シリーズ概要
『葬送のフリーレン』は、勇者が魔王を倒した後日談を描く日常系ファンタジー――永遠の時を生きるエルフの魔法使いフリーレンに、魔法使いフェルンと戦士シュタルクが加わり、何の役に立つかわからない魔法収拾の旅を続ける。柔らかいタッチの作画と、主人公のエルフに相応しく豊かな自然が描かれており、一瞬、『ロードス島戦記』の再来かと思ったが、本作品は紛れもないギャグ漫画であり、『スレイヤーズ』の流れを汲んでいるとしか言いようがない。
目次
葬送のフリーレン 第1巻
ヒンメル「君のおかげで最後にとても楽しい冒険ができた」
魔王を倒した勇者一行が王都に凱旋する。勇者ヒンメルは10年間の冒険を振り返り、「僕は君たちと冒険ができてよかった」と語る。だが、エルフの魔法使いフリーレンにとっての10年間は「短い間」だった。エーラ流星を見ながら、50年後に再び会うことを約束し、一行は解散する。
50年後、王都を訪れたフリーレンは年老いたヒンメルに会い、僧侶ハイター、戦士アイゼンをともない、エーラ流星を見に出かける。ヒンメルは「君のおかげで最後にとても楽しい冒険ができた」とフリーレンに礼を言い、この世を去る。葬儀の日、フリーレンはヒンメルのことを「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」と悲しみに暮れるが、再び、1人で魔法収集の旅に出かける。

勇者ヒンメルの死から20年後、フリーレンは引退したハイターのもとを訪れる。ハイターは一緒に暮らしている少女フェルンを旅の供にしてほしいと頼むが、フリーレンは足手まといになるといって断る。その代わりにフリーレンは魔道書の解読を引き受け、その片手間にフェルンに魔法を教える。
4年後、ハイターは死去し、一人前の魔法使いとなったフェルンはフリーレンとともに旅立つ。

フェルンは、銅像の錆を落とす魔法や、甘い葡萄を酸っぱい葡萄に変える魔法といった、およそ何の役に立つか分からない魔法を集めながら旅をするフリーレンの行動に疑問を抱きながらも、絶滅したと思われた蒼月草を探し出した彼女の魔法に対する想いに共感する。
勇者ヒンメルの死から27年後、交易都市ヴァルムでは、フリーレンは荒くれ者から美味しいスイーツの店を聞きだし、フェルンの16歳の誕生日を祝う。フェルンは「あなたが私を知ろうとしてくれたことが、堪らなく嬉しい」と礼を言う。
80年前、勇者との冒険の途中、フリーレンは強力な魔法「人を殺す魔法」を開発した魔族クヴァールが強すぎ倒すことができず、封印した。80年後、封印を解いてクヴァールと対峙したフリーレンとフェルンは‥‥80年は、人類にとって十分長い年月だったのだ。
中央諸国グランツ海峡の清掃を請け負った2人だが、毎朝起こさないといけないフリーレンを見て、フェルンは「フリーレン様って、もしかして、すごくだらしがない人なのでしょうか?」と疑問を呈す。清掃が終わり新年祭を迎え、2人で日の出を見る。

勇者ヒンメルの死から28年後、フリーレンとフェルンはアイゼンの家を訪ねる。アイゼンは、千年前の大魔法使いフランメの手記を探してほしいという。フリーレンはフランメの一番弟子だった。フランメはかつて、「お前はいつか大きな過ちを犯し、人を知りたいと考えるようになる」と予言した。フリーレンが見つけた手記は、死者と対話をしたというページが開かれていた。死者と対話できる天国(魂の眠る地)に向けて、フリーレンとフェルンは新たな旅に出る。
50年後、王都を訪れたフリーレンは年老いたヒンメルに会い、僧侶ハイター、戦士アイゼンをともない、エーラ流星を見に出かける。ヒンメルは「君のおかげで最後にとても楽しい冒険ができた」とフリーレンに礼を言い、この世を去る。葬儀の日、フリーレンはヒンメルのことを「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」と悲しみに暮れるが、再び、1人で魔法収集の旅に出かける。

勇者ヒンメルの死から20年後、フリーレンは引退したハイターのもとを訪れる。ハイターは一緒に暮らしている少女フェルンを旅の供にしてほしいと頼むが、フリーレンは足手まといになるといって断る。その代わりにフリーレンは魔道書の解読を引き受け、その片手間にフェルンに魔法を教える。
4年後、ハイターは死去し、一人前の魔法使いとなったフェルンはフリーレンとともに旅立つ。

フェルンは、銅像の錆を落とす魔法や、甘い葡萄を酸っぱい葡萄に変える魔法といった、およそ何の役に立つか分からない魔法を集めながら旅をするフリーレンの行動に疑問を抱きながらも、絶滅したと思われた蒼月草を探し出した彼女の魔法に対する想いに共感する。
勇者ヒンメルの死から27年後、交易都市ヴァルムでは、フリーレンは荒くれ者から美味しいスイーツの店を聞きだし、フェルンの16歳の誕生日を祝う。フェルンは「あなたが私を知ろうとしてくれたことが、堪らなく嬉しい」と礼を言う。
80年前、勇者との冒険の途中、フリーレンは強力な魔法「人を殺す魔法」を開発した魔族クヴァールが強すぎ倒すことができず、封印した。80年後、封印を解いてクヴァールと対峙したフリーレンとフェルンは‥‥80年は、人類にとって十分長い年月だったのだ。
中央諸国グランツ海峡の清掃を請け負った2人だが、毎朝起こさないといけないフリーレンを見て、フェルンは「フリーレン様って、もしかして、すごくだらしがない人なのでしょうか?」と疑問を呈す。清掃が終わり新年祭を迎え、2人で日の出を見る。

勇者ヒンメルの死から28年後、フリーレンとフェルンはアイゼンの家を訪ねる。アイゼンは、千年前の大魔法使いフランメの手記を探してほしいという。フリーレンはフランメの一番弟子だった。フランメはかつて、「お前はいつか大きな過ちを犯し、人を知りたいと考えるようになる」と予言した。フリーレンが見つけた手記は、死者と対話をしたというページが開かれていた。死者と対話できる天国(魂の眠る地)に向けて、フリーレンとフェルンは新たな旅に出る。
葬送のフリーレン 第2巻
フェルン「フリーレン様、こいつは駄目です。他を当たりましょう」
かつてアイゼンはフリーレンに弟子をとらないのかと訊ねたところ、彼女は「時間の無駄だからね。色々教えても、すぐ死んじゃうでしょ」と素っ気なく答えたことがあった。
アイゼンはフリーレンに、勇者一行と旅した10年はフリーレンの人生の100分の1に過ぎないが、「その100分の1がお前を変えたんだ」と指摘する。そして、フェルンが「私の人生では2分の1ですから。フリーレン様と過ごした時間です」と言うと、フリーレンは「これからもっと多くなるよ」と答えた。
中央諸国ヴァレ地方の峠道に幻影を操る魔物が出るという。峠道で2人が見た幻影は‥‥。
勇者ヒンメルの死から28年後、中央諸国リーゲル峡谷でアイゼンの弟子シュタルクを仲間に加えようとするが、フェルンは「フリーレン様、こいつは駄目です。他を当たりましょう」と切って捨てようとする。だが、フリーレンは「いや、こいつは竜と戦える。できるはずだ」と助け船を出す。シュタルクの実力の程は‥‥。
一行は城塞都市ヴァールを訪れるが、北側諸国で魔物の活動が活発化しているため関所の通行ができず、足止めを喰らうことに。シュタルクは師匠が死ぬまでに恩返しをしたいとフェルンに語り、2人で関所を通る方法を探すが、意外なことに‥‥。

一行は、北側諸国グラナト伯爵領に入る。魔王直下の大魔族・七崩賢の1人、断頭台のアウラは、かつて勇者との戦いでは以下のほとんどを失ったが、力を取り戻し、北側諸国の軍勢と戦っていた。アウラは部下の魔族リュグナーらを使者としてグラナト伯爵と和睦を図ろうとするが、フリーレンは「奴らにとっての“言葉”は人類を欺く術だ」と語り、その企みを見抜いていた。フェルンはリュグナーを、シュタルクはアイゼンの技をコピーしたリーニエを相手に戦い、フリーレンはアウラと対峙する。
アイゼンはフリーレンに、勇者一行と旅した10年はフリーレンの人生の100分の1に過ぎないが、「その100分の1がお前を変えたんだ」と指摘する。そして、フェルンが「私の人生では2分の1ですから。フリーレン様と過ごした時間です」と言うと、フリーレンは「これからもっと多くなるよ」と答えた。
中央諸国ヴァレ地方の峠道に幻影を操る魔物が出るという。峠道で2人が見た幻影は‥‥。
勇者ヒンメルの死から28年後、中央諸国リーゲル峡谷でアイゼンの弟子シュタルクを仲間に加えようとするが、フェルンは「フリーレン様、こいつは駄目です。他を当たりましょう」と切って捨てようとする。だが、フリーレンは「いや、こいつは竜と戦える。できるはずだ」と助け船を出す。シュタルクの実力の程は‥‥。
一行は城塞都市ヴァールを訪れるが、北側諸国で魔物の活動が活発化しているため関所の通行ができず、足止めを喰らうことに。シュタルクは師匠が死ぬまでに恩返しをしたいとフェルンに語り、2人で関所を通る方法を探すが、意外なことに‥‥。

一行は、北側諸国グラナト伯爵領に入る。魔王直下の大魔族・七崩賢の1人、断頭台のアウラは、かつて勇者との戦いでは以下のほとんどを失ったが、力を取り戻し、北側諸国の軍勢と戦っていた。アウラは部下の魔族リュグナーらを使者としてグラナト伯爵と和睦を図ろうとするが、フリーレンは「奴らにとっての“言葉”は人類を欺く術だ」と語り、その企みを見抜いていた。フェルンはリュグナーを、シュタルクはアイゼンの技をコピーしたリーニエを相手に戦い、フリーレンはアウラと対峙する。
葬送のフリーレン 第3巻
クラフト「いい友人を持ったな」
フランメはフリーレンにこう言い残した――「お前が歴史に名を残すのは、魔王をぶっ殺すときだ」。フランメから「相手が認識した魔力の誤差で欺いて殺す」方法を学んでいたフリーレンらは、アウラたちを葬った。
グラナト卿は、北部高原を通るには大陸魔法協会が認定する一級魔法使いの同行が必要だと教える。フェルンは三級魔法使いだったが、フリーレンは資格に興味がない。一行は、魔法都市オイサーストへ向かい、一級試験を受験することにする。
北側諸国デッケ地方で吹雪に見舞われた一行は避難小屋へ逃げ込む。そこには、エルフの武道僧クラフトがいた。クラフトはフリーレンに、女神さまの代わりに褒めてやるから身の上話を聞かせろと言うが、彼女はハイターに褒められたことを思い出し、「遠慮しておくよ。もう別の奴に褒めて貰ったから」と断る。クラフトは「いい友人を持ったな」と語り、一行と別れを告げる。

勇者ヒンメルの死から29年後、一行は剣の里を訪れる。この里の聖域には女神さまが授けたとされる勇者の剣が刺さっており、歴史上、どんな英雄たちが引き抜こうとしても微動だにしなかったが、80年前、ついに勇者ヒンメルが引き抜いたと伝わっていたのだが‥‥。
シュタルクの18歳の誕生日、フェルンは彼の生い立ちを聞かされる。プレゼントを買って宿に戻ると、フリーレンがアイゼンからレシピを貰ったという馬鹿みたいにでかいハンバーグを焼いて待っていた。
一行は、北側諸国アルト森林で、底なし沼にはまって身動きがとれない僧侶ザインを助ける。ザインは冒険者になりたかったのは昔の話だといって、フリーレンの誘いを断るが、彼女は勇者ヒンメルに誘われた時のことを思い出し、「意地でも仲間に誘うことにした」。
グラナト卿は、北部高原を通るには大陸魔法協会が認定する一級魔法使いの同行が必要だと教える。フェルンは三級魔法使いだったが、フリーレンは資格に興味がない。一行は、魔法都市オイサーストへ向かい、一級試験を受験することにする。
北側諸国デッケ地方で吹雪に見舞われた一行は避難小屋へ逃げ込む。そこには、エルフの武道僧クラフトがいた。クラフトはフリーレンに、女神さまの代わりに褒めてやるから身の上話を聞かせろと言うが、彼女はハイターに褒められたことを思い出し、「遠慮しておくよ。もう別の奴に褒めて貰ったから」と断る。クラフトは「いい友人を持ったな」と語り、一行と別れを告げる。

勇者ヒンメルの死から29年後、一行は剣の里を訪れる。この里の聖域には女神さまが授けたとされる勇者の剣が刺さっており、歴史上、どんな英雄たちが引き抜こうとしても微動だにしなかったが、80年前、ついに勇者ヒンメルが引き抜いたと伝わっていたのだが‥‥。
シュタルクの18歳の誕生日、フェルンは彼の生い立ちを聞かされる。プレゼントを買って宿に戻ると、フリーレンがアイゼンからレシピを貰ったという馬鹿みたいにでかいハンバーグを焼いて待っていた。
一行は、北側諸国アルト森林で、底なし沼にはまって身動きがとれない僧侶ザインを助ける。ザインは冒険者になりたかったのは昔の話だといって、フリーレンの誘いを断るが、彼女は勇者ヒンメルに誘われた時のことを思い出し、「意地でも仲間に誘うことにした」。
葬送のフリーレン 第4巻
ヒンメル「僕達の記憶は彼女が未来に連れて行ってくれる」
僧侶ザインが、10年前に村を旅立ったゴリラを探すことを目的に、フリーレン一向に加わる。
勇者ヒンメルの死から29年後、フェルンが誕生日プレゼントを用意していなかったシュタルクにブチ切れ、ザインにも八つ当たり。ザインは「大人になって人との距離感がわかるようになると、衝突することすら避けるようになる」とつぶやくが、フリーレンいわく「他人との距離感ってなに?」‥‥。
一行が乗った馬車は北側諸国バンデ森林で魔物に襲われ、フリーレンはヒンメルから貰った指輪をなくしてしまう。馬車を守る報酬としてフリーレンが手に入れた新たな魔法は‥‥。
北側諸国ラオブ丘陵の村人たちが呪いにかかって眠っている。人類の魔法技術では呪いを解くことができず、僧侶が使う女神さまの魔法に頼るしかなかった。ザインが呪いの発信源を突き止めるが‥‥。
一行は、要塞都市フォーリヒのオルデン卿の依頼を請け負い、なんとか路銀を確保する。
シュタルクは、フリーレンの知り合いで、クラー地方の村を守るドワーフの老人フォル爺に稽古をつけてもらうことになる。フリーレンは、かつてヒンメルが「僕達の記憶は彼女が未来に連れて行ってくれる」と言ったことを思いだし、「フォル爺の記憶も私が未来に連れて行ってあげるからね」と言う。
ゴリラが交易都市テューアを目指したという情報を得たザインは、3人と分かれてテューアへ向かう。

一行は魔法都市オイサーストにたどりつく。一級魔法使いの試験は3年に一度で、2ヶ月後に行われる。フリーレンとフェルンが受験することになった。一級魔法使いの試験に挑戦するのは、北部魔法隊隊長ヴィアベル、宮廷魔法使いのデンケン、2年前に試験管を殺したユーベルなど、総勢57名。3人1組のパーティに分かれて第一次試験を受ける。
勇者ヒンメルの死から29年後、フェルンが誕生日プレゼントを用意していなかったシュタルクにブチ切れ、ザインにも八つ当たり。ザインは「大人になって人との距離感がわかるようになると、衝突することすら避けるようになる」とつぶやくが、フリーレンいわく「他人との距離感ってなに?」‥‥。
一行が乗った馬車は北側諸国バンデ森林で魔物に襲われ、フリーレンはヒンメルから貰った指輪をなくしてしまう。馬車を守る報酬としてフリーレンが手に入れた新たな魔法は‥‥。
北側諸国ラオブ丘陵の村人たちが呪いにかかって眠っている。人類の魔法技術では呪いを解くことができず、僧侶が使う女神さまの魔法に頼るしかなかった。ザインが呪いの発信源を突き止めるが‥‥。
一行は、要塞都市フォーリヒのオルデン卿の依頼を請け負い、なんとか路銀を確保する。
シュタルクは、フリーレンの知り合いで、クラー地方の村を守るドワーフの老人フォル爺に稽古をつけてもらうことになる。フリーレンは、かつてヒンメルが「僕達の記憶は彼女が未来に連れて行ってくれる」と言ったことを思いだし、「フォル爺の記憶も私が未来に連れて行ってあげるからね」と言う。
ゴリラが交易都市テューアを目指したという情報を得たザインは、3人と分かれてテューアへ向かう。

一行は魔法都市オイサーストにたどりつく。一級魔法使いの試験は3年に一度で、2ヶ月後に行われる。フリーレンとフェルンが受験することになった。一級魔法使いの試験に挑戦するのは、北部魔法隊隊長ヴィアベル、宮廷魔法使いのデンケン、2年前に試験管を殺したユーベルなど、総勢57名。3人1組のパーティに分かれて第一次試験を受ける。
葬送のフリーレン 第5巻
デンケン「魔法というものは探し求めているときが一番楽しい」
3人1組のパーティに分かれて臨んだ第一次試験の合格条件は、明日の日没までに隕鉄鳥という小鳥を捕まえて籠に入れ、パーティメンバー全員が揃っていること。
隕鉄鳥は魔力を警戒する。ラントとユーベルと組んだフェルンや、同じ魔法学校を出たというラヴィーネとカンネと組んだフリーレンは、魔力を消すことで隕鉄鳥の捕獲に成功する。そして、他のパーティによる隕鉄鳥の奪い合いが始まる。
第二次試験の試験官で一級魔法使いのゼンゼは「これは争奪戦に見せかけた対人戦だ」と言うと、第一次試験の試験官で一級魔法使いのゲナウは「運も実力の内だ」と応じる。
そして、大陸魔法協会は、50年以上前に突如として歴史の表舞台に表れたエルフの大魔法使いゼーリエが創始した組織であり、そのゼーリエはフランメの師匠だった。
デンケンは一級魔法使いの特権には興味が無く、「魔法というものは探し求めているときが一番楽しい」と、フリーレンと同じ感想を漏らす。かつてフランメは、「フリーレンは平和な時代の魔法使いだ」とゼーリエに紹介し、だからこそ魔王を倒すと予言する――第一次試験をパスしたのは6パーティ18名。

第二次試験までの間、フリーレンは他の受験者と交流しながら、ヒンメルのことを思い出した――ヒンメルはこう言った――「生きているということは、誰かに知ってもらって覚えていてもらうことだ」。フリーレンは問うた。「覚えていてもらうためには、どうすればいいんだろう?」ヒンメルはこう答えた。「ほんの少しでいい。誰かの人生を変えてあげればいい」。
隕鉄鳥は魔力を警戒する。ラントとユーベルと組んだフェルンや、同じ魔法学校を出たというラヴィーネとカンネと組んだフリーレンは、魔力を消すことで隕鉄鳥の捕獲に成功する。そして、他のパーティによる隕鉄鳥の奪い合いが始まる。
第二次試験の試験官で一級魔法使いのゼンゼは「これは争奪戦に見せかけた対人戦だ」と言うと、第一次試験の試験官で一級魔法使いのゲナウは「運も実力の内だ」と応じる。
そして、大陸魔法協会は、50年以上前に突如として歴史の表舞台に表れたエルフの大魔法使いゼーリエが創始した組織であり、そのゼーリエはフランメの師匠だった。
デンケンは一級魔法使いの特権には興味が無く、「魔法というものは探し求めているときが一番楽しい」と、フリーレンと同じ感想を漏らす。かつてフランメは、「フリーレンは平和な時代の魔法使いだ」とゼーリエに紹介し、だからこそ魔王を倒すと予言する――第一次試験をパスしたのは6パーティ18名。

第二次試験までの間、フリーレンは他の受験者と交流しながら、ヒンメルのことを思い出した――ヒンメルはこう言った――「生きているということは、誰かに知ってもらって覚えていてもらうことだ」。フリーレンは問うた。「覚えていてもらうためには、どうすればいいんだろう?」ヒンメルはこう答えた。「ほんの少しでいい。誰かの人生を変えてあげればいい」。
葬送のフリーレン 第6巻
ヒンメル「迷宮は1つの階層をすべて踏破してから次に進むものだ。冒険者の常識だぞ」
一級魔法使いのゼンゼが試験官を務める第二次試験は、未踏破の迷宮「零落の王墓」の攻略だ。ヒンメルのおかげでダンジョン攻略が得意になったというフリーレンは、フェルンやゼンゼとともにダンジョンを進み、さっそくミミックが化けた宝箱に喰われてしまう。水鏡の悪魔王墓の最深部に現れ、受験者たちの行く手を阻む――。戦いの中、粉々になってしまったフェルンの杖だったが‥‥第二次試験をパスしたのは12名。

第二次試験の合格者が多かったのはフリーレンのせいだと決めつけたゼーリエは、第三次試験の試験官を買って出る。ゼーリエは直感で一級魔法使いを選び出した。フリーレンは不合格になり、フェルンは合格した。ゼーリエはフェルンを弟子にしようと誘うが、彼女は「え、嫌です」と素っ気なく断った。

第二次試験の合格者が多かったのはフリーレンのせいだと決めつけたゼーリエは、第三次試験の試験官を買って出る。ゼーリエは直感で一級魔法使いを選び出した。フリーレンは不合格になり、フェルンは合格した。ゼーリエはフェルンを弟子にしようと誘うが、彼女は「え、嫌です」と素っ気なく断った。
葬送のフリーレン 第7巻
ヒンメル「涙の別れなんて、僕達には似合わない。だって、また会ったときに恥ずかしいからね」
一級魔法使いの試験が終わり、各々は別れを告げる。デンケンは勇者一行のフリーレンに憧れて魔法使いになったことを明かし、ヴィアベルは勇者ヒンメルの冒険譚に連れてこられたと語った。
一番弟子のフランメを失敗作だというゼーリエはフリーレンに向かって、「何故か私は弟子を取って後悔したことは一度も無いんだ」と述懐する。フェルンは一級魔法使いの特権として、ゼーリエから「服の汚れを綺麗さっぱり落とす魔法」を授与される。
フリーレンはヒンメルの言葉を思い出していた――「涙の別れなんて、僕達には似合わない。だって、また会ったときに恥ずかしいからね」。

勇者ヒンメルの死から29年後、一行は北側諸国ファーベル村で南の勇者の銅像をきれいにする仕事を請け負う。南の勇者は人類最強の勇者と言われており、勇者ヒンメルのパーティですら2人しか倒せなかった七崩賢を3人も討ち取っていた。
一行は、かつて勇者ヒンメルのパーティもつかったというエトヴァス山地の秘湯を目指した。アイゼンがシュタルクに「俺はあの景色が忘れられん」と言ったからだった。
城塞都市ハイスでの滞在が長くなり、シュタルクはフェルンをデートに誘う。
一番弟子のフランメを失敗作だというゼーリエはフリーレンに向かって、「何故か私は弟子を取って後悔したことは一度も無いんだ」と述懐する。フェルンは一級魔法使いの特権として、ゼーリエから「服の汚れを綺麗さっぱり落とす魔法」を授与される。
フリーレンはヒンメルの言葉を思い出していた――「涙の別れなんて、僕達には似合わない。だって、また会ったときに恥ずかしいからね」。

勇者ヒンメルの死から29年後、一行は北側諸国ファーベル村で南の勇者の銅像をきれいにする仕事を請け負う。南の勇者は人類最強の勇者と言われており、勇者ヒンメルのパーティですら2人しか倒せなかった七崩賢を3人も討ち取っていた。
一行は、かつて勇者ヒンメルのパーティもつかったというエトヴァス山地の秘湯を目指した。アイゼンがシュタルクに「俺はあの景色が忘れられん」と言ったからだった。
城塞都市ハイスでの滞在が長くなり、シュタルクはフェルンをデートに誘う。
葬送のフリーレン 第8巻
ヒンメル「報酬を貰っておけば貸し借りは無くなるだろう。僕達が求めているのは誰かを助けることであって、感謝の言葉じゃない。相手に貸しを作ってしまったら、本当の意味で助けたことにはならないだろう」
勇者ヒンメルの死から29年後、フリーレンは北部高原ビーア地方で200年以上も皇帝酒を探しているドワーフのファスに再会する。彼はエルフのミリアルデが書いた碑文を発見した。だが、フリーレンはミリアルデが碑文を書いたときのことを覚えている。ついに発見された皇帝酒の味は‥‥。

勇者ヒンメルの死から30年後、フリーレンが80年前に借金をしていたことが発覚し、鉱山で300年働くことになってしまった。ノルム卿は計算高い男であった‥‥。
北部高原ルーフェン地方で、一行は魔族討伐に来ていたゲナウとメトーデに再会する。一行は苦戦しながら、四刀流を誇る魔族の将軍、神技のレヴォルテら4人の魔族を討ち取る。
ドラッヘ地方で竜を退治したフリーレンは、報酬として「早口言葉を噛まずに言えるようになる魔法」を手に入れる。彼女が報酬を受け取るのは、ヒンメルがそうしていたからだ。ヒンメルはこう言った――「報酬を貰っておけば貸し借りは無くなるだろう。僕達が求めているのは誰かを助けることであって、感謝の言葉じゃない。相手に貸しを作ってしまったら、本当の意味で助けたことにはならないだろう」。

勇者ヒンメルの死から30年後、フリーレンが80年前に借金をしていたことが発覚し、鉱山で300年働くことになってしまった。ノルム卿は計算高い男であった‥‥。
北部高原ルーフェン地方で、一行は魔族討伐に来ていたゲナウとメトーデに再会する。一行は苦戦しながら、四刀流を誇る魔族の将軍、神技のレヴォルテら4人の魔族を討ち取る。
ドラッヘ地方で竜を退治したフリーレンは、報酬として「早口言葉を噛まずに言えるようになる魔法」を手に入れる。彼女が報酬を受け取るのは、ヒンメルがそうしていたからだ。ヒンメルはこう言った――「報酬を貰っておけば貸し借りは無くなるだろう。僕達が求めているのは誰かを助けることであって、感謝の言葉じゃない。相手に貸しを作ってしまったら、本当の意味で助けたことにはならないだろう」。
葬送のフリーレン 第9巻
フリーレン「魔族は息をするように嘘をつくから」
勇者ヒンメルの死から30年後、コリドーア湖を渡るための船賃がない一行は、対価として、ヒンメルの自伝を探す依頼を引き受ける。それはヒンメルの日記だった。船頭は、フリーレンが勇者一港にいた魔法使いだということに気づき、日記を受け取らなかった。
ドワーフのゲーエンは、200年をかけて高さ3千メートルのトーア大渓谷に橋を架けた。だが、近くに大型の鳥の魔物が巣を作り、強風を起こして橋を渡る者の邪魔をしているという。一行は「パンケーキを上図にひっくり返す魔法」を代価に、魔物退治を引き受ける。

一行は、50年前に七崩賢 黄金郷のマハトの手によって一瞬で黄金に変えられた城塞都市ヴァイゼに到着した。黄金郷を覆う大結界の中には今もマハトが封印されており、結界の管理者の任を引き続いだデンケンと合流する。フリーレンは、その長い人生のうちで負けたことのある魔法使いの1人がマハトであり、戦いは避けるべきだと主張する。マハトが使う万物を黄金に変える魔法は、女神さまの魔法でも解除できない最強の呪いだった。それは決して加工も破壊することができないという点において、本物の黄金とは異なる物質であり、黄金としての価値もなかった。
かつて、ヴァイゼの領主は、マハトに支配の石環を着け、ヴァイゼの住民に仕え、悪意を抱くなと命じた。しかし、魔族は悪意という概念を持っていなかった。
デンケンは黄金郷に毎日通い、マハトと話し合いを続けていたが、今回、、フリーレン一行が加わることになった。デンケンとマハトの意外な関係とは‥‥。
ドワーフのゲーエンは、200年をかけて高さ3千メートルのトーア大渓谷に橋を架けた。だが、近くに大型の鳥の魔物が巣を作り、強風を起こして橋を渡る者の邪魔をしているという。一行は「パンケーキを上図にひっくり返す魔法」を代価に、魔物退治を引き受ける。

一行は、50年前に七崩賢 黄金郷のマハトの手によって一瞬で黄金に変えられた城塞都市ヴァイゼに到着した。黄金郷を覆う大結界の中には今もマハトが封印されており、結界の管理者の任を引き続いだデンケンと合流する。フリーレンは、その長い人生のうちで負けたことのある魔法使いの1人がマハトであり、戦いは避けるべきだと主張する。マハトが使う万物を黄金に変える魔法は、女神さまの魔法でも解除できない最強の呪いだった。それは決して加工も破壊することができないという点において、本物の黄金とは異なる物質であり、黄金としての価値もなかった。
かつて、ヴァイゼの領主は、マハトに支配の石環を着け、ヴァイゼの住民に仕え、悪意を抱くなと命じた。しかし、魔族は悪意という概念を持っていなかった。
デンケンは黄金郷に毎日通い、マハトと話し合いを続けていたが、今回、、フリーレン一行が加わることになった。デンケンとマハトの意外な関係とは‥‥。
葬送のフリーレン 第10巻
ヒンメル「だったら、僕はイメージさせてやる。この世に不可能はないって」
勇者ヒンメルの死から30年後、黄金郷ヴァイゼをめぐるマハトとの攻防が続いていた。
フリーレンは、エーデルが読み取ったマハトの100年分の記憶をデンケンと共有し、その解析を始めた。マハトは本心から人類との共存を願っていた。
そんなとき、大魔族ソリテールが黄金郷ヴァイゼの大結界を破壊し、マハトに合流する。デンケンが一級魔法使いの特権としてゼーリエから受け取った魔法がマハトを襲う。だが、マハトが使う万物を黄金に変える魔法が、フェルン、シュタルク、フリーレンを飲み込んでゆく‥‥。
フリーレンはマハトの記憶を解析しながら、人類が決して破ることができないといわれた七崩賢 不死なるベーゼの結界魔法に囚われたときのヒンメルの言葉を思い出していた――「だったら、僕はイメージさせてやる。この世に不可能はないって」。
フリーレンは、エーデルが読み取ったマハトの100年分の記憶をデンケンと共有し、その解析を始めた。マハトは本心から人類との共存を願っていた。
そんなとき、大魔族ソリテールが黄金郷ヴァイゼの大結界を破壊し、マハトに合流する。デンケンが一級魔法使いの特権としてゼーリエから受け取った魔法がマハトを襲う。だが、マハトが使う万物を黄金に変える魔法が、フェルン、シュタルク、フリーレンを飲み込んでゆく‥‥。
フリーレンはマハトの記憶を解析しながら、人類が決して破ることができないといわれた七崩賢 不死なるベーゼの結界魔法に囚われたときのヒンメルの言葉を思い出していた――「だったら、僕はイメージさせてやる。この世に不可能はないって」。
葬送のフリーレン 第11巻
デンケン「本当の切り札は勝てると確信したときに使うもの」
勇者ヒンメルの死から30年後、マハトの記憶を解析し終わったフリーレンはデンケンを救い出し、反撃に転じる。フリーレンは、観測と推論によって、万物を黄金に変える魔法は完全無欠ではないことを見破った。そして、人類との共存を心の底から望んでいた魔王と同様、マハトも人類を絶滅させると予言する。
デンケンは魔法の師マハトと戦い、一方、ソリテールと戦うフリーレンは不利な状況に陥っているように見えたが‥‥「本当の切り札は勝てると確信したときに使うもの‥‥かつてお前が教えてくれたことだ」とデンケンは言い放つ。勇者ヒンメルは、七崩賢 不死なるベーゼを倒したときにこう言った――「人間を舐めるな」。

勇者ヒンメルの死から31年後、フリーレンは北部高原キーノ峠で女神の石碑の解読にリベンジしていた――彼女の目の前に、ヒンメル、ハイター、アイゼンが現れた。そこは、勇者ヒンメルの死の53年前、勇者一行の旅立ちから7年後のキーノ峠だった。
デンケンは魔法の師マハトと戦い、一方、ソリテールと戦うフリーレンは不利な状況に陥っているように見えたが‥‥「本当の切り札は勝てると確信したときに使うもの‥‥かつてお前が教えてくれたことだ」とデンケンは言い放つ。勇者ヒンメルは、七崩賢 不死なるベーゼを倒したときにこう言った――「人間を舐めるな」。

勇者ヒンメルの死から31年後、フリーレンは北部高原キーノ峠で女神の石碑の解読にリベンジしていた――彼女の目の前に、ヒンメル、ハイター、アイゼンが現れた。そこは、勇者ヒンメルの死の53年前、勇者一行の旅立ちから7年後のキーノ峠だった。
葬送のフリーレン 第12巻
ヒンメル「本当の切り札は勝てると確信したときに使うもの」
勇者ヒンメルの死の53年前に飛ばされたフリーレンは、ヒンメル、ハイター、アイゼンとともに残影のツァルトに対峙する。ツァルトはフリーレンに向かって「時空干渉の原因はお前だな」と言う。まるで心を読んでいるかのように的確に援護してくれるフリーレンに対し、ヒンメルは「なんで君らしくない戦い方だ」と呟く。
勇者一行は、未来から来たと語るフリーレンの言葉を信じるが、魔王討伐の結末を聞き出そうとするハイターに対し、ヒンメルは「どのような結果になろうと僕達は戦うんだ。僕達は勇者一行なんだから」と釘を刺す。

勇者一行は、フリーレンを未来へ帰すために女神の石碑の解読を手助けする。その途中で商人の護衛依頼を引き受けた勇者一行は、連携して魔物を倒す。フリーレンはパーティでの戦い方をヒンメル達から学んだことを思い出す。
鍛冶屋のドワーフ、キーゼルを訪ねた勇者一行は、彼がヒンメルが持っている剣(勇者の剣のレプリカ)を作ったことを知る。キーゼルはヒンメルにふさわしい剣を渡そうと申し出るが、ヒンメルは「この剣はもう僕の相棒だ。魔王の打たれた平和な世界まで連れて行く」と断る。

帰還の魔法のヒントを掴んだ勇者一行は、女神の石碑のある場所へ戻ろうとするが、そこには、七崩賢 奇跡のグラオザーム、血塗られし軍神リヴァーレ、無名の大魔族ソリテールが待ち構えていた。フリーレンは未来へ帰れるのか、勇者一行は魔族達に勝てるのか‥‥。
勇者一行は、未来から来たと語るフリーレンの言葉を信じるが、魔王討伐の結末を聞き出そうとするハイターに対し、ヒンメルは「どのような結果になろうと僕達は戦うんだ。僕達は勇者一行なんだから」と釘を刺す。

勇者一行は、フリーレンを未来へ帰すために女神の石碑の解読を手助けする。その途中で商人の護衛依頼を引き受けた勇者一行は、連携して魔物を倒す。フリーレンはパーティでの戦い方をヒンメル達から学んだことを思い出す。
鍛冶屋のドワーフ、キーゼルを訪ねた勇者一行は、彼がヒンメルが持っている剣(勇者の剣のレプリカ)を作ったことを知る。キーゼルはヒンメルにふさわしい剣を渡そうと申し出るが、ヒンメルは「この剣はもう僕の相棒だ。魔王の打たれた平和な世界まで連れて行く」と断る。

帰還の魔法のヒントを掴んだ勇者一行は、女神の石碑のある場所へ戻ろうとするが、そこには、七崩賢 奇跡のグラオザーム、血塗られし軍神リヴァーレ、無名の大魔族ソリテールが待ち構えていた。フリーレンは未来へ帰れるのか、勇者一行は魔族達に勝てるのか‥‥。
葬送のフリーレン 第13巻
アイゼン「俺が人類で一番強いんじゃない。俺と同世代の戦士が皆、死に絶えただけだ」
奇跡のグラオザームの精神魔法に囚われたヒンメルとフリーレンだったが、フリーレンは「大丈夫。私には出来なくても、ヒンメルには出来る」と彼を信じる。ヒンメルは、「いいってことさ。お陰でとても良い夢が見れた」と言って、未来のフリーレンを見送る。
フリーレン一行は、のどかな小さな村に滞在していたが、そこで帝国の特務機関〈影なる戦士〉のラダールの襲撃を受ける。リストにある人物を始末するためにその村に一団の〈影なる戦士〉が送り込まれたが、全員が老いて死に、ラダールだけが残って目的も知らぬまま任務を続行していた――。

勇者ヒンメルの死から31年後、フリーレン一行は帝国領に入る。
帝国領では英雄を祭り上げて神格化する傾向があり、今までとは変わった雰囲気のヒンメルの像が建っていた。魔王討伐の途中、ヒンメル一行は「10メートル」の大蛇を退治したが、魔王を大して帰る途中に、村人たちは「100メートル」の大蛇をたたき切ったと噂し、シュタルクは「1000メートル」と聞かされていたという。フェルンは「やばすぎでしょ」と絶句する。
帝国は千年以上の歴史を誇り、フランメの指導で高度な魔法技術を有するようになり、一時は大陸全土を統一いた。魔王軍との戦争が激化した100年前、帝国は魔族の領土に囲まれ孤立したが、それでも滅びなかった。
フリーレン一行は、没落して傭兵になったアルメー伯に出会い、ティタン城塞の地下に残された先祖の財宝を取り返すのを手伝う。フリーレンは「お前が一生かけても学びきれないほどの魔法を、この世界に残してやる」というフランメの言葉を思い出した。

シュタルクの誕生日、フェルンは革手袋をプレゼントする。フリーレンはハンバーグを焼いて2人を待っていた。
帝国領アオフガーベ連邦で、フリーレン一行は温かく迎えられた。だが、老村長ラダールは‥‥。

大陸魔法協会は一級魔法使い5人に、ゼーリエ護衛の任務を命じた。ユーベルはラントと組んで、フェルン、ゼンゼ、ファルシュの3人は別個に帝都アイスベルクへ潜入した。
フリーレン一行は、のどかな小さな村に滞在していたが、そこで帝国の特務機関〈影なる戦士〉のラダールの襲撃を受ける。リストにある人物を始末するためにその村に一団の〈影なる戦士〉が送り込まれたが、全員が老いて死に、ラダールだけが残って目的も知らぬまま任務を続行していた――。

勇者ヒンメルの死から31年後、フリーレン一行は帝国領に入る。
帝国領では英雄を祭り上げて神格化する傾向があり、今までとは変わった雰囲気のヒンメルの像が建っていた。魔王討伐の途中、ヒンメル一行は「10メートル」の大蛇を退治したが、魔王を大して帰る途中に、村人たちは「100メートル」の大蛇をたたき切ったと噂し、シュタルクは「1000メートル」と聞かされていたという。フェルンは「やばすぎでしょ」と絶句する。
帝国は千年以上の歴史を誇り、フランメの指導で高度な魔法技術を有するようになり、一時は大陸全土を統一いた。魔王軍との戦争が激化した100年前、帝国は魔族の領土に囲まれ孤立したが、それでも滅びなかった。
フリーレン一行は、没落して傭兵になったアルメー伯に出会い、ティタン城塞の地下に残された先祖の財宝を取り返すのを手伝う。フリーレンは「お前が一生かけても学びきれないほどの魔法を、この世界に残してやる」というフランメの言葉を思い出した。

シュタルクの誕生日、フェルンは革手袋をプレゼントする。フリーレンはハンバーグを焼いて2人を待っていた。
帝国領アオフガーベ連邦で、フリーレン一行は温かく迎えられた。だが、老村長ラダールは‥‥。

大陸魔法協会は一級魔法使い5人に、ゼーリエ護衛の任務を命じた。ユーベルはラントと組んで、フェルン、ゼンゼ、ファルシュの3人は別個に帝都アイスベルクへ潜入した。
葬送のフリーレン 第14巻
フェルン「あれは10年に一度のブチ切れ八つ当たりフリーレン様です。私も見るのはこれで二度目ですね。」
ユーベルとラントが、帝国の魔導特務隊と戦った末、捕らえられてしまう。一方、ゼーリエを暗殺する指揮を執るため帝都にやって来たロルベール領総督レーヴェは〈影なる戦士〉に指示を出す。彼らの名は、傭兵シュリット、酒場の店主ヴォルフ、酒屋の看板娘イーリス、図書館司祭ルティーネ、神父クレマティス、シスター・ロレ、浮浪者ヴァルロス、露天商ガゼレ――ヴァルロスは、80年以上前、帝国の領土の3分の1を魔族から取り返したドワーフの英雄だった。
マハトの呪いから解放されたヴァイセの領主グリュックは、魔導特務隊カノーネの尋問を受けていた。宮廷魔法使いのデンケンは、魔導特務隊隊長フラーゼが動いていることに気付きながらも、グリュックを護送するためにヴァイセへ向かわなければならなかった。

街でガラクタを買い漁っていたフリーレン一行が動き出す。シュタルクはフリーレンとフェルンをかばい、ヴォルフが放った毒矢に当たってしまう。ゴリラを探して帝都に居合わせたザインがフリーレンの魔力をキャッチし、シュタルクの治療に当たる。相手に女神さまの魔法を使う司令塔がいることに気付いたフェルンは、ロレに反撃の間を与えずに高高度から一般攻撃魔法を撃ち込んだ。
ついにゼーリエが帝都アイスベルクに到着した。幼いフランメの顔を思い浮かべながら‥‥。
マハトの呪いから解放されたヴァイセの領主グリュックは、魔導特務隊カノーネの尋問を受けていた。宮廷魔法使いのデンケンは、魔導特務隊隊長フラーゼが動いていることに気付きながらも、グリュックを護送するためにヴァイセへ向かわなければならなかった。

街でガラクタを買い漁っていたフリーレン一行が動き出す。シュタルクはフリーレンとフェルンをかばい、ヴォルフが放った毒矢に当たってしまう。ゴリラを探して帝都に居合わせたザインがフリーレンの魔力をキャッチし、シュタルクの治療に当たる。相手に女神さまの魔法を使う司令塔がいることに気付いたフェルンは、ロレに反撃の間を与えずに高高度から一般攻撃魔法を撃ち込んだ。
ついにゼーリエが帝都アイスベルクに到着した。幼いフランメの顔を思い浮かべながら‥‥。
登場人物の名前の由来
「葬送のフリーレン」の登場人物の名前はドイツ語に由来するものが多い。
同じくドイツ語の名前が多い『銀河英雄伝説』の作者、田中芳樹さんは「アングロ・サクソン風の名前って、ちょっとつまんないんですよ」という理由で、銀河帝国の登場人物をドイツ風にしている。
が、フリーレンにはそのまま当てはまらない。というのは、同じドイツ語でも一般名詞や動詞、形容詞を使っているのだ。このため、おそらくドイツ語を母国語とする人たちから見たら、あり得ない名前だと思う。にもかかわらず、ゲルマン的なファンタジー感を醸し出しているから不思議だ。
というわけで、登場人物の名前と、由来となったドイツ語を整理してみることにする。
同じくドイツ語の名前が多い『銀河英雄伝説』の作者、田中芳樹さんは「アングロ・サクソン風の名前って、ちょっとつまんないんですよ」という理由で、銀河帝国の登場人物をドイツ風にしている。
が、フリーレンにはそのまま当てはまらない。というのは、同じドイツ語でも一般名詞や動詞、形容詞を使っているのだ。このため、おそらくドイツ語を母国語とする人たちから見たら、あり得ない名前だと思う。にもかかわらず、ゲルマン的なファンタジー感を醸し出しているから不思議だ。
というわけで、登場人物の名前と、由来となったドイツ語を整理してみることにする。
名前 | ドイツ語 | 意味 |
---|---|---|
フリーレン | frieren | 凍る |
ヒンメル | Himmel | 天国 |
ハイター | heiter | 陽気な |
アイゼン | Eisen | 鉄 |
フェルン | fern | 遠い |
シュタルク | stark | 強い |
ザイン | sein | 彼の |
ゼーリエ | Serie | シリーズ |
フランメ | Flamme | 炎 |
クラフト | Kraft | 力 |
クヴァール | Qual | 苦悩 |
アウラ | Aura | オーラ |
リュグナー | Lügner | 嘘つき |
リーニエ | Linie | 線 |
ドラート | Draht | 電線 |
グラナト | Granat | ガーネット |
フォル爺 | voll | いっぱいの(full) |
シュティーレ | stiele | 静寂 |
ガイゼル | geisel | 人質 |
デンケン | denken | 考える |
リヒター | Richter | 裁判官 |
ラオフェン | laufen | 走る |
ラヴィーネ | Lawine | 雪崩 |
カンネ | Kanne | 水差し |
ユーベル | Übel | 悪 |
ラント | Land | 国、土地 |
ヴィアベル | Wirbel | 渦 |
エーレ | Ehre | 名誉 |
シャルフ | scharf | 熱い |
エーデル | edel | 高貴な |
メトーデ | Methode | 方法 |
ゲナウ | genau | その通り |
ゼンゼ | Sense | 感覚 |
レルネン | lernen | 学ぶ |
ミリアルデ | Milliarde | 10億 |
レヴォルテ | Revolte | 反乱 |
ゲーエン | gehen | 行く |
マハト | Macht | 力 |
ベーゼ | böse | 悪 |
ソリテール | solitaire(フランス語) | 孤独な |
ツァルト | zart | デリケートな |
キーゼル | Kiesel | 小石 |
グラオザーム | grausam | 残酷な |
リヴァーレ | Rivale | ライバル |
リネアール | Linear | 定規 |
レーヴェ | Lewe | ライオン |
フラーゼ | Phrase | 常套句 |
カノーネ | Kanone | 大砲 |
ノイ | neu | 新しい |
シュリット | Schlitt | 歩み |
ヴォルフ | Wolf | オオカミ |
イーリス | Iris | 虹 |
ルティーネ | Routine | 日課 |
クレマティス | Klematis | クレマチス・テッセンなど |
ロレ | Rolle | 役割 |
ヴァルロス | Valros | セイウチ |
ガゼレ | Geselle | 職人 |
レビュー

エルフが主人公だから、登場人物の名前がドイツ語というのはいいとして‥‥フリーレン(凍る)、フェルン(遠い)、シュタルク(強い)、ヒンメル(天国)、ハイター(朗らかな)、アイゼン(鉄)、フランメ(炎)、クヴァール(苦痛)、アウラ(霊気)‥‥一般攻撃魔法ならぬ、一般名詞に形容詞ばかり。まあ、たしかにドイツ人名は『銀河英雄伝説』でお腹いっぱいという感じはするのだが‥‥。

人類の中で魔族を最も多く討伐したことから、葬送のフリーレンという2つ名が定着したというが、千年を越える年月を生き、ヒンメルやハイターの最期を看取った様子から、文字通り葬送のフリーレンだと感じたのだが‥‥それも1巻の途中までで、本作品は、昭和のナンセンスギャグとは温度感が違う、登場人物が全員やる気ゼロで凍り付く(フリーレンな)ギャグ漫画である。
フリーレンが持ち歩いているトランク鞄は、『銀河鉄道999』のメーテルが持ち歩いているものにも見えるが、永遠の時を生きるメーテルが喪服に身を包んでいるのと真逆で、フリーレンの衣装は真っ白。これも何かのギャグなのか。
フリーレンが持ち歩いているトランク鞄は、『銀河鉄道999』のメーテルが持ち歩いているものにも見えるが、永遠の時を生きるメーテルが喪服に身を包んでいるのと真逆で、フリーレンの衣装は真っ白。これも何かのギャグなのか。

魔族を、敵や悪といった対立存在ではなく、人類とは相容れない存在として描いているのは、令和の時代を反映してのことか。エルフやドワーフも「人類」として扱われており、魔族とは一線を画している。多様性の外側にあるものは容認できないという姿勢を感じる。
そして、貸し借りをつくらないために、かならず成功報酬を受け取る勇者ヒンメルも、令和の時代によく似合う。
そして、貸し借りをつくらないために、かならず成功報酬を受け取る勇者ヒンメルも、令和の時代によく似合う。
参考情報
『葬送のフリーレン』サントラ12/22(金)配信曲 試聴動画/音楽:Evan Call https://t.co/w35Aab6Qby
— パパぱふぅ@𝙥𝙖𝙝𝙤𝙤.𝙤𝙧𝙜 (@papa_pahoo) 2023年12月23日
音楽は、昨年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を担当したEvan Callさん。
第一印象はスコットランド民謡を聴いているようで、エルフのイメージにベストマッチ‥‥登場人物の名前はドイツ語だけど😓
(この項おわり)