『日本人の死に時』――メメントメモリ

久坂部羊=著
表紙 日本人の死に時
著者 久坂部羊
出版社 幻冬舎
サイズ 新書
発売日 2007年01月
価格 792円(税込)
ISBN 9784344980181
幸福な老後を目指すなら、自らの境遇をあれこれ言う前に、“満足力”をつけたほうが早道ではないでしょうか。(117ページ)

概要

喪主のイラスト(夫婦)
医療費増加に歯止めがかからない――老人医療制度、介護保険制度、そして後期高齢者医療制度、特定健診制度と、国は矢継ぎ早に施策を出しているが、一向に歯止めがかからない。考えてみれば当たり前である。「医療は健康寿命は延ばしません。健康な人は病院へは行かないのですから」(184ページ)。

人間、いつかは死ぬ。それなら、自宅で死ぬか、病院で死ぬか、死にゆく者、死を看取る者に選ばせてほしい。一律に療養病床を減らせというのは無謀である。官僚は死を看取ったことのない者ばかりなのか。
子どもが小さい頃、毎年毎年、親戚の葬式があった。長い読経の間、むずがることもなく大人しく構えていた子どもに対し、悪いことをしたと思った。でも、いま考えてみると、死を看取ること、あの厳かな時を経験させることは必要だと感じる。座学では決して学べないこと、言葉では決して伝えることができない“何か”が、そこにある

「メメントメモリとは、ラテン語の警句で『死を想え』という意味」(180ページ)だそうだ。
(2008年2月26日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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