3.12 平行線と角、多角形の角(中学2年)

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平行線の角と五角形の内角の和を教える水奈と生徒たち
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図形の角度は、分度器で測るだけでなく、既に分かっている性質から求められる。平行線に現れる角の関係を使うと、三角形や多角形の角の和も説明できる。
本項では、対頂角・同位角・錯角を見分け、三角形の内角と外角、多角形の内角の和と外角の和へ進む。角や平行を表す記号を、\( \TeX \)表記で正確に書く方法も学ぶ。

目次

本項で扱う範囲

本項の要点
中学2年対頂角・同位角・錯角と、平行線の性質・平行になる条件を理解する
三角形内角の和と外角の性質を、平行線の角の関係から説明する
多角形内角の和、外角の和、正多角形の一つの角を求める
\( \TeX \)\angle、\parallel、^{\circ}、\fracを使う

教科書で見かける式

二つの直線が交わったとき、向かい合う角を対頂角という。対頂角は等しく、一直線上に隣り合う二つの角の和は \( 180^{\circ} \) になる。
二つの直線に別の直線が交わると、二つの交点で同じ位置にある角を同位角、二つの直線の間にあり、横切る直線の反対側にある角を錯角 (さっかく) という。同位角・錯角という名前は位置関係を表すもので、直線が平行でなくても使う。
\( l\parallel m \)。文字は角の大きさを表す。対頂角は \( a=c \)、同位角は \( a=e \)、錯角は \( d=f \)
上図では、同位角の組は \( a,e \)、\( b,f \)、\( c,g \)、\( d,h \)、錯角の組は \( c,e \)、\( d,f \) である。二つの直線が平行なら、同位角と錯角はそれぞれ等しい。逆に、一組の同位角または錯角が等しければ、二つの直線は平行である。性質を使って角を求める場合と、角の等しさから平行を示す場合を区別しよう。
三角形 \( ABC \) の内角の和は \( 180^{\circ} \)。辺 \( BC \) を \( C \) の先へ延ばし、延長上に点 \( D \) を取ると、外角 \( \angle ACD \) は、その外角と隣り合わない二つの内角 \( \angle CAB \) と \( \angle ABC \) の和に等しい。
内容表示条件・考え方
平行の記号\( l\parallel m \)直線どうしが平行であることを示す
三角形の内角の和\( \angle CAB+\angle ABC+\angle BCA=180^{\circ} \)角の記号では、中央の文字が頂点
三角形の外角\( \angle ACD=\angle CAB+\angle ABC \)B、C、Dがこの順に一直線上にある
五角形の内角の和\( (5-2)\times180^{\circ}=540^{\circ} \)三角形3個に分ける
凸多角形の外角の和\( e_1+e_2+\cdots+e_n=360^{\circ} \)各頂点で同じ向きの外角を一つずつ取る
正六角形の一つの内角\( \displaystyle \frac{(6-2)\times180^{\circ}}{6}=120^{\circ} \)正多角形の内角はすべて等しい
ここでは、へこみや辺の交差がない凸多角形を扱う。辺の数を \( n \) とすると、\( n \) は3以上の整数である。一つの頂点から対角線を引くと、\( n-2 \) 個の三角形に分かれるので、内角の和は \( (n-2)\times180^{\circ} \) となる。
各頂点の内角と外角の和は \( 180^{\circ} \) だから、外角の和は \( n\times180^{\circ}-(n-2)\times180^{\circ}=360^{\circ} \)。正多角形ではすべての内角、すべての外角がそれぞれ等しいため、一つの内角は \( \displaystyle \frac{(n-2)\times180^{\circ}}{n} \)、一つの外角は \( \displaystyle \frac{360^{\circ}}{n} \) である。
五角形は三角形3個に分かれるので、内角の和は \( 3\times180^{\circ}=540^{\circ} \)
三角形の内角の和が \( 180^{\circ} \) になる理由も、平行線から説明できる。頂点 \( A \) を通り、辺 \( BC \) に平行な直線 \( PQ \) を引く。\( P \)、\( A \)、\( Q \) はこの順に一直線上にある。錯角から \( \angle PAB=\angle ABC \)、\( \angle CAQ=\angle BCA \)。これら二つの角と \( \angle BAC \) を足すと、直線 \( PQ \) の下側の角 \( 180^{\circ} \) になる。
さらに、\( BC \) を \( C \) の先の \( D \) へ延ばすと、\( \angle ACD+\angle BCA=180^{\circ} \)。内角の和から \( \angle BCA \) を引けば、外角 \( \angle ACD=\angle CAB+\angle ABC \) が得られる。
\( PQ\parallel BC \)。\( A \) の下側に並ぶ三つの角の和は \( 180^{\circ} \)

\( \TeX \)表記

角を表す命令は \angle、平行を表す命令は \parallel である。\( \angle ABC \) の頂点は中央の \( B \)、角の両側は半直線 \( BA \) と \( BC \) になる。度の記号は ^{\circ} と書く。\circ を上付きにすることで、\( 60^{\circ} \) と表示できる。
図は TikZJax を使って描画している。数式の表示にはKaTeX、図にはTikZの命令を使う。tikzpicture の中で \draw に座標を指定すると線を描き、\node で頂点名や角の文字を配置できる。座標を変更すると図の形も変わるので、平行線なら高さをそろえるなど、数学の条件を図にも反映させよう。
同位角・錯角を示す専用の記号はない。図で角の位置を指定し、角の大きさの等式と「平行線の同位角」などの理由を添える。\( \TeX \)は数式の組版を行うもので、\parallelを書くだけで図の直線が平行に描かれるわけではない。
\( \TeX \)表記表示
\angle ABC\( \angle ABC \)
l\parallel m\( l\parallel m \)
60^{\circ}\( 60^{\circ} \)
\angle CAB+\angle ABC+\angle BCA=180^{\circ}\( \angle CAB+\angle ABC+\angle BCA=180^{\circ} \)
(n-2)\times180^{\circ}\( (n-2)\times180^{\circ} \)
\frac{(n-2)\times180^{\circ}}{n}\( \displaystyle \frac{(n-2)\times180^{\circ}}{n} \)
\frac{360^{\circ}}{n}\( \displaystyle \frac{360^{\circ}}{n} \)
本文中の数式は \( ... \) で囲む。分数を含む式では \displaystyle を付け、それ以外には付けない。独立した数式は \[ ... \] で囲む。次の式では aligned を使い、& で等号の位置をそろえ、\\ で改行している。
例えば、正六角形の一つの内角は次のように求められる。
\[ \begin{aligned} \frac{(6-2)\times180^{\circ}}{6} &=\frac{720^{\circ}}{6}\\ &=120^{\circ} \end{aligned} \]

\( \TeX \)命令の読み方と意味

\( \TeX \)表記読み方意味
\angleアングル角の記号 \( \angle \)
\parallelパラレル平行の記号 \( \parallel \)
^{\circ}サーカムフレックス、サーク小さな丸を上付きにして度を表す
\timesタイムズ掛け算の記号 \( \times \)
\frac{a}{b}フラクション分子 \( a \)、分母 \( b \) の分数
\cdotsドッツ中央の高さの省略点 \( \cdots \)
\begin{aligned} ... \end{aligned}アラインド複数行の数式を指定した位置でそろえる
&アンパサンドaligned内の位置合わせの基準
\\バックスラッシュ二つaligned内で数式の行を分ける
\( \TeX \)表記読み方意味
\begin{tikzpicture} ... \end{tikzpicture}ティクズ・ピクチャーTikZの図を記述する範囲
\coordinate (A) at (0,3);コーディネート座標に名前を付ける
\draw (A)--(B);ドロー二点を線で結ぶ。各命令の末尾にセミコロンを書く
\node[above] at (A) {$A$};ノード指定した位置の上側に文字を置く
\fill[blue!15] (A)--(B)--(C)--cycle;フィル三点で囲まれた三角形を薄い青で塗る

よくある間違い

平行という条件を確認しない
同位角・錯角は位置関係の名前であり、常に等しいとは限らない。等しい角として使うときは、二つの直線が平行であることを確かめる。
対頂角と隣り合う角を混同する
対頂角は向かい合う角で等しい。一直線上に隣り合う角は和が \( 180^{\circ} \) なので、片方が \( 65^{\circ} \) なら、もう片方は \( 115^{\circ} \) である。
角の頂点を最初の文字と考える
\( \angle ABC \) の頂点は中央の \( B \) である。\( A \) を頂点にするなら、\( \angle BAC \) と書く。
度の記号を上付きにしない
60\circでは丸が数と同じ高さになる。正しくは 60^{\circ} と書き、\( 60^{\circ} \) と表示する。
内角の和を辺の数で割ればよいと思う
一つの内角を平均から求められるのは、すべての内角が等しい場合である。一般の五角形では和は \( 540^{\circ} \) でも、各角が \( 108^{\circ} \) とは限らない。
外角に隣り合う内角も足す
三角形の外角は、隣り合わない二つの内角の和に等しい。隣り合う内角とは、和が \( 180^{\circ} \) になる。
各頂点で外角を二つ数える
外角の和は、各頂点で同じ向きの外角を一つずつ取った和である。凸多角形ではそれが \( 360^{\circ} \) になる。
三角形の数を対角線の数と同じにする
凸 \( n \) 角形の一つの頂点から引ける対角線は \( n-3 \) 本、分かれる三角形は \( n-2 \) 個である。五角形では対角線2本で三角形3個になる。

コピーして使える例

平行と角の等しさ
\( l\parallel m,\quad a=e,\quad d=f \)
三角形の内角の和
\( \angle CAB + \angle ABC + \angle BCA = 180^{\circ} \)
三角形の外角
\( \angle ACD = \angle CAB + \angle ABC \)
五角形の内角の和
\( (5-2)\times180^{\circ} = 540^{\circ} \)
正多角形の一つの外角
\( \displaystyle \frac{360^{\circ}}{n} \)
正六角形の内角の計算
\[
\begin{aligned}
\frac{(6-2)\times180^{\circ}}{6}
&=\frac{720^{\circ}}{6}\\
&=120^{\circ}
\end{aligned}
\]
TikZJax:五角形を三角形3個に分ける
<script type="text/tikz">
\begin{tikzpicture}[x=1cm,y=1cm,thick]
\coordinate (A) at (0,3);
\coordinate (B) at (2.8,1.8);
\coordinate (C) at (1.8,0);
\coordinate (D) at (-1.8,0);
\coordinate (E) at (-2.8,1.8);
\fill[blue!12] (A)--(B)--(C)--cycle;
\fill[orange!20] (A)--(C)--(D)--cycle;
\fill[green!12] (A)--(D)--(E)--cycle;
\draw (A)--(B)--(C)--(D)--(E)--cycle;
\draw[blue,dashed] (A)--(C) (A)--(D);
\node[above] at (A) {$A$};
\node[right] at (B) {$B$};
\node[below right] at (C) {$C$};
\node[below left] at (D) {$D$};
\node[left] at (E) {$E$};
\node at (1.5,1.6) {$1$};
\node at (0,1) {$2$};
\node at (-1.5,1.6) {$3$};
\end{tikzpicture}
</script>
コピー用のTikZ例は、TikZJaxのCSSとスクリプトを読み込んだHTMLページへ貼り付けて使う。script の type="text/tikz" が図の描画を指定する。数式用の \( ... \) の中へは貼り付けない。
平行線の例は上図の角の配置を前提にしている。外角の例では、\( B \)、\( C \)、\( D \) がこの順に一直線上にあることを併記する。正多角形の式では、\( n \) は3以上の整数である。記号だけをコピーせず、条件も合わせて使おう。

練習問題

  1. 二直線が交わり、一つの角が \( 68^{\circ} \) だった。対頂角と、一直線上に隣り合う角の大きさを求めよ。
  2. 上の平行線の図で \( b=72^{\circ} \) のとき、\( a \)、\( d \)、\( f \) を求め、それぞれの理由を述べよ。
  3. 二直線に別の直線が交わり、一組の錯角がどちらも \( 55^{\circ} \) だった。元の二直線について何がいえるか。
  4. 三角形の二つの内角が \( 48^{\circ} \)、\( 67^{\circ} \) のとき、残りの内角と、それに隣り合う外角を求めよ。
  5. 凸七角形の内角の和を求めよ。また、一つの頂点から引く対角線の本数と、分かれる三角形の個数を答えよ。
  6. 正八角形の一つの内角と一つの外角を求めよ。
  7. 一つの外角が \( 24^{\circ} \) の正多角形は何角形か。一つの内角も求めよ。
  8. 頂点が \( B \) の角 \( ABC \) が \( 35^{\circ} \) であること、直線 \( l \) と \( m \) が平行であることを、それぞれ \( \TeX \)表記で書け。
解答と理由を表示
  1. 対頂角は \( 68^{\circ} \)。隣り合う角は \( 180^{\circ}-68^{\circ}=112^{\circ} \)。
  2. \( a=108^{\circ} \):\( a+b=180^{\circ} \)。\( d=72^{\circ} \):\( b \) と \( d \) は対頂角。\( f=72^{\circ} \):平行線の同位角、または \( d \) と \( f \) が錯角。
  3. 二直線は平行である。一組の錯角が等しいことは、平行になる条件である。
  4. 残りの内角は \( 180^{\circ}-48^{\circ}-67^{\circ}=65^{\circ} \)。外角は \( 48^{\circ}+67^{\circ}=115^{\circ} \)。
  5. \( (7-2)\times180^{\circ}=900^{\circ} \)。対角線は \( 7-3=4 \) 本、三角形は \( 7-2=5 \) 個。
  6. 外角は \( \displaystyle \frac{360^{\circ}}{8}=45^{\circ} \)。内角は \( 180^{\circ}-45^{\circ}=135^{\circ} \)。
  7. \( \displaystyle n=\frac{360^{\circ}}{24^{\circ}}=15 \) より正十五角形。内角は \( 180^{\circ}-24^{\circ}=156^{\circ} \)。
  8. \angle ABC = 35^{\circ}、l\parallel m。本文中ではそれぞれ \( ... \) で囲む。

学習指導要領上の位置づけ

2017年(平成29年)告示の中学校学習指導要領では、第2学年の「B 図形」で、平行線や角の性質、多角形の角の性質を扱う。図から性質を見いだし、平行線や角の性質を根拠に説明する力を育てる内容である。
小学校で調べた三角形や四角形の角の和を、中学校では根拠を示して説明し、一般の多角形へ広げる。測定で確かめることと、性質から必ず成り立つと説明することの違いが、次項の合同と証明につながる。\( \TeX \)表記は学習指導要領の必須内容ではなく、本連載で数学の説明を読みやすく整えるために学ぶものである。

次項:合同と証明の書き方(中学2年)

次項は 合同と証明の書き方(中学2年)。三角形の合同条件、仮定と結論、対応する頂点の順序を確かめ、理由を順につないで証明を書く。本項の平行線と角の性質も、角が等しいことを示す根拠として使う。

コラム:同位角、錯角の定義

同位角・錯角は、角の大きさではなく位置関係を表す名前である。異なる二つの直線を、もう一本の直線が異なる二点で横切る配置を考える。この配置なら、元の二直線が平行でなくても同位角・錯角の組を指定できる。ただし、三直線が一点で交わる場合など、交点が二つに分かれない配置はここでの定義の対象にしない。
同位角は、二つの交点で横切る直線の同じ側にあり、各交点で同じ位置を占める角である。錯角は、二つの直線の間にあり、横切る直線の反対側にある角である。次の図では \( a \) と \( c \) が同位角、\( b \) と \( c \) が錯角であり、\( a \) と \( b \) は対頂角である。
平行な場合:同位角 \( a=c=60^{\circ} \)、錯角 \( b=c=60^{\circ} \)
平行でない場合:\( a=b=60^{\circ} \)、\( c=40^{\circ} \)。同位角・錯角という位置関係は保たれる
平行でない図でも、\( a \) と \( c \) は同位角、\( b \) と \( c \) は錯角である。しかし \( 60^{\circ}\ne40^{\circ} \) なので、角の大きさは等しくない。位置関係の定義は平行かどうかに依存せず、角が等しいという性質は平行という条件を必要とする。
逆に、異なる二点で横切るこの配置で、一組の同位角または錯角の大きさが等しければ、元の二直線は平行である。「たまたま同位角だけが等しい非平行な二直線」があるわけではない。対頂角 \( a=b \) は、平行という条件がなくても等しいことも併せて確かめよう。

コラム:スリッパの法則

三角形の一辺を延ばした図が、横から見たスリッパに似ていることから、三角形の外角の定理を「スリッパの法則」と呼ぶことがある。外角は、隣り合わない二つの内角の和に等しいという性質である。
次の図では、\( B \)、\( C \)、\( D \) がこの順に一直線上にある。\( \angle ABC=\alpha \)、\( \angle BAC=\beta \)、外角 \( \angle ACD=x \) とすると、\( x=\alpha+\beta \) である。赤い弧の角が外角、青と橙の弧の角が足す二つの内角である。
外角 \( x \) は、隣り合わない内角 \( \alpha \) と \( \beta \) の和
なぜ成り立つのか。\( C \) の内角を \( \gamma \) とすると、三角形の内角の和から \( \alpha+\beta+\gamma=180^{\circ} \)。一直線上の角の和から \( x+\gamma=180^{\circ} \)。どちらも同じ \( \gamma \) を引くと、\( x=180^{\circ}-\gamma=\alpha+\beta \) となる。
例えば、隣り合わない二つの内角が \( 50^{\circ} \) と \( 65^{\circ} \) なら、外角は \( 115^{\circ} \)、それに隣り合う内角は \( 65^{\circ} \) である。名前や形だけを暗記せず、どの角が外角で、どの二つの内角を足すのかを図で確認しよう。

コラム:外角の和は一周分

凸多角形の辺に沿って一周歩く場面を考えよう。各頂点で次の辺の方向へ曲がる角が外角である。同じ向きに曲がり続けて元の辺へ戻ると、向きは一周分、すなわち \( 360^{\circ} \) 変わる。
内角の和の公式からも、このことを導ける。凸 \( n \) 角形の一つの頂点から対角線を引くと、\( n-2 \) 個の三角形に分かれる。各三角形の角を合計すると元の多角形の内角をちょうど一回ずつ数えるので、内角の和 \( S \) は次の式になる。
\[ S=(n-2)\times180^{\circ} \]
本文の五角形の分割図では、三角形が3個だから \( S=3\times180^{\circ}=540^{\circ} \) となる。次の図では、各頂点の内角を \( i_1,\ldots,i_5 \)、進む向きを変える外角を \( e_1,\ldots,e_5 \) とした。破線は、直前の辺をまっすぐ進んだ場合の延長であり、赤い弧はそこから次の辺へ曲がる角を示す。
各頂点で \( i_k+e_k=180^{\circ} \)。外角を一つずつ同じ向きに足す
各頂点で内角と外角の和は \( 180^{\circ} \) である。頂点が \( n \) 個あるので、内角の和 \( S \) と外角の和 \( E \) を合わせると \( n\times180^{\circ} \)。ここから内角の和を引けば、外角の和の公式が得られる。
\[ \begin{aligned} E&=n\times180^{\circ}-S\\ &=n\times180^{\circ}-(n-2)\times180^{\circ}\\ &=360^{\circ} \end{aligned} \]
正多角形では外角がすべて等しいため、一つの外角は \( \displaystyle \frac{360^{\circ}}{n} \)、一つの内角は \( \displaystyle 180^{\circ}-\frac{360^{\circ}}{n}=\frac{(n-2)\times180^{\circ}}{n} \) になる。正六角形なら外角は \( 60^{\circ} \)、内角は \( 120^{\circ} \)。一般の凸多角形でも外角の和は同じだが、一つずつの外角が等しいとは限らない。

コラム:星型多角形

凹んだ図形や辺が交差する図形では、まず「どの角の和を求めるのか」を決める必要がある。ブーメラン型の凹四角形は辺が交差しない四角形、ここで扱う星型5角形は五つの外側の頂点を一つおきに結んだ五芒星である。形が違うので、角の数え方も分けて考えよう。
ブーメラン型の凹四角形では、凹んだ頂点 \( D \) の小さい角 \( x \) と、図形の内側の角 \( \omega \) を区別する。図形の内角は \( 180^{\circ} \) より大きい \( \omega=360^{\circ}-x \) であり、小さい角 \( x \) ではない。
小さい角 \( x \) と凹頂点の内角 \( \omega=360^{\circ}-x \) は異なる
補助線 \( BD \) で三角形 \( ABD \) と \( BCD \) に分けると、二つの三角形の内角の合計は \( 360^{\circ} \)。\( B \) の二つの角を合わせれば \( \beta \)、\( D \) の二つの角を合わせれば \( \omega \) になるので、凹四角形でも四つの内角の和は \( 360^{\circ} \) である。
\[ \begin{aligned} \alpha+\beta+\gamma+\omega&=360^{\circ}\\ \alpha+\beta+\gamma+(360^{\circ}-x)&=360^{\circ}\\ x&=\alpha+\beta+\gamma \end{aligned} \]
したがって、凹みの小さい角は、残りの三つの内角の和に等しい。例えば、その三つが \( 25^{\circ} \)、\( 100^{\circ} \)、\( 25^{\circ} \) なら、\( x=150^{\circ} \)、凹頂点の内角は \( \omega=210^{\circ} \) となる。
星型5角形の先端の角では、先端五つの角を \( \alpha,\beta,\gamma,\delta,\varepsilon \) とする。外側の頂点は周囲に沿って \( A,B,C,D,E \) の順に並ぶが、星の線は \( A\to C\to E\to B\to D\to A \) の順に結んでいる。\( P \) を \( AC \) と \( EB \) の交点、\( Q \) を \( AD \) と \( EB \) の交点として、上側の三角形 \( APQ \) に注目する。
色を付けた三角形 \( APQ \) の内角を、五つの先端角へ置き換える
三角形 \( CPE \) を見ると、\( P \) の外角 \( \angle APQ \) は \( C \) と \( E \) の内角の和なので、\( \angle APQ=\gamma+\varepsilon \)。同様に、三角形 \( BQD \) の \( Q \) の外角は \( \angle AQP=\beta+\delta \) である。三角形 \( APQ \) の内角の和へ代入すると、次の式が得られる。
\[ \begin{aligned} \alpha+\angle APQ+\angle AQP&=180^{\circ}\\ \alpha+(\gamma+\varepsilon)+(\beta+\delta)&=180^{\circ}\\ \alpha+\beta+\gamma+\delta+\varepsilon&=180^{\circ} \end{aligned} \]
五芒星の先端五つの角の和は \( 180^{\circ} \) であり、中央の五角形の内角や線の交点の角を足すのではない。図は左右対称の正五芒星だが、上の説明は、外側の五頂点が凸五角形を作り、それらを一つおきに結ぶ配置なら、先端の角がそろっていなくても成り立つ。正五芒星では先端がすべて等しいので、一つは \( \displaystyle \frac{180^{\circ}}{5}=36^{\circ} \) である。
星の線を \( A\to C\to E\to B\to D\to A \) とたどると、進む向きは一周の間に二回転する。先端での曲がる角の合計は \( 5\times180^{\circ}-180^{\circ}=720^{\circ} \) となる。辺が交差する星へ、凸多角形の「外角の和は一周分」という説明をそのまま当てはめないことにも注意しよう。

参考サイト

(この項おわり)
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