業界主導で動き出した シフトJISコード だが、実際にパソコンで使ってみると足りない文字が出てきた。そこで各社は、JIS X 0208 とは無関係に文字を増やしはじめた。こうして シフトJISコードの派生型 が発生し、あるパソコンでは表示するが、別のパソコンでは表示しないという文字が生まれてしまった。
オリジナル版
オリジナルの シフトJISコード は、「シフトJISコードと ASCIIコードの共存」で述べたとおり、JIS X 0208:1997 の附属書1「シフト符号化表現」を指す。CP932 という名で呼ばれることもある。
NEC特殊文字
オリジナル版の13区にNEC特殊文字を加えたものである。PC-9801シリーズなどに搭載され、その後、Windowsにも採用され、最終的に JIS X 0213 で採用されたものである。
いわゆる丸付き数字、ローマ数字、単位、元号などは、NEC特殊文字で初めて登場した。
その後、これらの文字は使わないことが好ましいとされていたが、後述する JIS X 0213 で正式採用されたことから、現在では問題なく利用できる。
その後、これらの文字は使わないことが好ましいとされていたが、後述する JIS X 0213 で正式採用されたことから、現在では問題なく利用できる。
IBM拡張文字
オリジナル版の115~119区にIBM拡張文字を加えたもので、DOS/V(1990年)に搭載されたのが始まりである。
CP942、CP943という名称が付けられており、多くのバージョンが乱立しそれぞれ搭載されていた文字が異なる。
そもそも、この領域は JIS X 0208 の範囲外であり、利用しない方がいい。
CP942、CP943という名称が付けられており、多くのバージョンが乱立しそれぞれ搭載されていた文字が異なる。
そもそも、この領域は JIS X 0208 の範囲外であり、利用しない方がいい。
NEC選定IBM拡張文字(マイクロソフト標準シフトJIS)
NECが IBM拡張文字 を JIS X 0208 に適合するよう、89~92区に追加した文字である。
これはマイクロソフトでも採用し、MS932、Windows-31J などの名前で呼ばれている。
だが、EUC-JP や Unicode など、他の文字コードとの互換性が保証されておらず、用いない方がいいだろう。
だが、EUC-JP や Unicode など、他の文字コードとの互換性が保証されておらず、用いない方がいいだろう。
アップル独自拡張
アップルのMacintoshが日本語対応を果たした System 7.1から9.xまでの間に拡張したもので、他のシフトJISコードの派生型を無視し、09~15区に独自の拡張文字を加えたものである。現在では使われていない。
その後、MacOS X の登場により、Macintoshの文字コードは Unicode に統一される。
その後、MacOS X の登場により、Macintoshの文字コードは Unicode に統一される。
シフトJISの派生型一覧
PHPでの名称 | 内 容 |
---|---|
SJIS | オリジナル版 |
CP932, SJIS-win | NEC選定IBM拡張文字 (マイクロソフト標準シフトJIS) |
SJIS-mac, MacJapanese | アップル独自拡張 |
SJIS-Mobile#DOCOMO, SJIS-DOCOMO | NTTドコモ(フィーチャーフォン) |
SJIS-Mobile#KDDI, SJIS-KDDI | au by KDDI(フィーチャーフォン) |
SJIS-Mobile#SOFTBANK, SJIS-SOFTBANK | ソフトバンク(フィーチャーフォン) |
参考サイト
- シフトJISコード :通信用語等の基礎知識
- JIS X 0208:日本工業標準調査会
- シフトJISコードと ASCIIコードの共存:ぱふぅ家のホームページ
(この項おわり)