7日間だけで、その後の約8年間に習慣が変わった人もいると考えられます。
また、手首型の活動量計は、歩いていない手の動きを歩数と数えたり、手をあまり振らない歩行を数え損ねたりする場合があります。参加者は英国の中高年が中心であり、子どもや若者、ほかの国の人に同じ数値がそのまま当てはまるとは限りません。今後は、歩数と速さを実際に変える介入研究で確かめる必要があります。
参考サイト
- Combinations of stepping intensity and daily step counts against all-cause and cardiovascular disease mortality:British Journal of Sports Medicine
- Different daily step count and stepping pace combos may all lower risk of early death:Monash University
- The 10,000-Steps Myth Is Dead. Here's What Science Says Works Instead:ScienceAlert
(この項おわり)
