4.7 写真データの整理方法

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パソコンで写真フォルダーを整理する(イメージ)
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撮影を続けていると、写真は年に数千枚の単位で増えていく。そして後になって困るのが、「あの写真をどこに保存したか分からない」という状態である。パソコンの中に「新しいフォルダー」「写真」「写真2」「デジカメ」といったフォルダーが散らばり、同じ写真が複数の場所にコピーされている。これは初心者に限らず、多くの人が一度は通る道である。
整理の要点は3つある。写真を置く場所を決めること(フォルダー)、後から見分けがつく名前を付けること(ファイル名)、そして良し悪しの印を残すこと(レーティングとキーワード)である。本項では、この3つを軸に、日付とイベント名を使ったフォルダーの作り方、ファイル名の付け方、失敗写真の扱い、検索しやすい管理、年に一度の見直しについて解説する。凝った仕組みを作る必要はない。10年続けられる簡単なルールを決めることのほうが大切である。

目次

フォルダーで整理する

写真管理の土台はフォルダーである。写真管理ソフトのカタログ機能はソフト固有の仕組みであり、乗り換えやサービス終了で引き継げないことがある。フォルダーとファイル名は、どのパソコンでも、どのソフトでも読める。まずフォルダーで骨格を作り、ソフトの機能はその上に載せる。

最初に決めるのは、写真の置き場所を1か所にまとめることである。Windowsなら「ピクチャ」の下に「Photo」フォルダーを1つ作り、以後すべての写真をその中に入れる。デスクトップやダウンロードフォルダーに散らばっていると、バックアップから漏れる。

階層は深くしすぎない。撮影単位の2階層に、必要なら書き出し用の1階層を足す程度でよい。深いと取り込みのたびに手間が増え、続かなくなる。

日付別、イベント別、被写体別の整理

日付とイベント名で作る写真フォルダーの階層図
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大きな写真大きな写真
(1672×941 ピクセル, 132 Kbyte)
フォルダー名は、日付+イベント名を勧める。日付はYYYYMMDDの8桁の半角数字で書く。こうすれば、名前順に並べ替えただけで時系列順になる。「2026-7-6」のように桁数が揃わないと、並べ替えたときに順序が崩れる。

たとえば、次のようになる。
  • 20260706_上野動物園
  • 20260815_家族旅行_箱根
  • 20260923_彼岸花_巾着田
イベント名は、後から自分が見て思い出せる言葉にする。「お出かけ」のような一般的な語ではなく、地名や行事名を入れる。複数日にわたる旅行は、20260815-17_家族旅行_箱根 のように期間を書く。

被写体別のフォルダー分けは長続きしない。1回の撮影に風景も人物も花も混在するため、どこに入れるか迷い、同じ写真を複製することになる。被写体での分類は、フォルダーではなく後述のキーワードで行う。
フォルダー名の付け方
分け方向き・不向き
日付+イベント名20260815_家族旅行_箱根基本形。名前順=時系列順になる
年でまとめる2026/20260815_家族旅行_箱根枚数が増えたときの上位階層に向く
日付だけ20260815内容が分からず、後から探しにくい
イベント名だけ家族旅行毎年同じ名前になり、区別できない
被写体別風景/人物/花1回の撮影が分断され、分類に迷う
桁の揃わない日付2026-8-15_箱根並べ替えたときに順序が崩れる

ファイル名の付け方

カメラが付けるファイル名は、IMG_0001.JPG、DSC_0001.JPG といった記号+連番の形式である。この連番は9999で一巡して0001に戻るため、複数の撮影分を1か所にまとめた瞬間に上書きの危険が生じる。

対策は、撮影日時を先頭に付けた名前にリネームすることである。たとえば 20260706_143205_0123.jpg のように、撮影日・時刻・元の連番を並べる。ファイル単体で撮影日が分かり、フォルダーから出しても迷わない。一括リネームは、写真管理ソフトの書き出し機能や、XnViewのような画像管理ソフトで自動的に行える。

名前に使う文字は、半角の英数字とアンダースコアを基本にする。円記号(\)、スラッシュ(/)、コロン(:)、アスタリスク(*)、疑問符(?)、二重引用符(")、不等号(< >)、縦棒()は、そもそもファイル名に使えない。日本語も使えるが、外部サービスに渡すと文字化けすることがあるため、イベント名の部分に留めたい。

レーティング、タグ、キーワード

写真にレーティングとキーワードを付ける(イメージ)
星とキーワードを付けておくと、後から一括で絞り込める
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取り込んだ写真をすべて同じ扱いにしていると、見返すたびに全部を見ることになる。そこで使うのがレーティング(星の数)である。多くの写真管理ソフトが対応しており、0〜5の星を付けられる。

5段階すべてを使い分けようとすると1枚ごとに迷うので、最初は「星なし=未選別」「星3=残す」「星5=公開・プリント候補」の3段階で十分である。Lightroom Classicには星とは別に採用/除外のフラグやカラーラベルもあるが、まずは星だけでよい。
キーワード(タグ)は、被写体や場所を言葉で付けておく仕組みである。「桜」「猫」「上野」のように付けておけば、フォルダーをまたいで絞り込める。フォルダーでは1枚を1か所にしか置けないが、キーワードは何個でも付けられる。

保存先には注意が要る。JPEGならキーワードはファイル内(IPTCXMP領域)に書き込まれるが、RAWでは同名のXMPサイドカーファイルに保存されることが多く、写真ファイルだけを移すと失われる。Windowsエクスプローラーの「タグ」は一部の形式にしか付けられず、macOSのFinderのタグは別のOSに渡すと消える。長く残すキーワードは、写真管理ソフトで付けたい。
レーティングの運用例(3段階から始める)
意味その後の扱い
星なし未選別そのまま保管する。消さない
星1保留(迷ったもの)年に一度の整理で判断する
星3残す現像・補正の候補にする
星5公開・プリント候補SNS投稿、フォトブック、年間ベスト

失敗写真をどう扱うか

明らかな失敗写真、たとえば真っ黒、真っ白、レンズキャップ、足元の地面は、取り込んだ直後に削除してよい。残しても見返すことはなく、検索の邪魔になる。

一方で、迷ったものは削除しない。少しブレていても表情がよければ後で使えるし、何気なく撮った街角の1枚が10年後には貴重な記録になることがある。ストレージの値段より、消してしまった判断のほうが高くつく。

迷う写真は、削除ではなく分離する。星1を付けるか、撮影フォルダーの中に「_hold」という保留用のサブフォルダーを作って移す。ふだんの閲覧では目に入らず、必要なときには残っている。

削除は、必ず取り込みとバックアップが終わってから行う。カメラの小さなモニターで消してしまうと、大きな画面で見れば使えたはずの写真まで失う(「4.1 写真データの取り込みと確認」参照)。

検索しやすい管理方法

探し方には3つの入口がある。日付から探す、言葉(キーワードや人物名)から探す、場所(位置情報)から探す、である。

日付にはフォルダー名の8桁が、言葉にはキーワードが、場所にはExifの位置情報が効いてくる。前項「4.6 写真を公開する」で述べたとおり、位置情報は公開する段階で削除するものであり、保管用のデータには残しておくと検索や地図表示に使える。

Googleフォトなどのクラウドサービスは、写っている内容を自動判定して検索できるようにしてくれる。ただし判定結果はサービス側にあり、解約や仕様変更で使えなくなる。自動認識は補助と考え、手元にはフォルダー名・ファイル名・キーワードの形で残しておきたい。

もう1つ勧めたいのは、写真フォルダーの最上位に、整理ルールを書いたテキストファイルを1つ置くことである。「フォルダー名は日付8桁+イベント名」「星3以上が残すもの」といった数行でよい。数年ぶりに整理を再開したときや、家族が後から見るときに役に立つ。
探し方と、そのために用意しておくもの
探し方手がかり用意しておくこと
いつ撮ったかフォルダー名・ファイル名の日付YYYYMMDDの8桁で統一する
何が写っているかキーワード(タグ)写真管理ソフトでキーワードを付ける
どこで撮ったかExifのGPS(緯度・経度)保管用データの位置情報は消さない
出来のよい写真レーティング(星)星3・星5の2段階だけでも付ける
どの機材で撮ったかExifの機種名・レンズ・設定Exifを削除しない

年に一度の整理

年末に1年分の写真を見返して整理する(イメージ)
年に一度、1年分をまとめて見直す日を作る
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日々の整理は取りこぼしが出る。年末や年度末など区切りのよい時期に、まとめて見直す日を作ることを勧める。半日もあれば終わる。
やることは、次のとおりである。
  1. 「未整理」「取り込み」といった仮の置き場フォルダーを空にする。
  2. フォルダー名の書き方が揺れているもの(日付の桁数、区切り文字)を統一する。
  3. 保留にしていた写真を、残すか消すか判断する。
  4. その年のベストを20〜30枚選び、星5を付ける。
  5. バックアップが実際に取れているか、別の保存先から1枚開いて確かめる。
  6. 同じ写真が複数の場所にある重複を整理する。
選んだベストは、そのままフォトブックやプリントの候補になる(「4.9 写真のプリントとフォトブック」で扱う)。1年分を見返すと、自分がどんな被写体を多く撮っているかが見えてくる。整理は写真を探すためだけの作業ではなく、翌年の撮影をよくするための作業でもある。

参考サイト

(この項おわり)
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