2014年 印象に残ったニュース

2014年12月30日 作成

もくじ

消費税増税

消費税増税
2014年(平成26年)4月1日、消費税が5%から8%へ増税されました。
駆け込み需要と、それに続く消費の冷え込みがありましたが、雇用は増え、賞与も上がり、国の税収も増えました。
安倍政権は10%への増税は見送り、12月の衆院議員選挙で与党は圧勝しました。

STAP細胞

STAP細胞
2014年(平成26年)は、STAP細胞発見で始まり、その発見が否定されて終わりました。

1月、STAP細胞発見の報道に対し、安倍首相は「柔軟な発想で世界を驚かせる万能細胞を作り出した」と称賛し、海外の研究者からは「革命的だ」「また日本人科学者が成果」と称賛する声が上がりました。
2月、STAP細胞を作製した理化学研究所の小保方晴子さんは、過熱する報道に対し冷静さを求める「お願い」をWebサイトに掲載しました。報道対応に忙殺され、真実ではない報道もあり、「研究を遂行することが困難な状況に」なっているというもの。
その直後、小保方晴子さんらの研究チームの論文について、インターネット上で「不自然な画像データが使われている」と指摘があり、理化学研究所が調査を始めました。

3月、理化学研究所は、STAP細胞の論文の疑義についての中間報告を発表。野依理事長は「未熟な研究者が、膨大なデータをずさん、無責任に扱い、本来あるべきでないミスが起きた」と陳謝しました。

4月、小保方晴子さんは記者会見で謝罪し、「どうかSTAP現象が論文の体裁上の間違いで否定されるのではなく、科学的な実証・反証を経て、研究が進むことを何よりも望んでおります」とコメントを発表しました。
その後、代理人となった三木弁護士は「結論ありきで、とうてい承服できない。論文は取り下げない」と強い口調で語りました。

8月、理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長(52)が自殺しました。笹井さんは小保方さんの指導役で、STAP細胞論文の撤回に同意していました。
笹井さんの遺族が代理人弁護士を通じて遺書の概要を公表。「マスコミ等からの不当なバッシング、理研やラボへの責任から、疲れ切ってしまった」とする趣旨の記述があったといいます。

12月、理化学研究所の調査委員会は、「論文に載ったSTAP細胞がなかったことはほぼ確実」と結論を出しました。STAP細胞とされたものは、ES細胞の可能性が極めて高いとしています。調査委は小保方さんに実験データの提出を求めたが、ほとんど提出されなかったとのこと。
三木弁護士は、小保方さんは体調が悪く連絡を取りにくい状態だが、「小保方氏がES細胞を混入した可能性はないと考えている」と述べました。
STAP細胞検証実験の丹羽仁史・副チームリーダーは、「科学は性善説で共同研究者が出したデータは信じるもの。共同研究者が出したデータを信じず、一から自分の手で行った研究しかできないことが科学として望ましいかというと分からない」と語りました。
一方、相澤チームリーダーは小保方さんの実験環境が「犯罪人扱い」だったと振り返り、「科学のやり方ではない」と批判しています。
京都大の山中伸弥教授は、STAP細胞の問題について「この騒動から学んだことは、生データの保存の大切さだ」「なぜ、あのような論文が発表されてしまったのか不思議で、本当に理解できない」と語りました。

個人情報流出

個人情報流出
2014年(平成26年)も、ベネッセの事件を筆頭に、個人情報流出が止まりません。

1月、韓国でカード会社3社から顧客情報1億件余りを違法に収集し流出させたとして、信用情報会社「コリア・クレジット・ビューロー(KCB)」の次長らが起訴されました。金融業関連の個人情報流出事件としては韓国で過去最大規模だといいます。米国人弁護士マット・ダニエルは、「カード会社の個人情報流出事態の原因はシステムにあるのではない。人権意識が足りないから発生したのだ」と指摘しました。
2月、保守速報や2ちゃんねるまとめサイト「なんJ」の運営者の個人情報がネットに晒されました。

3月、無料ホームページレンタルサービス「@wiki」から、全ユーザ用の管理情報およびデータが流出しました。

4月、元従業員が、韓国サムスン電子の従業員など計2万5000人余りの個人情報を盗み出し、インターネット上にアップロードしました。

7月、ベネッセコーポレーションの顧客データベースから760万世帯分の個人情報が流出、名簿業者に渡ったと報じられました。その後の調査で流出件数は膨らみ、最終的に2700万件となりました。顧客データベースを管理する下請け業者の派遣SEが逮捕されました。

8月、全米で200以上の病院を展開するCommunity Health Systems社が不正アクセスを受け、患者約450万人の個人情報が流出した可能性があることを明らかにしました。

9月、多くの芸能人のヌード写真などがiCloudから盗まれ、画像掲示板に投稿されました。

誤報?記事捏造?

誤報?記事捏造?
2014年(平成26年)は、朝日新聞が報じた、従軍慰安婦を強制連行したとする「吉田証言」と、福島第一原発事故処理に関わる「吉田調書」の内容に誤りがあったことを認めました。誤報なのか、記事捏造なのか、議論が分かれるところです。
8月、朝日新聞が慰安婦の強制連行を説いた吉田氏の証言を虚偽と認め記事を取り消しました。9月には、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」も、慰安婦狩りに関わったとする故吉田清治氏の過去の記事を取り消し、謝罪しました。
安倍首相は、「朝日新聞が取り消した証言について、事実として報道されたことによって2国間関係に大きな影響を与えた」と語っています。一方、朝日新聞は、批判的な週刊新潮や週刊文集の広告掲載を拒否したり伏せ字にするなどしました。また、ジャーナリスト池上彰氏の連載が中止されるなどの騒動に発展しました。

9月、福島第一原発事故をめぐる政府の「吉田調書」について、朝日新聞は「所長命令に違反、原発撤退」と報じた記事の誤りを認め、謝罪しました。事故収束作業に従事し続けた東電協力会社社員は、「普通の人が逃げるところに俺たちは行ったんだよ? そんな連中が吉田昌郎所長の命令に違反して逃げるわけがない。朝日新聞の報道は当初から誤報だと思って黙殺していた」と憤ります。
一方、人民日報系の環球時報は朝日新聞の「慰安婦問題」に言及し、朝日新聞が「報道を撤回した後、日本の右翼メディアと政府関係者が朝日新聞に“深い反省”を要求した」などと伝えました。

9月、「中国の日本軍」の著者で元朝日新聞記者の本多勝一さんが、「南京大虐殺」派が使っていた象徴的写真を捏造写真であることを認めました。

11月、自民党が在京のテレビキー局各社に対し、衆院選の報道にあたって、「公平中立、公正の確保」を求める文書を送っていた。朝日新聞は「識者からは報道の萎縮を懸念する声も上がっている」と報じました。

日韓関係

韓国
2014年(平成26年)は、日韓関係を揺るがすニュースが次々と報じられました。

1月、伊藤博文が暗殺された中国ハルビンで、暗殺を実行した安重根の記念館が開館しました。菅官房長官は「安重根はわが国の初代首相を殺害し、死刑判決を受けたテロリストだと認識している」と批判しました。これに対して、韓国外務省報道官は「常識以下の言動であり、嘆かわしい」「伊藤博文こそ植民地支配と侵略を統括した元凶」とのコメントを発表しました
2月22日、島根県が「竹島の日」記念式典を開催し、亀岡偉民内閣府政務官が出席しました。韓国外務省は、在韓日本大使館の道上尚史総括公使を呼び抗議しました。

3月、韓国の朴槿恵大統領は従軍慰安婦問題について「歴史の真実は、生存者たちの証言だ。政治的な利害のためだけにそれを認めなければ孤立を招く」と語りました。
一方、韓国人の元日本軍慰安婦と支援団体代表らが、ベトナム戦争に参戦した韓国軍による「ベトナム人女性に対する性暴力や民間人虐殺」について、「韓国政府が真相を究明し、公式謝罪と法的責任をとるように」と訴えました。
また、大分県教職員組合が法に反し、韓国の「慰安婦」関連施設などを見学する旅行を募集していました。

6月、「韓国の国家情報院がLINEの通信を傍受している」との報道に、LINEの森川亮社長が「そのような事実はない」とブログで真っ向から反論しました。

7月、韓国政府が運営するソウルの「戦争記念館」で開催が予定されていた漫画「ONE PIECE」の展示会が、旭日旗に似たデザインが原作に登場することを理由に、取りやめになりました。

8月、金融庁は、韓国の国民銀行の東京、大阪支店に対し、一部業務の停止という厳しい処分を下しました。日本の銀行では考えられないような不正が次々と発覚したためでした。

9月、仁川アジア大会、バドミントン男子団体の日韓戦で、会場の空調が韓国側に有利となるように操作された可能性があるという指摘がなされました。日本のネットに「シャトルが風で戻される」証拠画像がアップされました。

10月、韓国のソウル中央地検は、朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして、産経新聞ソウル支局長を情報通信網法に基づく名誉毀損罪で在宅起訴しました。報道の自由を脅かす事態として、国際社会から批判が集中しています。

11月、韓国人が対馬市の寺に侵入し仏像を盗む事件が相次ぎました。
下村文科相が盗まれた仏像2体の返還を要請したことに対し、韓国は植民地時代などに朝鮮半島から持ち出された文化財の返還も一緒に議論する機関の設置を提案しました。

12月、韓国国会の外交統一委員会は、在日コリアンらに行われるヘイトスピーチをやめさせる具体的な措置を取るよう日本政府に求める決議を採択しました。ヘイトスピーチ団体として在特会を名指ししています。

韓国国内では、旅客船沈没や地下鉄事故で多数の死傷者を出し、クレジットカードなどの大規模規模個人情報流出が止まらず、12月には原子力発電所の情報も流出しました。ウォン高で経済状況が悪化し、12月には財閥役員による暴力が問題になりました。韓国司法当局は、インターネット上の政権批判に対する取り締まりを強めています。

日中関係

中国
2014年(平成26年)は、日中関係を揺るがすニュースが次々と報じられました。

2014年(平成26年)、観光目的で中国に入国した日本人が前年比35%減の51万人でした。日中関係の悪化や大気汚染の深刻化、鳥インフルエンザの発生などが影響したとみられています。
1月、中国ハルビン駅に伊藤博文を暗殺した安重根の記念館が開館したことについて、伊原純一アジア大洋州局長が中国、韓国の両駐日公使に、それぞれ電話で「日本の立場と相いれず大変遺憾だ」と抗議しました。

4月、中国外務省報道官は、菅官房長官が中国の習近平国家主席の南京事件をめぐる発言を批判したことについて、「日本には侵略を美化する風潮が出ており、世界に警戒感を引き起こしている」として強い抗議をしました。

4月、中国の裁判所が戦後補償をめぐる損害賠償訴訟で商船三井の貨物船を差し押さえたことを受け、政府は1972年(昭和47年)の日中共同声明の精神に反するとして、外交ルートを通じて中国に遺憾の意を伝えました。

7月、中国紙「重慶青年報」が「日本は再び戦争をしたがっている」というタイトルが付いた全面広告の中で、広島と長崎から原子爆弾のきのこ雲が上がる日本地図を掲載したことに対し、岸田外相は厳しく批判しました。これに対し、人民日報系の環球時報は「滑稽すぎる」との見出しを付けた社説を掲載しました。

7月、上海福喜食品が品質期限切れ鶏肉などの加工食品を納入していたことが発覚しました。納入先は、マクドナルド、KFC、ピザハット、スターバックス、パパ・ジョンズ・ピザ、吉野家、フライデーズ、バーガー・キング、サブウェイ、イケア、ドミノ・ピザなど。

10月、小笠原諸島や伊豆諸島近海に中国漁船が大挙して押し寄せ、サンゴ密漁が行われました。衝突などを恐れて漁を控える漁船が相次ぎ、海上保安庁が取り締まりを強化しました。

12月、中国の南京大虐殺記念館で追悼式典が開かれた。中国は今年からこの日を「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」と定め、式典には習近平国家主席が参列しました。習氏は南京事件を「30万人の同胞が殺害された」「侵略の歴史を顧みない態度や、美化する言論に強く警戒し、断固反対しなければならない」と演説しました。

中国国内では、都市部の大気汚染が深刻で、シャッドーバンキングが債務不履行に陥る事件が相次いでいます。また、当局がオピニオンリーダーへ圧力を加え、中国版Twitterとも言われる「微博」のユーザーが半年間で5000万人も減りました。中国新疆ウイグル自治区の暴動が断続的に続いており、香港では学生らによるデモが長引き、治安維持費は国防費と同程度の規模に膨らみました。

ビットコイン騒動

ビットコイン
2014年(平成26年)2月、仮想通貨「ビットコイン」の最大取引所「マウントゴックス」(東京)が取引停止し、アメリカでは集団提訴になるなど、騒動が広がりました。
3月、マウントゴックスのマルク・カルプレス社長は、問題発覚後初めて公の場に姿を現し、「申し訳ない」と謝罪はしたものの、ハッキングでの刑事告訴を検討するなど被害者であることも強調しました。
一方、警視庁関係者は「28億円もの不正送金被害は確認しておらず、マウント社が被害者とはかぎらない」とコメントしました。
政府は、ビットコインを通貨とは認めず「モノ」として取り扱い、取引で発生する売買益などは課税対象になるとの見解を固めました。日銀総裁も「通貨に必要とされる性質を備えていない」との見解を示しました。
アメリカでは、FBIが昨年強制的に閉鎖した世界最大の闇サイト「シルクロード」が、別の運営者により再開され、不正アクセスで盗まれたビットコインが悪用される可能性が懸念されています。

4月、マウント・ゴックスの関連会社が、アメリカで無認可で送金を繰り返し、アメリカ政府に500万ドルを差し押さえられていたことが明らかになりました。

9月、アメリカで、JavaScriptで実装されたビットコイン採掘プログラムを開発した学生らが、消費者詐欺とコンピュータの不正アクセスの疑いで当局から出頭を要請されました。電子フロンティア財団が撤回を求めて上級裁判所へ申請するなどの騒動に発展しています。

エボラ出血熱

エボラ出血熱
2014年(平成26年)3月、ギニア南部でエボラ出血熱の流行が確認しました。西アフリカを中心に、12月までに、死者7500人以上、感染者約2万人となり、流行が止む気配がありません。
すぐさま流行地域を隔離する施策がとられましたが、隔離された感染地域で約100万人が食糧難に陥る恐れがあるとされています。
9月、WHOはエボラ出血熱による死者が2000人を超えたと発表しました。

10月、富士フイルムは、エボラ出血熱に効果があるとされる抗インフルエンザ薬「アビガン」の追加生産を決定しました。さらに、米ワクチン受託製造メーカー「ケイロン・バイオセラピューティクス」を買収しました。
10月27日、リベリアに滞在したあと羽田空港に到着した男性が発熱の症状を訴え、国立国際医療研究センターに搬送された。エボラウイルスは陰性でした。年末までに4人の患者が検査を受けましたが、いずれも陰性でした。

11月、WHOはエボラ出血熱の感染者が1万4413人、死者が5177人になったと発表しました。

12月、富士フイルムは、エボラ出血熱の治療薬候補として注目される「アビガン」について、中国医薬品大手「四環医薬」が模造薬を製造している可能性があると明らかにしました。特許侵害が確認されれば、提訴も視野に入れるとしています。

物故者

やしきたかじん
タレント、歌手、テレビ司会者。享年64歳。関東のテレビで見かけることはありませんが、劇場版『機動戦士ガンダム』の主題歌が印象に残ります。
小野田寛郎
元日本軍少尉。享年91歳。フィリピン・ルバング島に30年間潜伏を続け、帰国時に敬礼した軍服姿が印象に残ります。
永井一郎
声優。享年82歳。ガンダムのナレーションは印象に残ります。
周富徳
炎の料理人。享年71歳。「料理の鉄人」が印象に残ります。
渡辺淳一
作家。享年80歳。「遠き落日」「失楽園」が印象に残ります。
ダニエル・キイス
作家。享年86歳。「アルジャーノンに花束を」が印象に残ります。
仲村秀生
声優。享年79歳。島大介が印象に残ります。
龍虎
元小結、タレント。享年73歳。
高倉健
俳優。享年83歳。。デューク東郷のイメージが忘れられません。
菅原文太
俳優。享年81歳。
納谷六朗
声優。享年82歳。。くみちょー(園長先生)が印象に残ります。
山内久司
テレビプロデューサー。享年82歳。「必殺仕掛人」は名作です。
川北紘一
映画特技監督。享年72歳。映画「ゴジラvsキングギドラ」などの平成ゴジラシリーズ6作はすべて見ています。
生方恵一
元NHKアナウンサー。享年81歳。紅白のは名言・迷言を含めて記憶に残っています。
(この項おわり)
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