ゲーム依存・ネット依存 2021年版

2021年2月21日 作成
ゲーム障害
WHO(世界保健機関)による国際疾病分類の最新版 ICD-11(2022年適用)にゲーム障害(gaming disorder)が加わりました。

  1. 新型コロナとネット依存
  2. 参考サイト
【臨床的特徴】
  • ゲームのコントロールができない。
  • 他の生活上の関心事や日常の活動よりゲームを選ぶほど、ゲームを優先。
  • 問題が起きているがゲームを続ける、または、より多くゲームをする。
【重症度】
  • ゲーム行動パターンは重症で、個人、家族、社会、教育、職業やほかの重要な機能分野において著しい障害を引き起こしている。
【期間】
  • 上記4項目が、12ヵ月以上続く場合に診断する。しかし、4症状が存在し、しかも重症である場合には、それより短くとも診断可能。

新型コロナとネット依存

ネット依存患者のオンライン行動の変化
新型コロナウイルスに伴う一斉休校や外出自粛の影響で、ゲーム依存・ネット依存患者の症状が悪化しており、巣ごもりで昼夜逆転などがひどくなった人が多いそうです。
日本中から患者が集まる国立病院機構 久里浜医療センターが、2020年(令和2年)2月と5~6月の休校前後で患者80人に調査した結果、オンラインゲームやネット、スマートフォンの平均利用時間は各2~3時間ほど増えていました。
学校の授業がオンラインになったせいでゲーム依存が再発したという高校生もいます。
ゲーム障害患者が抱える様々な問題
依存になりやすいリスク要因としては――
  • 親からの遺伝
  • ゲーム開始年齢の早さ
  • 対人関係のつまずき
  • 発達障害
  • 友人のいない孤独感
  • ひとり親家庭
――などがあるといいます。
タカハシクリニック(東京都大田区蒲田4-29-11)では、16歳以上を対象にしたネット依存治療プログラムを行っています。依存の根本には親子関係などの生きづらさが隠れている。本人だけの問題にせず、保護者も一緒に向き合うのが回復の近道だそうです。
ゲーム機器を取り上げたりネットを遮断するのは反発や対立を招くだけで、本人と話し合いながら、可能な範囲で少しずつ使用時間を減らしていく「節ゲーム」を提唱しています。
新型コロナウイルスによる一斉休校や外出自粛の影響で、ネット依存の疑いがある小中高校生が急増しているという。
大阪府の調査によると、小4~高3でネット依存の疑いがある児童・生徒の割合を比べた。有効回答数は2019年(平成31年)が1万4597人で、2020年(令和2年)は1万9783人。その結果、小学生は10.2%から13.7%に、中学生は15.3%から18.9%に、高校生も19.3%から28.5%と軒並み上昇していた。
学年では高校3年(男女)が最も上昇しており、性別では高校男子が15.6%から27.5%と伸びが顕著だった。高3は受験で忙しくなり、身近なスマホやネットに現実逃避しやすいと考えられている。

参考サイト

(この項おわり)
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