

背面にはUSBポートが2つと、eSATAポートが1つある。
ここにUSB対応HDDまたはeSATA対応HDDを接続すると、内部HDDとミラーリングすることができる。1TBのデータをバックアップするのはたいへんなので、できるだけ早いうちにミラーリング用のHDDを用意したいと考えている。

また、USBはプリンタポートとしても利用できる。TS-109Proをプリンタサーバとして、共有プリンタを公開することもできる。
ここにUSB対応HDDまたはeSATA対応HDDを接続すると、内部HDDとミラーリングすることができる。1TBのデータをバックアップするのはたいへんなので、できるだけ早いうちにミラーリング用のHDDを用意したいと考えている。

また、USBはプリンタポートとしても利用できる。TS-109Proをプリンタサーバとして、共有プリンタを公開することもできる。

HDDをセットしたところ。
ネジ2本でケースを分解し、別途購入した日立製の1TBのSATA-HDD(HDS721010KLA330)をコネクタに差し込む。あとは4本のネジで固定するだけ。実に簡単な作業である。

ファンレスなのでHDDは発熱が少ないものを選んだ方がいいだろう。
ネジ2本でケースを分解し、別途購入した日立製の1TBのSATA-HDD(HDS721010KLA330)をコネクタに差し込む。あとは4本のネジで固定するだけ。実に簡単な作業である。

ファンレスなのでHDDは発熱が少ないものを選んだ方がいいだろう。

ファンレスであるため、放熱効果も兼ねて、かなり厚手のアルミ筐体となっている。

基板の熱が心配だったが、部品点数も少なく、固体コンデンサが使われている。これなら3~4年は問題なく動きそうである。

基板の熱が心配だったが、部品点数も少なく、固体コンデンサが使われている。これなら3~4年は問題なく動きそうである。
ハードウェアスペック
項目 | 仕様 | コメント |
---|---|---|
CPU | Marvell 5182 500MHz | 他製品に比べ高速であり、付属のGUIソフトもストレス無く動かすことができる。 |
メモリ | 256 MB DDRII、8MB Flash | |
対応HDD | 3.5インチSATA×1、最大1TB USBまたはe-SATAとの外部接続を使えば最大2TBまで可 |
|
LAN | ギガビットRJ-45イーサネット・ポート×1 | |
その他のI/F | USB 2.0×3(前面×1、背面×2)、eSATA×1(背面) | |
外形寸法 | 210(D)×60(W)×182(H)mm | |
重量 | 約 1.2 kg | |
電源 | 外部ACアダプター(100~240V) | |
消費電力 | 省電力モード:6.6W、動作時:14.4W | |
省電力設計 | ファンレス、HDDスリープ・モード | ファン音がしないのは嬉しい。筐体はカイロのように温かくなる。 |
マルチメディアステーション

デジカメの写真をコピーしておくと、自動的にサムネイルを作成してくれる「マルチメディアステーション」――このアプリケーションの完成度は高い。


Qmobile

ファームウェアをバージョン3.3.0にアップデートすることで、iPad を漬かってマルチメディアデータ(/Qmultimediaフォルダ配下)にアクセスできるiOSアプリ「QMobile」(無料)が利用できる。早速インストール。

MPEG-4ビデオ(720P程度)やMP3ミュージックをサクサク再生できる。日本語ファイル/フォルダ名を一覧表示することもでき、使い勝手も良い。。

MPEG-4ビデオ(720P程度)やMP3ミュージックをサクサク再生できる。日本語ファイル/フォルダ名を一覧表示することもでき、使い勝手も良い。。
PHP, MySQL など

前述のように、Webサーバ(Apache)やPHP、MySQLもプリインストールされている。
クライアントからQNAPの管理画面にログインし、「管理画面→アプリケーション」から種々のアプリケーションのON/OFFなどをコントロールできる。
Apache, PHPはデフォルトで稼働している。
もちろん、telnetやSSHも利用できる。
クライアントからQNAPの管理画面にログインし、「管理画面→アプリケーション」から種々のアプリケーションのON/OFFなどをコントロールできる。
Apache, PHPはデフォルトで稼働している。
もちろん、telnetやSSHも利用できる。
QPKG と ipkg による機能拡張
組み込み用Linuxに関する知識があれば、ipkgを使ってさらに機能を拡張することができる。
まず、「管理画面→アプリケーション→QPKGプラグイン」に入り、右上の「QPKGの取得」ボタンをクリックし、Optware-ipkgをダウンロードする。圧縮されたパッケージファイルはクライアントにダウンロードされるので、解凍してから「インストール」タブをクリックし、インストールする。「QPKGインストール済み」タブに戻り、有効化する。

次に、sshまたはtelnetでQNAPにログインしたら、以下のようにコマンドを発行してipkgのパッケージリストを最新のものに更新する。(Optware-ipkgをインストールすることで、"/opt/bin/" に PATHが通る)
残念ながら、TS-109などARM系のQNAPにはgccが用意されていないが(ipkgによらないインストール方法については後述)、PerlやPEARが用意されているのでインストールしてみた。

PEARパッケージは "/share/HDA_DATA/.qpkg/Optware/share/pear" にインストールされるようだ。
ただ、そのままでは使えないので、Apacheとともに動作しているphpのphp.iniにパスを通しておく必要がある。具体的には、viなどで "/mnt/HDA_ROOT/.config/php.ini" を編集し、次の1行を追加する。
まず、「管理画面→アプリケーション→QPKGプラグイン」に入り、右上の「QPKGの取得」ボタンをクリックし、Optware-ipkgをダウンロードする。圧縮されたパッケージファイルはクライアントにダウンロードされるので、解凍してから「インストール」タブをクリックし、インストールする。「QPKGインストール済み」タブに戻り、有効化する。

次に、sshまたはtelnetでQNAPにログインしたら、以下のようにコマンドを発行してipkgのパッケージリストを最新のものに更新する。(Optware-ipkgをインストールすることで、"/opt/bin/" に PATHが通る)
$ ipkg updateこれでipkgにリストアップされている各種アプリケーションをインストールできるようになる。
残念ながら、TS-109などARM系のQNAPにはgccが用意されていないが(ipkgによらないインストール方法については後述)、PerlやPEARが用意されているのでインストールしてみた。
$ ipkg install php
$ ipkg install php-pear
$ ipkg install grep
$ ipkg install perl

PEARパッケージは "/share/HDA_DATA/.qpkg/Optware/share/pear" にインストールされるようだ。
ただ、そのままでは使えないので、Apacheとともに動作しているphpのphp.iniにパスを通しておく必要がある。具体的には、viなどで "/mnt/HDA_ROOT/.config/php.ini" を編集し、次の1行を追加する。
include_path = ".:/share/HDA_DATA/.qpkg/Optware/share/pear"そして、Apacheを再起動すればPEARが使えるようになる。
/mnt/HDA_ROOT/apache/bin/apachectl restart
gcc の導入
QNAPにはCコンパイラがなく、QPKGやipkgを使ってインストールすることもできない(後年発売されたATOM系のQNAPであれば、ipkgでインストールできるらしい)。
そこで、組み込みLinux用に開発されている小規模Cライブラリ uClibc をインストールしてみた。

まず、クライアントで https://uclibc.org/downloads/old-releases/ から "root_fs_arm.ext2.bz2" をダウンロード。解凍して出てくる ext2イメージファイルを "Qweb/share" へアップロードする。このイメージファイルがARM用のuClibcで、gccなども含まれている。
(※)あらかじめ mkdir "/share/Qweb/share" でディレクトリを作っておく。他のディレクトリでも良いが、クライアント(ここではWindows)のファイラーを使ってアクセスしやすい Qweb 配下に配置した。

QNAPにログインし、以下のコマンドを発行し、先ほどアップロードしたext2イメージをマウントし、bashをuClibcのものに切り替える。
ただし、PHPやPerlは用意されていないので、PECLなどのコンパイルはできない。
OSを Debian に差し替えれば利用できるようだが、かなり覚悟がいるので今後の課題としたい。
そこで、組み込みLinux用に開発されている小規模Cライブラリ uClibc をインストールしてみた。

まず、クライアントで https://uclibc.org/downloads/old-releases/ から "root_fs_arm.ext2.bz2" をダウンロード。解凍して出てくる ext2イメージファイルを "Qweb/share" へアップロードする。このイメージファイルがARM用のuClibcで、gccなども含まれている。
(※)あらかじめ mkdir "/share/Qweb/share" でディレクトリを作っておく。他のディレクトリでも良いが、クライアント(ここではWindows)のファイラーを使ってアクセスしやすい Qweb 配下に配置した。

QNAPにログインし、以下のコマンドを発行し、先ほどアップロードしたext2イメージをマウントし、bashをuClibcのものに切り替える。
cd /share/Qweb/shareこれでgccやmakeが使えるようになるので、小規模な開発だったら何とかなるだろう。
mkdir loopmount
mount -o loop root_fs_arm.ext2 /share/Qweb/share/loopmount
/mnt/ext/usr/sbin/chroot loopmount /bin/bash
ただし、PHPやPerlは用意されていないので、PECLなどのコンパイルはできない。
OSを Debian に差し替えれば利用できるようだが、かなり覚悟がいるので今後の課題としたい。
ソフトウェアスペック
項目 | 仕様 | コメント |
---|---|---|
OS | Linux embedded system | |
ネットワーク | TCP/IP、DHCPクライアント、DHCPサーバー、 CIFS/SMB、AFP、HTTP、HTTPS、FTP、DDNS、NTP、Jumbo Frame | |
ファイル・システム | EXT3(Internal/external HDD) FAT(External HDD) NTFS(External HDD、read only) |
|
対応クライアントOS | Microsoft Windows 98/ME/NT/ 2000/XP/2003/Vista、Mac OS9/OSX | |
Q-RAID1 | USBまたはe-SATAで接続した外部HDDとミラーリングが可能。 | |
各種サービス |
ファイルサーバ(Windows ActiveDirectoryサポート) FTPサーバ iTunesサーバ マルチメディアステーション ダウンロードステーション Webサーバ+PHP MySQL + SQLiteサーバ バックアップサーバ リモートリプレイケーション UPnPメディアサーバ(組み込みTwonkyMedia サーバー) プリンタサーバ |
さまざまなサービスが最初から組み込まれている。Linuxなので、さらに追加インストールも簡単。 |
(この項おわり)
Windowsとのファイル共有機能として SMB/CIFS を搭載するほか、MacOS X 用のAFP、UNIX用のNFSも搭載しており、複数のクライアントOSが混在していても日本語ファイル名を問題なく利用できる。
前面にUSBポートが1つあり、ここにUSBメモリやUSB対応HDDを接続すると、自動的にNASのドライブとしてマウントされる。
デジカメのデータをNASにコピーする際、クライアントPC経由でアップロードするより、このUSBポートにマウントして、クライアントPC側からファイラーを使ってコピーする方が断然早い。