西武鉄道「Laview」は、いままでに見たことのない車両

メタリックなボディに風景が映り込む
Laview - 西武鉄道001系
2022年4月2日 横瀬駅~芦ヶ久保駅間 写真:こぱふぅ
西武鉄道の001系Laview (ラビュー)  と呼ばれ、10000系 ニューレッドアローに代わる新型特急用電車である。2019年(平成31年)3月16日にデビューした。
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Laview - 西武鉄道001系
2023年2月10日 東吾野駅付近 写真:こぱふぅ
次の100年に向けた出発点である車両」であることを表現するため、100年を逆から表し「001」表記とし、「00」には「∞(無限)」の可能性の意味も込め「001系」としたという。
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Laview - 西武鉄道001系
2023年2月10日 武蔵横手駅~東吾野駅間 写真:こぱふぅ
現在、ニューレッドアローで22~25分を要する池袋~所沢駅間を、最速19分で結ぶ。2020年(令和2年)までに7編成56両が製造され、ニューレッドアローを置き換えた。
2019年(平成31年)にキッズデザイン賞グッドデザイン金賞を、2020年(令和2年)にiFデザインアワード、鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した。
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2023年2月10日 東吾野駅付近 写真:こぱふぅ
Laview とは
 L - 贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間
 a - 矢(arrow)のような速達性
 view - 大きな窓から移りゆく眺望(view)
の頭文字である。

丸みを帯びた前面は貫通扉を唱えており、地下鉄直通が考慮されている。また、前照灯(前部標識灯)の周囲にはイベント時などに「スマイル」を演出するために環状のLEDが取り付けられている。
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2019年4月30日 所沢駅 写真:こぱふぅ
制御装置は三菱電機製のSiC-MOSFET素子適用パワーモジュールを用いたPGセンサレスベクトル制御(純電気ブレーキ対応)の2レベルVVVFインバータ制御装置を採用した。1台の制御装置に主電動機の4台並列接続を1ユニットとし、これを2ユニット並列接続した1C4M2群構成としている。。

補助電源装置はIGBT素子を使用した東洋電機製造製の待機2重系静止形インバータ(SIV・定格出力260 kVA)を編成で2台搭載している。
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2019年4月30日 西武秩父駅 写真:こぱふぅ
台車は川崎重工業のボルスタレス台車が採用された。軸ダンパ付きの軸梁式で、T車がKW-218T、M車がKW-217Mを使用している。両先頭車には動揺防止装置を取付け、中間車も準備工事がされている。

主電動機は三菱電機製の全密閉式三相かご形誘導電動機(MB-5160-A)を使用している。
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2019年2月9日 小手先車両基地 写真:こぱふぅ
営業運転に入る前、小手先車両基地で待機している Laview。このあと、2月14日に報道公開が行われた。
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2019年2月9日 小手先車両基地 写真:こぱふぅ
建築家の妹島和世 (せじま かずよ) 氏が監修し、外観・内観ともに「いままでに見たことのない車両」をめざした。アルミ素材の車体はメタリックの塗装が施されており、風景が映り込むよう工夫されている。

8両編成で、編成定員は422人。最高速度は120km/h。
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2019年4月30日 西武秩父駅 写真:こぱふぅ
前面窓は曲線半径1,500mmの三次元の曲面ガラスを採用した。球面ガラスの車両は日本初だという。

この球面に対応するため、フランス製の特殊なワイパーを採用した。
また、地下鉄直通を想定し、前面に貫通扉を備えている。
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2019年4月30日 西武秩父駅 写真:こぱふぅ
都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込むデザインを実現するため、大日本塗料が開発しためっき調シルバー塗料「スーパーブライトNo.2000」で塗装されている。光を適度に反射し、風景を車体に映すことができる。
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Laview のロゴ。

世界的なデザイン賞であるドイツの iFデザイン賞2020 を受賞した。国内の鉄道車両としては、5000形 VSE以来、13年ぶりの受賞。
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シートは、西武鉄道カラーの黄色。トイレの壁なども黄色に統一されている。
客室窓は縦1350mmもある大きなもので、とても見通しがよい。着席した状態で膝のあたりまで窓ガラスがある。床にはダークグレーの人造大理石が敷き詰められている。
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Laview - 西武鉄道001系
2019年4月30日 西武秩父駅 写真:こぱふぅ
外から見ると客室窓の大きさがよく分かる。
駅などで覗かれないように、シートの肘掛けが板状になっており、真横から腰より下を見ることはできないようになっている。また、窓ガラスには半透明の水玉模様があり、窓ガラスのフチに近づくほど水玉の数が多く、不透明になる。
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各座席には電源コンセント(AC100V)を設置し、従来の大型「背面テーブル」と、向かい合わせに座席を転換しても使用できる「インアームテーブル」も設置した。
あたたかな黄色配色を基調とした座席シートが並ぶ。
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Laview - 西武鉄道001系
シートはいままでの特急にはない身体をやさしくつつみ込むソファーのようなデザインとし、背丈サイズに合わせて調節できる手動式可動枕を設置。乗客それぞれが自分の時間を持てる新しいパブリックスペースを目指した。すべての車両で「SEIBU FREE Wi-Fi」が利用できる。

連結部上部には23インチの液晶ディスプレイが2面設置されており、停車駅の案内や、ニュース・天気予報を表示する。また、一部の区間では車載カメラによる走行中の前方映像を上映する。
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Laview - 西武鉄道001系
トイレは、清潔で安心して利用できる設備を配置。仕事帰りやレジャーなど、着替えができるようチェンジングボードや、扉の裏側には鏡(姿見)が設置されている。
1号車にある多目的トイレはオストメイト対応型とし、車椅子でも使いやすいように広いスペースを確保した。また、ベビーベッドやベビーチェアも設置し、子ども連れでも安心して利用できる。
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パウダールームは、ゆったりと利用できる作りになっている。化粧のしやすい拡大鏡や姿見、ハンドドライヤー、コンセントなども用意し、幅広いニーズに対応する。
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連結部分
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参考サイト

西武線 関連
(この項おわり)
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