『苦情学〜クレームは顧客からの大切なプレゼント』

関根眞一=著
表紙 苦情学〜クレームは顧客からの大切なプレゼント
著者 関根眞一
出版社 恒文社
サイズ 単行本
発売日 2006年10月
価格 1,650円(税込)
rakuten
ISBN 9784770411198
それでは「苦情の撲滅は可能か?」という問題に答えを出しましょう。それは「不可能」です。営業機会を極端に減らしていくなら可能性はありますが、営業機会の拡大こそが成果の拡大に繋がるのですから無理です。(218ページ)

概要

真剣な顔のテレフォン・オペレーターのイラスト(女性)
西武百貨店で長年お客様相談室を担当してきた関根眞一さんが、「苦情の撲滅は可能か?」という問題に対し、「不可能」と答えている。理由は、「営業機会を極端に減らしていくなら可能性はありますが、営業機会の拡大こそが成果の拡大に繋がるのですから無理」(218ページ)だからだ。

この他、苦情対応のノウハウ、クレーマーの気持ちを、事例を交えて分かりやすく解説する。

レビュー

著者は、「苦情の撲滅は可能か?」という問題に対し、「不可能」と答えている。理由は、「営業機会を極端に減らしていくなら可能性はありますが、営業機会の拡大こそが成果の拡大に繋がるのですから無理」(218ページ)だからだ。

また、ビジネス提供サイドに対する妬みや社会に対する不満などが噴出したケースもあり、こうしたクレーマーがモンスター・ペアレンツやモンスター・ペイシェンツを生み出しているのではないかと推測する。

関根さんは、苦情の対応原則を次のように整理する。
1)基本的には、最初に担当した係員が責任をもって最後まで対応する。
2)内容の難しい申し出への対応は、お客様相談室で討議をして対応する。
3)法的な問題が絡むときは、関連部署と相談したうえで対応する。
4)訴訟を受けた場合は、それ専門の部署と連動する。

ただ本書を読んでいくと分かるのだが、クレーマーの心理を理解し、良好な人間関係を築くことは難しくない。であれば、われわれビジネスマンは、クレーマーを避けたり撲滅するための努力をするより、基本に立ち返り、お客様にマッチするサービスを提供することを心がけるべきではないかと思う。
(2008年7月24日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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