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成果は2026年9月18~19日に開催された日本脂質栄養学会第35回大会で発表され、その後、大学のニュースリリースで紹介されました。
人の食事試験
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人の試験では、牛丼、豚丼、助六寿司(いなり寿司や巻き寿司)を食べた場合を比べました。食後の意欲、集中力、疲労感などを、本人が数字で答えるアンケート「NRS(数値評価尺度)」で調べています。

牛丼を食べた場合は、ほかの2種類の食事と比べて、食後の意欲スコアが統計的に有意に高い結果でした。「有意」とは、偶然のばらつきだけでは説明しにくい差が、統計上の基準で認められたという意味です。
牛丼を食べた場合は、ほかの2種類の食事と比べて、食後の意欲スコアが統計的に有意に高い結果でした。「有意」とは、偶然のばらつきだけでは説明しにくい差が、統計上の基準で認められたという意味です。
一方、集中力スコアは高い傾向と報告されており、意欲と同じ強さで差が確認されたとは書かれていません。

ここで測ったのは、参加者が感じた意欲や集中力です。勉強の成績や仕事の成果が上がったかを直接調べた結果ではありません。また、実際の料理どうしの比較なので、脂質だけでなく、食材や栄養成分の違いが影響した可能性もあります。
ここで測ったのは、参加者が感じた意欲や集中力です。勉強の成績や仕事の成果が上がったかを直接調べた結果ではありません。また、実際の料理どうしの比較なので、脂質だけでなく、食材や栄養成分の違いが影響した可能性もあります。
マウスの実験
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別に行ったマウスの実験では、脂質源を牛脂にした飼料と、豚の脂であるラードにした飼料を比べました。マウスが回し車で自分から走った距離は、ラードの群を100とすると牛脂の群は192.27で、約1.92倍でした。この実験条件では、牛脂の群の自発的な運動量が高く維持されました。

運動できる環境で飼育したマウスでは、不安に似た行動が軽くなる結果も見られました。これは「高架式十字迷路」という装置で、マウスの行動から評価したものです。
運動できる環境で飼育したマウスでは、不安に似た行動が軽くなる結果も見られました。これは「高架式十字迷路」という装置で、マウスの行動から評価したものです。
ただし、回し車の走行距離は、人の「やる気」そのものではありません。約1.92倍という数字を、人の意欲が約2倍になるという意味に読み替えることはできません。人は料理全体を比べ、マウスは飼料の脂質源を比べている点にも違いがあります。
オレキシンとの関係
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研究グループは、マウスの運動量が高く維持された背景に、脳のオレキシンの働きが関わる可能性を考えています。オレキシンは、脳で情報を伝える物質の一つです。目が覚めている状態を保つ働きや、食欲などに関係しています。

オレキシンを使って情報を伝える神経の仕組みを「オレキシン系」と呼びます。食べ物の違いが脳の働きや自発的な活動にどう結び付くのかを考える手がかりになりますが、今回の発表は関与の可能性を示す段階です。
オレキシンを使って情報を伝える神経の仕組みを「オレキシン系」と呼びます。食べ物の違いが脳の働きや自発的な活動にどう結び付くのかを考える手がかりになりますが、今回の発表は関与の可能性を示す段階です。
「牛丼を食べると人のオレキシンが増え、そのためにやる気が出る」という一連の仕組みまで証明されたわけではありません。研究チームは、作用の仕組みと、人でも結果が再現されるかを今後さらに検証するとしています。
結果の受け止め方
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今回の研究は、身近な食事と食後の気持ちの関係を探る手がかりです。ただし、牛脂だけの効果とは断定できず、集中力や成績の向上を保証するものでもありません。人のアンケートとマウスの行動を分けて読むことが大切です。

2026年(令和8年)10月7日時点で確認したニュースリリースには、参加人数、食事の量、測定した時刻、意欲スコアの具体的な差など、詳しい条件は記載されていません。そのため、効果の大きさや、どのような人に当てはまるかを、この資料だけで判断することはできません。
2026年(令和8年)10月7日時点で確認したニュースリリースには、参加人数、食事の量、測定した時刻、意欲スコアの具体的な差など、詳しい条件は記載されていません。そのため、効果の大きさや、どのような人に当てはまるかを、この資料だけで判断することはできません。
これは大学と牛丼を販売する企業の共同研究による学会発表です。身近で面白い話題ですが、「やる気のために牛丼や牛脂を増やせばよい」とまでは言えません。さらに詳しい研究報告や、条件を変えて確かめた結果を待ちながら受け止めたいところです。
参考サイト
- 明治大学と吉野家ホールディングスが共同研究成果を発表 牛由来脂質が自発的活動と食後の意欲維持に関わる可能性を示す:明治大学
- 明治大学と吉野家ホールディングスが共同研究成果を発表:吉野家ホールディングス/PR TIMES
- 牛丼を食べると「やる気」が高まる? 明治大と吉野家が共同研究:ASCII.jp
- TSUKUBA FRONTIER #036:睡眠と覚醒のスイッチを探して:筑波大学
(この項おわり)

研究を進めたのは、明治大学農学部の金子賢太朗准教授らと吉野家ホールディングスです。