湘南モノレール500系は静音性と安全性を確保

全車に冷房設備を搭載
湘南モノレール 500系
2005年5月3日 大船駅 写真:パパぱふぅ
湘南モノレール 500系は1988年(昭和63年)3月にデビューした。全車に冷房設備を搭載し、3両固定編成である。

従来車種の低騒音性と千葉都市モノレールで培われたノウハウを盛り込み可能な限りノイズをカット。安全性を一段と確保するため、電気指令式の電磁直通式ブレーキ装置を採用している。
車内は、白とベージュを基調にしたシンプルなデザインで居住性を高めている。
湘南モノレール株式会社は、神奈川県でモノレール路線を運営する鉄道会社だ。懸垂式モノレール鉄道設備機器の導入・拡販のために、三菱重工業、三菱商事、三菱電機、京浜急行電鉄等が1966年(昭和41年)4月に設立した合弁会社である。

モノレールには、懸垂式と跨座式の2種類に分類されるが、湘南モノレールは前者である。
懸垂式モノレールは、ドイツのエンジニアであるオイゲン・ランゲンが発明。1898年(明治31年)にドイツ・ヴッパータール市で建設工事に着手し、1901年(明治34年)に開業したのが今日の営業線の始まりと言われている。
日本では、1928年(昭和3年)に大阪で行われた交通電気博覧会で初めて懸垂式モノレール披露された。
営業線としては、1957年(昭和32年)に上野公園で開業したのが最初である。その後1964年(昭和39年)に名古屋市東山動物園(1974年廃止)、1870年(明治3年)に湘南モノレール、1988年(昭和63年)に千葉都市モノレール、1998年(平成10年)にスカイレールサービス(広島県)が開業した。

2008年(平成20年)2月24日、VVVFインバーターを搭載した最新型の 5000系が西鎌倉駅をオーバーランして分岐器に衝突するという事故を起こした。対向列車である500系は分岐器の手前で緊急停止し、双方の列車の乗客及び乗務員には死傷者はなかった。
事故直後の調査ではブレーキの故障が原因とみられていたが、2009年(平成21年)6月、コンピューターの誤作動であることが明らかになった。電流を調整する装置が発するノイズを取り除くことができず、回路を伝って加速や減速を制御するコンピューターに入り込み、加速し続ける指示を出す状態になったとみられている。

経営共創基盤へ売却

2015年(平成27年)5月、株式の9割超を保有する三菱グループ3社は、経営共創基盤に売却する方針を固めた。
、利用者の数は頭打ちになっており、2013年度は1009万人。そうした中、設備が老朽化し、多額の費用がかかる大規模な補修が課題となっていた。
そこで、バスや鉄道の立て直しで実績がある会社の下で再生を目指すもの。

引退

2016年(平成28年)6月26日、老朽化にともないに引退。省エネ化とバリアフリー化の進んだ 5000形に置き換わる。
6月26日は大船駅で、午前9時半から37~38分ごと(最後は午後0時37分発)に出発する500形の乗客に、ラストランの乗車証明書となる硬券をプレゼント。最終発車時には公募で選ばれた子ども駅長が運転士らに花束を贈る。

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(この項おわり)
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