山陽新幹線 500系は 300km/h達成

多くの人の記憶に残る新幹線車両
山陽新幹線こだま 500系
2016年3月17日 博多駅 写真:こぱふぅ
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山陽新幹線こだま 500系
2011年8月25日 広島駅 写真:こぱふぅ
500系新幹線は、1997年(平成9年)3月にデビューした世界最高速度の営業運転を可能とした新幹線車両である。
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東海道・山陽新幹線500系
2006年7月24日 広島駅 写真:こぱふぅ
山陽新幹線区間での営業最高速度は時速300キロで、最高速度に達すると車内の電光掲示板に「ただいま300km/hで走行中」の表示が流れる。
航空機のような車体は、ドイツのアレクサンダー・ノイマイスター氏によってデザインされた。
東海道・山陽新幹線500系
2006年7月24日 広島駅 写真:ままぱふぅ
連続定格出力は285kWで、16両編成で18,240kW(約2万5千馬力)に達する。0系の11,840kW、700系の13,200kWに比べて、いかに大きな数字かが分かる。このおかげで、発車から4分程度で300キロに達する圧倒的な加速力を備えている。
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山陽新幹線こだま 500系
2011年8月25日 広島駅 写真:こぱふぅ
また、車体に働く左右方向の振動加速度を抑えるセミアクティブサスペンション機能や、高速走行中のトンネル突入時に発生する微気圧波による環境問題を軽減するためのロングノーズ(車両長の27メートルの半分以上を占める15メートル)や、騒音低減のためのT字型をした翼型パンタグラフを備えるなど、日本の鉄道技術の粋を結集した新幹線車両である。
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山陽新幹線こだま 500系
2023年8月2日 新岩国駅 写真:こぱふぅ
500系の開発に携わった元JR西社員の仲津英治さんは野鳥の会の会員でもあり、空中から水中へ高速で飛び込んでエサを捕るカワセミに目を付けた。そして、その細長いくちばしの形状が水中に入る際の抵抗を減らすことを実験で証明した。500系のロングノーズは、こうして誕生した。
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500系の編成定員は1,324人と、300系700系より1人多い。これは、シートピッチを20mm小さくするなど工夫した結果だが、内装を工夫することなどで居住性もさほど変わらないレベルになっている。
東海道新幹線「のぞみ」として走行したのは約13年間と、歴代車両の中で最短となってしまったが、その後も海外から取材が来るなど、記憶に残る車両となった。

一方で、車両コストは1編成あたり50億円と、700系の37億円を大きく上回る。また、ロングノーズのために先頭車両の座席配置が700系と異なるため、700系や300系による代替運行ができない(このことから逆に、この日は、東京まで500系に乗車するのを目的に指定席予約を入れた)。
このため、JR東海に嫌われているらしく、次世代新幹線N700系の投入と同時に、東海道新幹線区間からは姿を消すことになっていたが、2010年(平成22年)春に延期された。
2009年(平成21年)9月現在、9編成製造されたうちの5編成が山陽区間を「こだま」として運行している。1編成は半分の8両になった。
JR西日本は、山陽区間の「500系こだま」の車両内に子ども向けの模擬運転台を設置するなどしており、子どもを中心に根強い人気があるという。300キロの最高速度を活かせなくなったのは残念である。

500系 のぞみは、2010年(平成22年)2月28日に最後の走りを見せる。
鉄道ファンによるホームの混雑に加え、「撮り鉄」が線路に撮影機材を持ち込んだ事件を受け、JR各社は警備体制を強化するという。
鉄道写真はマナーを守って撮りましょう。

新幹線:エヴァンゲリオン プロジェクト

500 TYPE EVA - 東海道・山陽新幹線500系
2016年3月17日 博多駅 写真:こぱふぅ
JR西日本は、2015年(平成27年)11月から2017年(平成29年)3月まで、「500 TYPE EVA」を運行した。500系新幹線をエヴァンゲリオン初号機をイメージしたカラーリングでデザインするもの。
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500 TYPE EVA - 東海道・山陽新幹線500系
2016年3月17日 博多駅 写真:こぱふぅ
500 TYPE EVA のベースは500系新幹線で、500系は夢の超特急らしい直球なかっこよさが詰まった、いちばん好きな新幹線車両」という庵野秀明さんが監修し、メカニックデザイナーの山下いくとさんがデザインした。
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500 TYPE EVA - 東海道・山陽新幹線500系
2016年3月17日 博多駅 写真:こぱふぅ
8両のうち2両をスペシャルデザインに。1号車は専用の「展示・体験ルーム」としてジオラマなどを展示するほか、実物大コクピットを体験できるコーナーを設ける。
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500 TYPE EVA - 東海道・山陽新幹線500系
2016年3月17日 博多駅 写真:こぱふぅ
2号車は「特別内装車」とし、専用デザインを施した自由席として利用できる。
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500 TYPE EVA - 東海道・山陽新幹線500系
2016年3月17日 博多駅 写真:こぱふぅ
JR西日本は、500 TYPE EVA の運行を2018年(平成30年)春まで延長することを決めた。
2016年(平成28年)10月17日からは、渚カヲルが車内放送を務める。「足もとに注意して」「車内の美化にご協力を」と穏やかな声で呼びかける。
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2018年(平成30年)5月13日、500 TYPE EVA が運行終了した。最終運行の始発となる新大阪駅のホームには、鉄道ファンら約1,200人が集まった。
2018年(平成30年)6月30日から、ハローキティをあしらった「ハローキティ新幹線」が登場した。

お子様向け運転台

お子様向け運転台 - 山陽新幹線500系
新大阪寄りの先頭(8号車自由席)に、お子様向け運転台が設置されている。

まるで本物のように作られたお子様運転台には、ハンドルやスイッチが付いており、ハンドルを操作すると画面に表示される速度計が動いたり、運転士が間違った運転操作をするとブレーキをかけて信号の手前までに停止させるATS(自動列車停止装置)の信号が点灯するなど、かなり本格的なもの。
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お子様向け運転台 - 山陽新幹線500系
対象は、幼稚園~小学生低学年で、保護者同伴のこと。
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お子様向け運転台 - 山陽新幹線500系
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参考サイト

500系新幹線 関連
(この項おわり)
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