SL人吉に乗ってノスタルジックな九州旅行

1922年製造の8620形蒸気機関車が牽引
SL人吉
2022年8月15日 玉名駅 写真:こぱふぅ
SL人吉は、JR九州が運行する臨時快速列車である。1922年(大正11年)製造の 8620形蒸気機関車 58654号機を使って客車を牽引する。老朽化のため、2024年(令和6年)3月23日に引退した。
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SL人吉
2022年8月15日 熊本駅 写真:パパぱふぅ
58654号機は、当初、長崎本線に入線し、その後、九州各地で活躍。1949年(昭和24年)には唐津線に入り、1961年(昭和36年)にお召し列車を牽引した。1968年(昭和43年)に人吉機関区に転属してからは、お召し列車を牽引した。

1975年(昭和50年)3月9日に、のべ300万kmを走行し引退。廃車となり、人吉市SL展示館に展示された。
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SL人吉
2022年8月15日 熊本駅 写真:こぱふぅ
1989年(昭和64年)の門司港開港100年と九州鉄道100年の記念イベントにあわせ、1988年(昭和63年)に復元され、8月28日から快速「SLあそBOY」として営業運転を開始した。

また、人吉市との関係が深いことから、10月9日から、年間数日程度、熊本駅~人吉駅間で「SL人吉号」として運行を始めた。

しかし車体の老朽化が進んでおり、2005年(平成17年)3月の市運転中に故障を起こして修復不能となり、「SLあそBOY」「SL人吉号」はいったん運行終了となる。
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SL人吉
2022年8月15日 熊本駅 写真:こぱふぅ
故障した58654号機は約4億円をかけて小倉工場で修復され、客車をリニューアルし、2009年(平成21年)4月25日から「SL人吉」として運行を再開した。

8620形蒸気機関車は、小型で急行が牽引可能な汎用性のある蒸気機関車として設計された。全長16.77メートル、全高3.78メートル、機関車重量48.8トン、炭水車重量34.5トン、動輪径1.6メートル。最高速度は90km/h。1914年(大正3年)から1929年まで672両が製造され、その後の国鉄の標準デザインとなった。
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SL人吉
2022年8月15日 熊本駅 写真:こぱふぅ
SL人吉は、3月から11日までの金・土・日曜日・祝日および夏休み期間中に、1日1往復運行する。午前中に熊本駅を出発して昼間に人吉駅に到着し、午後に人吉駅を出発して夕方に熊本駅に到着するダイヤとなっている。全車座席指定席。
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SL人吉
2022年8月15日 鳥栖駅 写真:こぱふぅ
2021年(令和3年)5月1日から、鹿児島本線の熊本駅鳥栖駅間で、土休日限定で1日1往復運行している。この日乗ったのは、こちらの列車である。熊本~鳥栖は普通列車で約2時間かかるが、SL人吉だと約2時間半――肥薩線のダイヤが空いていることを逆手にとって、観光列車として活躍している。

SL+客車3両+DLの合計5両編成だが、鳥栖駅に転車台がないため、上り熊本発鳥栖行き列車はSLが牽引し、下り鳥栖発熊本行き列車はDLが牽引する。
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SL人吉
2022年8月15日 鳥栖駅 写真:こぱふぅ
SL人吉のヘッドマークは、黒バックに金文字装飾の力強く重厚なもので、SLらしさを前面に押し出している。鹿児島本線と肥薩線の両方がローマ字で刻まれている。
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SL人吉
2022年8月15日 玉名駅 写真:こぱふぅ
熊本駅発車時には、景気よく煙を吐いていた。

2011年(平成23年)9月には、アニメ『鬼滅の刃』とのコラボレーション企画として、無限列車として博多駅に乗り入れた。
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SL人吉
2022年8月15日 熊本駅 写真:こぱふぅ
運転席。
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SL人吉
2022年8月15日 玉名駅 写真:こぱふぅ
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SL人吉
2022年8月15日 熊本駅 写真:パパぱふぅ
釜の火が見える。
石炭搭載量は6トン。出力は558kW。現在の 817系電車の編成(4両)出力が600kWであるから、これよりやや小さい数字だ。
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SL人吉
2022年8月15日 玉名駅 写真:こぱふぅ
58654号機は全面改修したとはいえ故障リスクを低減するため、反対側にDE10形ディーゼル機関車1638号が接続しており、補機として活躍している。
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2022年8月15日 熊本駅 写真:こぱふぅ
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SL人吉
2022年8月15日 玉名駅 写真:こぱふぅ
50系客車は、地方都市圏の通勤・通学時間帯の普通列車用として、1977年(昭和52年)から1982年まで953両を製造した。
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SL人吉
2022年8月15日 玉名駅 写真:こぱふぅ
SL人吉に導入される際、水戸岡鋭治 (みとおか えいじ) のデザインによるリニューアル工事が実施された。車体は地色が黒色一色となり、水戸岡鋭治お得意のロゴをちりばめた外装になっている。
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SL人吉
2022年8月15日 写真:こぱふぅ
1号車と3号車にはキッズスペースが、2号車にはビュッフェがある。
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SL人吉
2022年8月15日 写真:こぱふぅ
SL側の展望ラウンジ。
高級感あふれるローズウッドに包まれ、流れゆく景色を見ながら贅沢な一時を過ごすことができるだろう。
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SL人吉
2022年8月15日 写真:こぱふぅ
DL側の展望ラウンジ。
上品な白木、メープルウッドをふんだんに使っており、ベンチに腰掛けて、流れゆく景色を見ながら語らうことができるだろう。
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SL人吉
2022年8月15日 写真:こぱふぅ
木の温もりが感じられるクラシカルな車内にボックスシートが設置されている。
シートは、号車や場所によってデザインや材質が異なる。
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2022年8月15日 写真:こぱふぅ
乗車した1号車の座席は、黒色の皮シートだ。
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2022年8月15日 写真:こぱふぅ
1号車。
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2022年8月15日 写真:こぱふぅ
車内

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2022年8月15日 写真:こぱふぅ
2号車のビュッフェ。
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2022年8月15日 写真:こぱふぅ
1号車の非常口。非常口も格好良くデザインされている。
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2022年8月15日 写真:パパぱふぅ
人吉名物の球磨焼酎アイスを購入。武家蔵と同じ通り沿いにある焼酎蔵・繊月酒造 (せんげつしゅぞう) で造られた「峰の露」を甘く味付けしてシャーベットにしたものと、地元で取れた新鮮な牛乳を使ってアイスクリームにしたもとを一つにまとめたアイスだ。アルコールは1%未満で、お酒に弱い人でも大丈夫。
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2022年8月15日
車内では記念乗車券にスタンプを押すことができる。
また、アテンダントが手持ちのカメラを使って記念写真の撮影に応じてくれる。
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SL人吉 関連

参考サイト

(この項おわり)
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