『スピーチの奥義』――ウケなくてもいいじゃなイカ

寺澤芳男=著
表紙 スピーチの奥義
著者 寺沢芳男
出版社 光文社
サイズ 新書
発売日 2011年05月
価格 814円(税込)
ISBN 9784334036126
自分の「口」よりも、相手の「耳」を意識する。それがスピーチをはじめとするコミュニケーションの鉄則と言えよう。(45ページ)

概要

スピーチをしている男性のイラスト
著者の寺澤芳男さんは、野村証券副社長、MIGA初代長官を経て、日本新党の細川護煕代表の要請により参議院に立候補、当選。以降、経済企画庁長官、参議院外務委員長、東京スター銀行会長などを歴任した人物だ。
そして、その豊富な経験から、「『自分の話など、ウケなくてもともと』と開き直ると自然と肩の力が抜ける」「ぼくの経験ではウケを狙った作為的なスピーチは十中八九、失敗する」(16ページ)など、とても分かりやすいノウハウを挙げてくれる。

レビュー

寺澤さんは「実はスピーチをする人よりも、スピーチを聞く人のほうが緊張しているのだ」(14ページ)という。なるほど、あらたまった場でオーディエンスとしてフロアにいる自分は、たしかに緊張している。

寺澤さんは豊富な経験から、「『自分の話など、ウケなくてもともと』と開き直ると自然と肩の力が抜ける」「ぼくの経験ではウケを狙った作為的なスピーチは十中八九、失敗する」(16ページ)など、とても分かりやすいノウハウを挙げてくれる。
また、「自分の『口』よりも、相手の『耳』を意識する。それがスピーチをはじめとするコミュニケーションの鉄則」(45ページ)だという。多くのスピーカーが同じ事を言っている。話し上手は聞き上手だということだろう。

外国人との会話についても触れている。「とくに外国人相手にビジネスをする場合、日本の歴史や文化、慣習などを語れる能力が求められる」(111ページ)という。

最後に寺澤さんは、「夫婦関係がうまくいくコツは、相手が気に食わないことをしても、互いに『見て見ぬフリ』をすることではないだろうか」(198ページ)とアドバイスする。人生の先輩の言葉には重みがある(笑)。
(2013年5月17日 読了)
(この項おわり)
header