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ワスプ | ||
著者 | 越智道雄 | ||
出版社 | 中央公論新社 | ||
サイズ | 新書 |
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発売日 | 1998年09月 | ||
価格 | 836円(税込) | ||
ISBN | 9784121014351 |
先祖が自分たちを疎外するので棄ててきたイギリスの社会体制を、新世界に再生させ、今度は自らが他民族を疎外するーとの複雑な〈集団的トラウマ〉を自己欺隔で隠蔽することが、ワスプのノイローゼや感情欠落を惹き起こした。そこでワスプのアッパーミドルやアッパーの間に、精神分析を受けることが大流行したわけだが、差別してきたュダヤ系医師の厄介になる光景は滑稽だった。(172ページ)
概要

アメリカ合衆国のエスタブリッシュを形成する WASP――White(ホワイト)、Anglo-Saxon(アングロサクソン)、Protestant(プロテスタント)――は、個人主義や自由主義をモットーとしてはいるものの、その根本は日本人に究めて近いようだ。目立たず、公共を重視し、奇妙な仲間意識を大切にする。
反共運動(赤狩り)やウーマンリブ運動は、実は、そんなWASPへの抵抗運動の一環だったと著者は分析する。現代日本にも相通じるような話であり、考えさせられるものがある。
反共運動(赤狩り)やウーマンリブ運動は、実は、そんなWASPへの抵抗運動の一環だったと著者は分析する。現代日本にも相通じるような話であり、考えさせられるものがある。
本書では、典型的なWASP一家であるブッシュ家にも言及されている。本書から10年後、ブッシュ息子が大統領を務めている事典で出版された『なぜアメリカ大統領は戦争をしたがるのか?』(越智道雄/アスキー・メディアワークス/2008年05月)も参考になる。
(2008年8月12日 読了)
参考サイト
- ワスプ:中央公論新社
- 『なぜアメリカ大統領は戦争をしたがるのか?』:ぱふぅ家のホームページ
(この項おわり)