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2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? | ||
著者 | 西村博之 | ||
出版社 | 扶桑社 | ||
サイズ | 新書 |
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発売日 | 2007年07月 | ||
価格 | 814円(税込) | ||
ISBN | 9784594053888 |
インターネットに未来的な何かがあるということ自体が、既に誤解なのです。(105ページ)
概要

タイトルである「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」の理由は、10〜11ページを読めば分かってしまう。いきなりの肩すかし――本書は口述筆記とのことだが、いつにも増して短い稚拙な文章で、事実と考察が交互に列挙されているだけ。まるでブログを読んでいるようである。
しかし、ひろゆきという人物は、意図してこれをやっているんではないだろうか、と感じる。
しかし、ひろゆきという人物は、意図してこれをやっているんではないだろうか、と感じる。
中盤の佐々木俊尚氏との対談で、佐々木氏が「西村さんの言っていることは、身も蓋もなさすぎてついていけない」とこぼしているが、これが的を射ている。ひろゆきは、純粋なリアリストなのである。

「インターネットに未来的な何かがあるということ自体が、既に誤解なのです」(105ページ)、「『ガリレオ・ガリレイの時代に集合知があっても、地球が回っていることにはならなかった』ということと同じ原理で、集合知が正しいと言うことが間違っていて、大衆が間違えてしまうこともある。その前提を覆さなければ、結局、集合知だと思っていたことが、実は集合愚だった、ということにもなりかねないのです」(174ページ)など――まったくその通りなのだが、それを面と向かって言ったら、“身も蓋もない”のである。

冒頭に「事実と考察が交互に列挙され」と書いたが、大多数のブログはこうなっていない。考察ではなく、修飾語に飾り立てられた感想が延々と続くだけなのである。一方、本書は、考察といっても事実をサマライズしているだけである。純粋なリアリストであると感じるのは、その点にある。

「グーグルが、電気代が高いと言っている理由は、電気代以外にあまりお金がかからないからでしょう。つまりランニングコストで負担になっているのが電気代」(38ページ)、「おそらくですが、国は自らがウィニーを利用し、情報を流出してしまったことで、他のウィニー利用者を処罰することができなくなったのでしょう。その結果、製作者である金子さんを逮捕することになったのだと思われます」(140ページ)――いやあ、これを面と向かって言われたら、“身も蓋もない”のですよ。

「インターネットに未来的な何かがあるということ自体が、既に誤解なのです」(105ページ)、「『ガリレオ・ガリレイの時代に集合知があっても、地球が回っていることにはならなかった』ということと同じ原理で、集合知が正しいと言うことが間違っていて、大衆が間違えてしまうこともある。その前提を覆さなければ、結局、集合知だと思っていたことが、実は集合愚だった、ということにもなりかねないのです」(174ページ)など――まったくその通りなのだが、それを面と向かって言ったら、“身も蓋もない”のである。

冒頭に「事実と考察が交互に列挙され」と書いたが、大多数のブログはこうなっていない。考察ではなく、修飾語に飾り立てられた感想が延々と続くだけなのである。一方、本書は、考察といっても事実をサマライズしているだけである。純粋なリアリストであると感じるのは、その点にある。

「グーグルが、電気代が高いと言っている理由は、電気代以外にあまりお金がかからないからでしょう。つまりランニングコストで負担になっているのが電気代」(38ページ)、「おそらくですが、国は自らがウィニーを利用し、情報を流出してしまったことで、他のウィニー利用者を処罰することができなくなったのでしょう。その結果、製作者である金子さんを逮捕することになったのだと思われます」(140ページ)――いやあ、これを面と向かって言われたら、“身も蓋もない”のですよ。
(2009年6月9日 読了)
参考サイト
- 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?:扶桑社
- 『論破力』(西村博之=著):ぱふぅ家のホームページ
- 西暦1999年 - 「2ちゃんねる」開設:ぱふぅ家のホームページ
(この項おわり)