約160万人の免許証が漏洩

2026年10月3日 作成
免許証画像の漏洩となりすまし対策を示す陽奈
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パーク24は2026年9月、タイムズカーのWebシステムへの不正アクセスにより、約660万アカウントの個人情報が第三者に取得されたと公表しました。このうち約160万件では、運転免許証画像などの本人確認書類も漏洩しました。
免許証画像には、氏名、住所、生年月日、顔写真、免許証番号など、本人になりすますための材料が集まっています。不正契約や精巧なフィッシング詐欺などに長く警戒する必要があります。

目次

パーク24で約660万件の情報漏洩

パーク24
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パーク24によると、2026年9月25日9時7分にタイムズカーWebシステムへの外部からの不正アクセスを検知しました。外部の専門機関と調査し、第三者による不正アクセスと、一部の会員情報が取得された事実を確認しています。9月26日7時25分までに侵入経路と攻撃元からの通信を遮断し、その後も監視を続けています。

漏洩したのは約660万アカウントです。現在のタイムズカー会員だけでなく、退会済みの利用者、入会を申し込んだものの手続きを終えなかった人、タイムズビジネスサービスの会員と退会者も含まれます。
対象者によって異なりますが、氏名、所属部署名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、運転免許情報、本人確認書類情報、パスワード、連携サービスIDが漏洩しました。このうち、運転免許証画像、現住所確認書類画像、学生証画像、家族確認書類画像などの本人確認書類が漏洩したアカウントは約160万件です。

クレジットカード情報は漏洩していません。パスワードは復元できない形式で保管されていたと説明されています。2026年9月28日の公表時点では、漏洩情報が不特定多数に公開された事実や、本件に起因する不正利用は確認されていません。ただし、被害がまだ発見されていない可能性はあるため、今後も確認が必要です。

パーク24は9月29日から、本人確認書類の漏洩が確認された会員へメールで個別案内を始めました。個々に漏洩した項目は、外部専門機関の調査結果を踏まえて、2週間程度を目処に改めて案内するとしています。

免許証画像が漏れたときのリスク

陽奈の顔写真を使った運転免許証のイメージ
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免許証画像だけで、銀行預金を自由に引き出したり、マイナポータルへログインしたりすることはできません。多くのサービスでは、顔照合、自撮り動画、ICチップの読み取り、暗証番号、ワンタイムパスワードなどを組み合わせています。しかし、本人確認の強さはサービスごとに違うため、「画像だけなら安全」とは言い切れません。
今回とくに注意すべき点は、免許証画像だけでなく、氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレスなどが一緒に漏洩した可能性があることです。これらが組み合わさると、攻撃者は本人を装いやすくなります。
  1. 消費者金融、クレジットカード、ローンなどへの不正な申込み
  2. 携帯電話、SIM、決済、レンタル、ECなどの不正契約
  3. 免許証画像を加工した偽造本人確認書類の作成
  4. サポート窓口をだまして、アカウントの復旧や登録情報の変更を試みる行為
  5. 漏洩した住所や免許証番号を示して信用させるメール、SMS、電話、郵便による詐欺
  6. 別の名簿や過去の漏洩情報と組み合わせた、数年後のなりすまし
なかでも現実的なのが、精巧なフィッシング詐欺です。「タイムズカーの補償手続」「免許証の再登録」「本人確認のやり直し」などと称し、本当に漏洩した氏名や住所を示して信用させ、パスワード、カード番号、SMS認証コードを追加で盗もうとする可能性があります。パーク24は、メール、SMS、電話でパスワードやクレジットカード情報を尋ねることはないと注意を呼びかけています。

対象者がとるべき対応

今すぐ
  1. パーク24から本人確認書類漏洩の対象者であるとの案内が届いているか確認します。メール内のリンクは使わず、公式サイトや公式アプリから問い合わせ先を確かめます。
  2. パスワードや認証コードを聞き出すメール、SMS、電話には応じません。身に覚えのない添付ファイルも開きません。
  3. タイムズカーと同じパスワードを他のサービスでも使っている場合は、念のためサービスごとに異なる長いパスワードへ変更し、多要素認証を有効にします。
今週中に検討すること
  1. 日本信用情報機構(JICC)の本人申告コメントを検討します。JICCは、免許証の現物が手元にあっても画像などが流出した場合は、「名義の悪用防止」を登録できると案内しています。
  2. CICの本人申告制度も検討します。名義冒用のおそれを信用情報に登録し、クレジット会社などが審査時に確認できるようにする制度です。登録期間は5年間です。
  3. クレジットカード、銀行口座、携帯電話、ローンなどの利用明細や契約通知を確認します。身に覚えのない申込みや契約があれば、通知元の公式窓口へすぐに連絡します。
長く続けること
  1. 「契約完了」「審査結果」「カード発送」「携帯電話契約」など、身に覚えのない通知を見逃さないようにします。
  2. 免許証の有効期限が切れた後も、氏名、住所、生年月日、顔写真などはなりすましの材料として残るため、数年間は警戒を続けます。
  3. 本人申告は、不正契約を必ず止める制度ではありません。JICCやCICの情報を見た事業者へ慎重な本人確認を促す注意情報であり、日常の監視と組み合わせて使います。

補足:本人申告の申込み集中と手数料

2026年10月3日確認。タイムズカーの情報漏洩公表後、JICC・CICでは本人申告や信用情報開示の申込みが集中し、手続きが進みにくくなっています。信用情報開示は自分の契約・支払い状況などを確認する手続きで、名義悪用への注意情報を登録する本人申告とは別です。

JICCは9月30日、スマホアプリへのアクセスが集中し、本人申告コメントと本人開示の手続き完了まで、通常より大幅に日数がかかっていると案内しました。さらに10月2日には、サーバーメンテナンスのため、10月2日18時30分から10月4日までアプリによる申込み受付を停止すると公表しています。10月5日の再開時刻は改めて案内する予定です。申込み前に公式サイトの最新のお知らせを確認してください。

CICも9月30日、通常より問い合わせ・申込みが増え、インターネット開示・本人申告などの受付番号を取得しにくく、コールセンターの電話もつながりにくいと案内しました。CICの案内は、受付番号取得や問い合わせ段階の混雑についてのものです。つながらない場合は、時間をおいて再度試すよう求めています。

本人申告の登録は、JICC・CICとも有料です。2026年10月3日に確認した公式案内では、次の料金です。
  1. JICC:スマホアプリでの登録は700円(税込)です。郵送ではコメント1種類につき本人申告利用券1,111円(税込)をコンビニで購入し、必要書類と一緒に送ります。郵送料などは別途かかります。
  2. CIC:インターネット・郵送とも1,000円(税込)です。郵送は1,000円分の定額小為替証書を同封するため、小為替の発行手数料や郵送料などが別途かかります。
これらは本人申告の登録費用であり、信用情報開示も申し込む場合は別に開示手数料が必要です。金額や受付状況は変わることがあるため、申込み時に各機関の公式案内を確認してください。

登録完了までの間も、不審な連絡に応じないことや、契約通知・利用明細の確認を続けてください。JICCで申込み済みの場合は、アプリの「申込状況と登録結果の確認」で進捗を確かめられます。

政府・自治体の対応状況

2026年10月3日時点。パーク24は9月28日の第2報で、外部専門機関による調査とともに、個人情報保護委員会および警察への報告を行っていると公表しました。ただし、この発表では、政府側の調査や警察の捜査の具体的な進捗までは明らかになっていません。

古川俊治デジタル相は9月29日の記者会見で、まず事業者が漏洩した可能性のある利用者へ通知し、システムの弱点である脆弱性を調べて防御する必要があると説明しました。政府も、事案の情報提供を受けて必要に応じた措置を検討する方針を示しています。一方、事業者への追加の通達や事前の警告については、事案の詳細を把握していないとして、その場での回答を控えました。

産経新聞の9月30日付報道によると、木原稔官房長官も、タイムズカーの情報漏洩について、適切な対応がとられるよう状況を注視するとの考えを示しました。この時点では、事業者の対応を確認し、必要に応じて措置を検討する姿勢を示していました。

2026年10月7日追記。FNNと共同通信の同日付報道によると、国土交通省は10月1日、カーシェア事業者も加盟する全国レンタカー協会へ、個人情報の管理体制を点検するよう要請しました。FNNは、個人情報の安全管理に不備がないかの点検と、再発防止に向けた対策の徹底を求めたと報じています。共同通信の国交省取材では、要請は10月1日付の文書で行われ、10月30日までに取組状況の報告を求めるとされています。

確認した公表資料の範囲では、今回の事件に対する行政処分や、国が免許証再交付費用・JICC/CICへの申請費用を負担する救済策が決まったとの発表は確認できません。ただし、公表されていない調査や対応まで「行われていない」と断定することはできません。政府・監督機関と事業者の続報を確認する必要があります。

2026年10月7日追記。地方でも、免許証画像の漏洩に不安を感じる人への対応が始まっています。テレビ新広島の10月7日付報道によると、広島県公安委員会は10月から、情報が漏洩した可能性がある人の運転免許証の再交付を特例で認めています。再交付で顔写真と免許証番号が変更され、申請期限は設けていないとされています。広島テレビの10月6日付報道も、県警運転免許課への取材でこの運用を確認し、10月2日までに約20件の問い合わせがあったと伝えています。

KSBの10月7日付報道によると、香川県公安委員会も10月1日から特例で再交付を認めています。香川県警は、情報の悪用への懸念が広がっていることを考慮した対応だと説明しています。再交付を認める措置と、費用を免除・補償する措置は別です。香川県警の通常の再交付案内では、従来の免許証を再交付して引き続き1枚で持つ場合の手数料は2,600円です。ただし、この通常案内だけでは今回の特例の費用扱いを確定できません。対象条件、必要書類、料金、免許証番号の変更内容は、住所地の運転免許センターなどへ事前に確認してください。

広島テレビは、広島県消費生活課が不審なメールや電話への注意、カードの利用明細や銀行口座の取引内容のこまめな確認を呼びかけていることも報じています。身に覚えのない取引があれば、関係する事業者へ連絡し、警察にも相談してください。

2026年10月8日追記。国の個人情報保護委員会は、10月7日に、「大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について(注意喚起)」を発表しました。詳しくは、当サイトの「個人情報保護委員会が注意喚起(2026年10月7日)」をご覧下さい。

被害状況

2026年10月7日確認。情報の漏洩自体に加え、利用者の不安や対策の負担が報じられています。KBCの10月7日付報道では、仕事と私生活でタイムズカーを使っていた福岡市の40代男性が、漏洩を知らせるメールを受け取り、流出した情報を取り戻せないことへの不安を語っています。通知の4日後には、携帯電話会社を名乗り、男性の氏名を正確に告げてキャッシュバックを持ちかける不審電話もあったといいます。ただし、この電話と今回の漏洩との因果関係は分かっていません。

別の利用者へのテレビ朝日の10月2日付取材でも、犯罪組織による悪用への不安や、JICC・CICへの本人申告の手数料を自分で負担することへの不満が伝えられました。これらは利用者の体験や負担を示す報道であり、今回の漏洩情報による不正契約が確認されたという意味ではありません。読売テレビの10月7日付報道も、今回の漏洩情報が不正利用された事実は、それまでに確認されていないと伝えています。

一方、読売テレビの取材では、中国語の闇サイトの過去の投稿に、日本の運転免許証画像1,000枚を122ドルで販売するとする出品が見つかりました。報道時の円換算で約2万円、1枚当たり約20円です。健康保険証やマイナンバーカードの画像らしきものも出品されていました。日テレNEWS NNNの10月5日付記事でも、同様の出品と、こうした画像が犯罪組織に渡り詐欺などに悪用されるケースがあることが報じられています。

ただし、出品画像が本物か偽造かは不明で、今回タイムズカーから漏洩した画像であると確認されたものでもありません。出品価格は実際の売買成立を示すものではありません。この報道は、本人確認書類の画像が売買・悪用の対象になり得ることを示す事例として受け止め、今回の事件で確認された二次被害とは区別する必要があります。

免許証を再交付すれば安心か

免許証を再交付しても、氏名、住所、生年月日、顔写真など、すでに漏洩した情報は消えません。流出画像が古い免許証のものになったことを示しやすくなる場合はありますが、再交付だけでなりすましの危険がなくなるわけではありません。

画像だけが漏洩した場合でも、広島県や香川県では特例による再交付が認められています。ただし、再交付が必須であるとの全国一律の案内とは異なります。希望する場合は、住所地の運転免許センターなどへ条件や費用を確認してください。あわせて、パーク24から届く個別の漏洩項目を確認し、JICC・CICへの本人申告と不審な契約の監視を続けます。悪用された形跡があれば警察へ相談してください。

マイナ免許証への影響

陽奈の顔写真を使ったマイナンバーカード表面のイメージ
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従来の運転免許証には、12桁のマイナンバーは記載されていません。したがって、従来型の免許証画像からマイナンバーを読み取ったり、計算したりすることはできません。2026年9月29日のパーク24の公表でも、漏洩が確認された本人確認書類として、運転免許証画像、現住所確認書類画像、学生証画像、家族確認書類画像が挙げられており、マイナンバーの漏洩は公表されていません。
マイナ免許証は、マイナンバーカードのICチップに免許情報を記録する仕組みです。警察庁によると、マイナ免許証番号、免許の年月日と有効期限、免許の種類、条件、免許用顔写真などが記録され、読み取りには専用アプリと暗証番号を使います。

今回のように免許証の画像が漏洩しても、マイナンバーカード本体のICチップを複製したり、暗証番号なしで免許情報を読み出したり、マイナポータルへログインしたりすることはできません。したがって、マイナ免許証を持っていること自体で今回の被害が自動的に広がるわけではありません。

一方、マイナンバーカード本体や暗証番号も同時に失った場合は別問題です。その場合は、マイナンバー総合フリーダイヤルや警察へ連絡し、カードの一時停止など所定の手続きを行ってください。今回もっとも現実的に警戒すべきなのは、マイナンバーよりも、免許証画像と氏名・住所・生年月日などを組み合わせたなりすましです。

参考サイト

(この項おわり)
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