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「普通がいい」という病 | ||
著者 | 泉谷 閑示 | ||
出版社 | 講談社 | ||
サイズ | 新書 |
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発売日 | 2006年10月19日頃 | ||
価格 | 1,012円(税込) | ||
ISBN | 9784061498624 |
『本当の自分』というものは、どこかから持ってきて身につけるものではなく、あらかじめ自分に内在しているものです。(106ページ)
概要

「普通がいい」と言う若者の考えを分析する本かと思って読んだのがだ、そうではなかった。
著者は現役の精神科医・泉谷閑示さん。本書は、悩んでいる患者(クライアント)の話を聞く若いカウンセラーのために書いたテキストがベースになっているという。内容は哲学的な話題に触れているものの、あくまで現場重視の書き方になっているのは、そのためだろう。
いずれにしても、「普通じゃなくていいんだよ」と言ったあげるためのネタを掴むことができたので、読んで良かった。
著者は現役の精神科医・泉谷閑示さん。本書は、悩んでいる患者(クライアント)の話を聞く若いカウンセラーのために書いたテキストがベースになっているという。内容は哲学的な話題に触れているものの、あくまで現場重視の書き方になっているのは、そのためだろう。
いずれにしても、「普通じゃなくていいんだよ」と言ったあげるためのネタを掴むことができたので、読んで良かった。
現場向けの内容なので、簡単で示唆に富む言葉が多い。
たとえば、「『安心して悩める』という状態が、人間の健康な状態です」(29ページ)とあるが、これなどは、悩むのを止めようとして、かえって病気になりそうな人に贈りたい言葉である。また、「自分探し」の旅に出てしまいそうな人には、「『本当の自分』というものは、どこかから持ってきて身につけるものではなく、あらかじめ自分に内在しているものです」(106ページ)のくだりを読んでいただきたい。

IT業界は、有能であるにもかかわらず一般から理解されずにオタクのレッテルを貼られ、これを嫌って「普通であろう」とするあまり、病気になる人が多い。こんな方々に読んでいただきたい。
たとえば、「『安心して悩める』という状態が、人間の健康な状態です」(29ページ)とあるが、これなどは、悩むのを止めようとして、かえって病気になりそうな人に贈りたい言葉である。また、「自分探し」の旅に出てしまいそうな人には、「『本当の自分』というものは、どこかから持ってきて身につけるものではなく、あらかじめ自分に内在しているものです」(106ページ)のくだりを読んでいただきたい。

IT業界は、有能であるにもかかわらず一般から理解されずにオタクのレッテルを貼られ、これを嫌って「普通であろう」とするあまり、病気になる人が多い。こんな方々に読んでいただきたい。
(2008年8月20日 読了)
参考サイト
- 「普通がいい」という病:講談社
- 『比べてわかる!フロイトとアドラーの心理学』――アドラーは社会主義者:ぱふぅ家のホームページ
- 『嫌われる勇気』――真の個人主義とは:ぱふぅ家のホームページ
(この項おわり)