NTT技術史料館では日本の電話・ネットワーク史の実物を展示

2024年3月31日 撮影
NTT技術史料館
NTT技術史料館
NTT技術史料館(東京都武蔵野市緑町3-9-11)は2000年(平成12年)11月に開館したNTTの企業博物館で、2013年(平成25年)に閉館した逓信総合博物館内の「NTT情報通信館」より継承した展示物を含め、日本の通信技術の歴史を学ぶことができる。
NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1920×1245 ピクセル, 887 Kbyte)
NTT技術史料館
NTT技術史料館
一般公開は、毎週木・金曜日の午後。入館無料。
むさしの市民公園を散歩がてらに立ち寄ってみてはいかが。家族連れでも楽しめるし、この業界を目指す学生諸氏は見落とせないスポットだ。
NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1920×1280 ピクセル, 1456 Kbyte)
銀座最後の電柱 - NTT技術史料館
銀座最後の電柱
写真は、日本の電話70周年の記念日である1966年(昭和41年)12月16日に銀座並木通りから撤去された木製電信柱。
撤去後に、電話線は電気・上下水道・ガスとともに地下共同溝にて管理するようになった。

翌1967年12月に、都電銀座線が廃止され、明治100年記念大銀座祭が催され、銀座の街は大きく生まれ変わった。
銀座最後の電柱 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1480×1920 ピクセル, 1117 Kbyte)
デルビル磁石式壁掛け電話機 - NTT技術史料館
デルビル磁石式壁掛け電話機
デルビル磁石式壁掛け電話機は、1896年(明治29年)7月に登場した。それまでのガワーベル送話器が炭素棒を使っていたのに対し、デルビルは炭素粒にして接触点の数を増やすことで感度が高まった。
木箱の中に磁石発電機、磁石電鈴、誘導線輪などの附属品が入っており、一次電池はそのすぐ下にテーブルのように取り付けた別の木箱の中にレクランシー電池二個が入っている。

電話をかけるときは、磁石発電機のハンドルを回して電話局へ信号を送り、電話局からは自動変極器からの交流を加入者に送り、加入者電話機のベルを鳴らした。
デルビル磁石式壁掛け電話機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1355×1920 ピクセル, 1183 Kbyte)
41号M型磁石式電話器 - NTT技術史料館
41号M型磁石式電話器
41号M型磁石式電話器は、日本電信電話公社が1967年(昭和42年)に製造開始したもので、ハンドルを回してオペレーターを呼び出す。
41号M型磁石式電話器 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1600×1603 ピクセル, 713 Kbyte)
4号自動式卓上電話機 - NTT技術史料館
4号自動式卓上電話機
4号自動式卓上電話機は、日本独自の技術開発により1950年(昭和25年)に誕生した。音響部分を徹底的に改良し、当時の最先端とも言える優秀な通話品質を実現することで、戦後復興期の社会活動を支えた。流線形のデザインも特徴だ。
4号自動式卓上電話機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1920×1538 ピクセル, 1019 Kbyte)
大型赤公衆電話機 - NTT技術史料館
大型赤公衆電話機
大型赤公衆電話機は1966年(昭和41年)に登場。
ダイヤルによる自動即時通話が全国に広がり、距離と時間による料金制度が行われたことで、10円硬貨が6枚まで入る公衆電話機として開発された。長距離ほど短く短距離ほど長い間隔で交換機から送られる信号で、硬貨が収納された。
従来の赤電話機より背が高く、「ダイヤル市外用」と書いた金色のベルトが巻かれているのが特徴。
大型赤公衆電話機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1534×1920 ピクセル, 1367 Kbyte)
カード式公衆電話機 - NTT技術史料館
カード式公衆電話機
カード式公衆電話機は1982年(昭和57年)に登場した。それまでの公衆電話では100円を入れたときにお釣りが出なかったが、プリペイドカード(テレホンカード)を使うことで、通話料金だけ差し引くことができるようになった。電子交換機のサービス機能と高額が扱えるカードの便利さもあって、公衆電話からの国際通話が普及したが、偽物のテレホンカードが横行した。
カード式公衆電話機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1682×1920 ピクセル, 1197 Kbyte)
磁石式手動交換機 - NTT技術史料館
磁石式手動交換機
磁石式手動交換機は、1890年(明治23年)に登場した日本最古の交換機で、交換手の操作によって、2つの電話機を接続する。各電話機ごとに内蔵した乾電池から通話電流を供給して通話する方式だった。

この磁石式交換機は、1979年(昭和54年)に全国完全自動化にいたるまで、農村・山村などの小局用標準交換機としてひろく使用された。写真は1961年(昭和36年)に製造されたもの。
磁石式手動交換機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1280×1920 ピクセル, 873 Kbyte)
C400形クロスバ交換機 - NTT技術史料館
C400形クロスバ交換機
1926年(大正15年)に自動交換機であるステップ・バイ・ステップ交換機を輸入したが、市街通信の時には依然として交換台で手動で繋いでいた。
C400形クロスバ交換機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1920×1280 ピクセル, 1340 Kbyte)
C400形クロスバ交換機 - NTT技術史料館
C400形クロスバ交換機
戦後復興から高度成長へと向かい日本経済が成長していく過程で、電話需要が急速に増大していることを受け、電電公社は海外で開発され始めたクロスバ交換機を参考にしながら、独自のC400形クロスバ交換機を完成させる。
1978年(昭和53年)には、加入電話の積滞解消により「すぐつく電話」、1979年(昭和54年)には全国自動即時化により「すぐつながる電話」を実現した。また、プッシュホンの実用化と組み合わせ、短縮ダイヤル・転送などの新サービスも提供可能となり、国民生活の利便性を飛躍的に向上させるとともに、経済発展にも大きく貢献した。
2017年(平成29年)9月に国立科学博物館の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録された。
C400形クロスバ交換機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1280×1920 ピクセル, 1486 Kbyte)
D10形交換機 - NTT技術史料館
D10形交換機
D10形交換機は、プログラム制御方式の電子交換機で、それまでのクロスバ交換機に比べ小形化と大容量化を同時に実現した。
1964年(昭和39年)に研究開発に着手し、1972年(昭和47年)に東京銀座局など4局で実用サービスを開始した。その後、全国に展開した。
全国の加入者線交換機がすべてデジタル化される1997年(平成9年)までの四半世紀にわたり、電話サービスの担い手として活躍した。

2012年(平成24年)9月に国立科学博物館の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録された。
D10形交換機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1259×1920 ピクセル, 1049 Kbyte)
D60形ディジタル交換機 - NTT技術史料館
D60形ディジタル交換機
D60形ディジタル交換機は、交換機能すべて(制御部・通話路スイッチ部)のデジタル化を実現した交換機で、1982年(昭和57年)に導入がはじまった。電話局間をつなぐ中継用デジタル交換機として、交換機の小型化・収容数増の実現、ネットワークの大容量化・経済化に貢献した。

IBMの大型汎用機の影響を強く受けつつも、電話交換機に特化した命令セットを持つ32ビットの独自プロセッサを搭載し、マルチプロセスを実行できる。
ソフトウェアは、機能ごとに分割設計されたFB分割(Function Block)と呼ばれる開発手法を用いた。FBの規模は1000行から10万行で、1台のD60交換機に100~200個のFBを搭載する。
D60形ディジタル交換機 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1174×1920 ピクセル, 1028 Kbyte)
DT-PR200C - NTT技術史料館
DT-PR200C
DT-PR200Cは、D10号A自局内の保守運用を行うためのタイプライタ付加装置(プリンタ)だ。
DT-PR200C - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1920×1610 ピクセル, 1135 Kbyte)
保守工具 5号保工道具 - NTT技術史料館
保守工具 5号保工道具
電話線・ネットワークの保守には工具箱が欠かせない。手入れの行き届いた工具には見とれてしまう☺
保守工具 5号保工道具 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1920×1746 ピクセル, 1448 Kbyte)
海底通信ケーブル - NTT技術史料館
海底通信ケーブル
世界最初の海底通信ケーブルは、1851年(嘉永4年)に、英国人ブレッド兄弟によってドーバー海峡に敷設された。以後、英国を中心として世界海底ケーブル網が発達し、1871年(明治4年)にはデンマークの大北電信会社が、長崎~上海、長崎~浦塩間のケーブル2条をわが国に陸揚げした。
海底通信ケーブル - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1920×1190 ピクセル, 832 Kbyte)
海底通信ケーブル中継器 - NTT技術史料館
海底通信ケーブル中継器
現在、海底通信ケーブルは光ケーブルとなっているが、約100kmごとに中継器が設けられ、信号を増幅している。中継器は、最大水深8,000メートルの深海で故障なく作動する必要があることから、高い信頼性が要求される。
海底通信ケーブル中継器 - NTT技術史料館の大きな写真大きな写真
(1920×1280 ピクセル, 1017 Kbyte)
NTT武蔵野研究開発センタ
NTT武蔵野研究開発センタ
この日は1階と2階を回るのが精一杯で、まだまだ見ていない展示物が多い。

NTT武蔵野研究開発センタ(武蔵野通研)は、1948年(昭和23年)に発足した逓信省電気通信研究所を起原としている。
NTT武蔵野研究開発センタの大きな写真大きな写真
(1920×1280 ピクセル, 1347 Kbyte)

交通アクセス

【鉄道】
  • 西武新宿線「東伏見駅」南口より徒歩15分
【バス】
  • 三鷹駅北口から「北裏」か「武蔵関駅」か「田無橋場」行に乗車、「武蔵野市役所前」にて下車、徒歩5分
  • 三鷹駅北口から「NTT武蔵野研究開発センタ」行に乗車、「NTT武蔵野研究開発センタ」にて下車
行き方ナビ
出発地の最寄駅:

目的地:NTT技術史料館

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
header