4.2 JPEGとRAWの違い

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JPEGとRAWの違い
JPEGとRAWの違い
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大きな写真大きな写真
(1672×941 ピクセル, 146 Kbyte)
2.8 画像処理エンジン」で、画像処理エンジンが JPEG画像を作り上げる仕組みと、RAW という記録形式があることに軽く触れた。ここでは、JPEGRAW の違いを初心者にもわかるように詳しく説明する。
JPEG はカメラの中で現像まで終えた完成品の写真であり、そのまま使える手軽さが利点である。一方、RAW は現像前の生データで、撮影後に明るさや色を自分の手で調整できる自由度の高さが特徴である。
ここで、RAW は上級者だけのものと決めつける必要はない。旅行や結婚式など、あとで取り返しのつかない大切な瞬間を撮るときは、初心者でも JPEGRAW を同時に記録しておくと安心である。
あわせて、比較的新しいファイル形式である HEIF について簡単に紹介する。

目次

JPEGはカメラ内で完成された写真

カメラの中でJPEG画像が完成する様子
カメラの中でJPEG画像が完成する(イメージ)
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2.8 画像処理エンジン」で触れたとおり、JPEG は画像処理エンジンがデモザイク、ホワイトバランス調整、色の再現、ノイズ低減、シャープネス処理までをカメラの内部で終わらせた「完成品」の画像である。撮影者が選んだピクチャースタイルや仕上がり設定がそのまま反映され、シャッターを切った瞬間に見た目がほぼ決まる。
カメラの中でJPEG画像が完成する様子の大きな写真大きな写真
(1254×1254 ピクセル, 237 Kbyte)
ファイルサイズが小さく圧縮されているため、パソコンやスマートフォンにすぐ取り込め、そのまま印刷やSNS投稿に使える。特別なソフトや知識がなくても扱える手軽さが、JPEGの最大の利点である。ふだんのスナップ写真や、すぐに共有したい場面では JPEG が向いている。

RAWは現像前の素材データ

一方、RAW は撮像素子が記録した信号を、画像処理エンジンで加工する前のほぼ生の状態で保存したデータである。色味も明るさも仕上げられておらず、専用のソフトで現像しなければ写真として見ることすらできない。

たとえるなら、JPEG が「現像済みの写真」であるのに対し、RAW は「撮影済みのネガフィルム」にあたる。フィルムのネガと同じように、そこには撮影時の光の情報がそのまま残されており、あとからどのようにでも仕上げられる素材という位置づけである。ファイルの拡張子はメーカーごとに異なり、キヤノンは .CR3、ニコンは .NEF、ソニーは .ARW などが使われている。

JPEGRAW のもう一つの大きな違いは、記録できる階調の量である。JPEG はRGB各色につき8ビット(256段階)までしかデータを持てない規格であり、撮影の時点ですでにこの範囲に収められた状態で保存される。そのため、現像後に明るさや色を大きく変えようとすると、階調がなめらかにつながらず、縞模様(バンディング)や色の破綻が目立ちやすい。

一方、RAW は撮像素子が検出した信号を、RGB各色につき8ビットを超える階調(機種にもよるが12~14ビット、1色あたり4096~16384段階程度)のまま保持している。この余裕のある階調こそが、RAW で明るさや色を大きく調整しても画質が破綻しにくい理由である。もとの情報量が多いぶん、現像時にトーンを大きく動かしても、なめらかな階調を保ったまま仕上げることができる。

RAW現像とは何か

パソコンの現像ソフトでRAWデータを調整する様子
現像ソフトでRAWデータを仕上げる(イメージ)
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RAWのデータを写真として仕上げる作業を RAW現像と呼ぶ。パソコンに専用の現像ソフトを入れ、撮影時にカメラが自動で行っていたホワイトバランス調整、色の再現、明るさの補正、シャープネス処理などを、自分の手でひとつずつやり直す作業である。
現像ソフトには、カメラメーカーが無料で提供するものと、Adobe Lightroom のように複数メーカーに対応した市販のソフトがある。画面上でスライダーを動かしながら、明るさや色合いを見比べて調整できるため、写真の追い込み方を学ぶ良い練習にもなる。仕上げが終わったら、JPEGやTIFFなどの一般的な形式に変換して書き出す。

RAWのメリット:明るさ・色を調整しやすい

RAWで撮影しておく最大の利点は、明るさや色を大きく調整できる自由度にある。JPEGは現像時に決まった設定で圧縮されてしまうため、あとから大きく直そうとすると画質が荒れやすい。RAWは生データのままなので、露出を多少失敗していても、白飛びや黒つぶれをある程度救い出せる。

ホワイトバランスも撮影後に選び直せるため、屋内照明での色かぶりや、逆光での色の転びなども落ち着いて修正できる。仕上がり設定やピクチャースタイルも現像時にあらためて選べるので、「あのとき別の設定で撮っておけばよかった」という後悔をしにくいことも大きな安心材料である。

RAWのデメリット:容量が大きい、現像が必要

一方で RAW には、はっきりとしたデメリットもある。ひとつはファイルサイズが大きいことで、JPEG の数倍から十数倍の容量になることも珍しくない。メモリーカードやパソコンの保存容量を圧迫しやすく、たくさん撮る人ほど注意が必要である。

もうひとつは、現像という手間が必ず発生することである。撮ってすぐに見たり、そのまま人に送ったりすることができず、パソコンでの作業時間が必要になる。ソフトの使い方に慣れるまでは、操作に戸惑うことも多いだろう。撮影枚数が多い旅行や日々のスナップでは、この手間が負担に感じられることもある。
JPEGとRAWの比較
項目 JPEG RAW
中身 現像済みの完成画像 現像前の生データ
階調(1色あたり) 8ビット(256段階) 12~14ビット(4096~16384段階)
ファイルサイズ 小さい 大きい(JPEGの数倍~十数倍)
すぐ見られるか そのまま見られる 現像が必要
明るさ・色の調整 限られる 自由度が高い
拡張子の例 .jpg .CR3、.NEF、.ARWなど
向いている場面 手軽なスナップ、すぐ共有したいとき 大切な記録、じっくり仕上げたいとき

初心者はJPEG+RAW保存がおすすめ

RAWは上級者向け」と決めつける必要はない。多くのミラーレス一眼レフやデジタル一眼レフには、JPEGとRAWを同時に記録する設定が用意されている。ふだんのスナップは JPEG だけで十分だが、旅行や結婚式、子供の行事など、あとで取り返しのつかない大切な場面では、この設定を選んでおくと安心である。

その場では JPEG を確認・共有し、あとになって「もう少し明るくしたい」「色をこう直したい」と感じたときに、残しておいた RAW から現像し直せばよい。撮影の当日は今まで通り JPEG を使い、余裕のあるときに RAW現像を試してみる、という段階的な付き合い方が初心者には向いている。容量に余裕のある大きめのメモリーカードを用意しておくことも忘れないようにしたい。

HEIFについて

近年は、HEIF という比較的新しいファイル形式を選べる機種も増えている。JPEGと同程度以上の画質を、より小さいファイルサイズで記録できる点が特徴で、iPhoneなどのスマートフォンでも標準的に使われている。

ただし、パソコンの一部の古いソフトや、写真店の一部のサービスではHEIFにまだ対応していないことがある。現時点では、まずは JPEGとRAWの使い分けを身につけ、HEIFは対応環境が整っている場合に選択肢のひとつとして考える、という程度でよいだろう。
JPEG・RAW・HEIFの特徴
形式 特徴 向いている用途
JPEG ファイルが小さく、そのまま使える 日常のスナップ、SNS投稿
RAW 情報量が多く、現像の自由度が高い 旅行や行事など残しておきたい記録
HEIF JPEGより高画質・小容量 対応するスマートフォンやソフトでの保存
(この項おわり)
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