2.8 単位――長さ、かさ、重さ、時間、速さ(小学1〜6年)

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ものさし、計量カップ、はかり、時計を使って単位を学ぶ水奈
身近な道具で、量と単位の関係を確かめる
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身の回りの量は、数だけでなく単位と組み合わせて表す。教室の長さは\( 8\,\mathrm{m} \)、牛乳のかさは\( 200\,\mathrm{mL} \)、荷物の重さは\( 3\,\mathrm{kg} \)という具合である。同じ量でも単位を変えれば数値が変わるため、換算では単位同士の関係を理解することが重要である。
この項では、長さ、かさ、重さ、時間、速さを整理し、単位を立体で読みやすく示す\( \TeX \)表記を学ぶ。

目次

本項で扱う範囲

本項の要点
小学1~2年長さ、かさ、時刻と時間を比べ、身近な単位で測る
小学3年長さ、重さ、時間の単位と、それぞれの単位の関係を学ぶ
小学4~5年面積・体積を含む単位換算と、メートル法の仕組みを学ぶ
小学6年道のりと時間の関係から速さを求める
\( \TeX \)\mathrm\,\frac を使う

教科書で見かける式

単位換算では、長さや重さに多い1000倍、かさの10倍・1000倍、時間の60進法を混同しないようにする。
内容表示\( \TeX \)表記
長さ\( 1\,\mathrm{km}=1000\,\mathrm{m} \)1\,\mathrm{km} = 1000\,\mathrm{m}
かさ\( 1\,\mathrm{L}=1000\,\mathrm{mL} \)1\,\mathrm{L} = 1000\,\mathrm{mL}
重さ\( 1\,\mathrm{kg}=1000\,\mathrm{g} \)1\,\mathrm{kg} = 1000\,\mathrm{g}
時間\( 1\,\mathrm{h}=60\,\mathrm{min} \)1\,\mathrm{h} = 60\,\mathrm{min}
速さ\( \displaystyle \text{速さ}=\frac{\text{道のり}}{\text{時間}} \)\text{速さ} = \frac{\text{道のり}}{\text{時間}}

\( \TeX \)表記

単位は数値と区別するため、\mathrmを使って立体で表す。数値と単位の間には\,で狭い空きを入れると読みやすい。
表示\( \TeX \)表記
\( 12\,\mathrm{cm} \)12\,\mathrm{cm}
\( 500\,\mathrm{mL} \)500\,\mathrm{mL}
\( 3.5\,\mathrm{kg} \)3.5\,\mathrm{kg}
\( 60\,\mathrm{km/h} \)60\,\mathrm{km/h}

\( \TeX \)命令の読み方と意味

複合単位では、\( \mathrm{m/s} \)のように単位全体を\mathrmの中へ入れられる。
\( \TeX \)表記読み方意味
\mathrm{m}マス・ローマン数式中の文字を立体にする
\,シン・スペース数値と単位の間に狭い空きを置く
\frac{a}{b}フラクション速さの定義などを分数で表す
\text{道のり}テキスト数式中に日本語の説明を置く

よくある間違い

単位を斜体のまま書く
単位記号は変数ではないので、5mではなく、5\,\mathrm{m}とする。
数値と単位を密着させる
数値と単位の間には\,を挟み、量のまとまりを読みやすくする。
時間も10進法で換算する
\( 1.5\,\mathrm{h}=1\,\mathrm{h}\,30\,\mathrm{min} \)であり、1時間5分ではない。時間の換算では60進法に注意する。
異なる単位のまま加減する
\( 2\,\mathrm{m}+30\,\mathrm{cm} \)は、どちらか一方の単位にそろえてから計算する。
速さの単位を書かない
同じ数値でも\( \mathrm{m/s} \)と\( \mathrm{km/h} \)では意味が異なるので、答えには必ず単位を付ける。

コピーして使える例

長さの換算
\( 1\,\mathrm{km} = 1000\,\mathrm{m} \)
かさの換算
\( 1\,\mathrm{L} = 1000\,\mathrm{mL} \)
速さの式
\( \displaystyle \text{速さ} = \frac{\text{道のり}}{\text{時間}} \)

練習問題


1.\( 3.2\,\mathrm{m} \)を\( \mathrm{cm} \)で表しなさい。

2.\( 2\,\mathrm{L}\,5\,\mathrm{dL} \)を\( \mathrm{dL} \)で表しなさい。

3.\( 4500\,\mathrm{g} \)を\( \mathrm{kg} \)と\( \mathrm{g} \)で表しなさい。

4.\( 2\,\mathrm{h}\,15\,\mathrm{min} \)は何分か。

5.\( 120\,\mathrm{km} \)を2時間で進む自動車の時速を求めなさい。
答え
1.\( 320\,\mathrm{cm} \) 2.\( 25\,\mathrm{dL} \) 3.\( 4\,\mathrm{kg}\,500\,\mathrm{g} \) 4.\( 135\,\mathrm{min} \) 5.\( 60\,\mathrm{km/h} \)

学習指導要領上の位置づけ

小学校では、身近な量を直接比較する活動から始め、長さ、かさ、時間、重さの単位と測定を順に学ぶ。学年が進むと単位間の関係、速さ、メートル法の仕組みへ内容が広がる。単なる換算手順ではなく、実際に測る経験、量の見当を付ける活動、数直線や図を用いた説明と結び付けることが大切である。

次項:角度と図形(小学2~6年)

次項では、角度、三角形、四角形、円などを取り上げる。図形の性質を整理し、角度記号や幾何学で使う記号の読みやすい\( \TeX \)表記を紹介する。

コラム:長さでつまずきやすい点

定規の0と目盛りを確かめながら長さを測る児童
定規の端ではなく、0の目盛りから測る
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単位換算では、\( 1\,\mathrm{cm}=10\,\mathrm{mm} \)、\( 1\,\mathrm{m}=100\,\mathrm{cm} \)、\( 1\,\mathrm{km}=1000\,\mathrm{m} \)という倍率の違いが混乱を招く。小数点を機械的に動かすだけでは、\( 1.5\,\mathrm{m}=15\,\mathrm{cm} \)のような誤りを見抜きにくい。
\( 1\,\mathrm{m} \)のものさしや\( 1\,\mathrm{cm} \)の方眼を使い、元の量と換算後の量が同じ長さであることを確かめるとよい。
目盛りの読み取りでは、定規の端ではなく0の目盛りを物の端に合わせる。0から始められない場合は、終点の目盛りから始点の目盛りを引く。また、隣り合う数字の差を小目盛りの数で分け、1目盛りが\( 1\,\mathrm{mm} \)なのか、それ以外なのかを先に確認する。
周りの長さと面積の区別も重要である。周りの長さは辺を足し、単位を\( \mathrm{cm} \)などで表す。面積は縦と横を掛け、\( \mathrm{cm}^2 \)などで表す。「縦×横」を長さの問題にも使わないよう、求める量と単位を先に書くとよい。

コラム:かさでつまずきやすい点

形の異なる容器へ同じ量の水を移す児童
水面の高さが変わっても、かさは同じ
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かさでは、日常生活で見かける機会が少ない\( \mathrm{dL} \)に量感を持ちにくい。\( 1\,\mathrm{L}=10\,\mathrm{dL}=1000\,\mathrm{mL} \)であり、\( 1\,\mathrm{dL}=100\,\mathrm{mL} \)である。1リットル容器へ1デシリットルずつ水を入れ、10杯で満たされることを観察すると関係を理解しやすい。
容器の形と量も混同しやすい。背の高い細い容器へ移すと水面は高くなるが、こぼしたり足したりしなければ、かさは変わらない。同じ水を形の異なる容器へ移し替えた後、計量カップへ戻して確かめると、見かけの高さとかさを区別できる。
目盛りは容器を水平な場所へ置き、目の高さを水面に合わせて読む。まず数字が付いた目盛りの差を調べ、小目盛りで等分して1目盛りの量を求める。

コラム:重さでつまずきやすい点

発泡スチロールと鉄球の重さをはかりで比べる児童
見た目の大きさと重さは一致しない
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見た目の大きさと重さは一致するとは限らない。大きな発泡スチロールより小さな鉄球の方が重い場合があるため、体積だけで判断せず、実際に持ち比べたり、はかりで測ったりする経験が大切である。\( 1\,\mathrm{kg}=1000\,\mathrm{g} \)、\( 1\,\mathrm{t}=1000\,\mathrm{kg} \)の関係も、食品や乗り物など身近な例と結び付けると量感を得やすい。
はかりの読み取りでは、測る前に針が0を指しているか確認する。数字が付いた目盛りの間が\( 100\,\mathrm{g} \)で、それを10等分していれば、1目盛りは\( 10\,\mathrm{g} \)である。はかりによって1目盛りが\( 50\,\mathrm{g} \)や\( 100\,\mathrm{g} \)の場合もあるので、毎回、数字の差と小目盛りの数から求める。

コラム:時間でつまずきやすい点

アナログ時計と時間の数直線を使って学ぶ児童
60進法と、時刻・時間の違いを確かめる
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時間は、\( 1\,\mathrm{min}=60\,\mathrm{s} \)、\( 1\,\mathrm{h}=60\,\mathrm{min} \)という60進法を使う。10進法の筆算をそのまま当てはめると、\( 1\,\mathrm{h}-20\,\mathrm{min}=80\,\mathrm{min} \)などと誤りやすい。1時間を60分へ直してから、\( 60\,\mathrm{min}-20\,\mathrm{min}=40\,\mathrm{min} \)と計算する。
時刻は「8時10分」のような時間軸上の位置、時間は「20分間」のような隔たりである。「8時10分の20分前」は7時50分という時刻を求め、「8時10分から20分間」は8時30分までの時間を扱う。数直線に出発と到着を置くと区別しやすい。
アナログ時計では、短針も時間とともに少しずつ進む。9時55分の短針は10に近いが、長針が12を過ぎるまでは9時台である。長針を読んでから、短針が直前に通過した数字を読むとよい。

コラム:速さでつまずきやすい点

道のりと時間の対応表から速さを考える児童
単位時間当たりに進む道のりとして速さを捉える
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速さは、単なる長さではなく「単位時間当たりに進む道のり」という単位量当たりの大きさである。\( 60\,\mathrm{km/h} \)は、同じ速さで1時間進めば\( 60\,\mathrm{km} \)進むという意味である。道のりと時間を対応表や数直線で表し、1時間当たり、1分当たり、1秒当たりへそろえると理解しやすい。
公式だけを暗記すると、掛け算と割り算を選び違えやすい。求める量と分かっている量を確認し、「同じ速さで進む」「1時間当たり」という関係を言葉で説明してから立式する。速さは道のりを時間で割り、道のりは速さと時間を掛け、時間は道のりを速さで割る。
単位の統一も欠かせない。時速\( 60\,\mathrm{km} \)で20分進むとき、20分を\( \displaystyle \frac{1}{3} \)時間へ直せば、道のりは\( \displaystyle 60\times\frac{1}{3}=20\,\mathrm{km} \)となる。時速と分をそのまま掛けてはいけない。

コラム:名数と無名数

単位を揃える
単位を揃える
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名数とは、\( 3\,\mathrm{m} \)、100円、5人のように、単位や助数詞を伴う数である。これに対して、単位や助数詞を伴わない数を無名数という。たとえば、\( 3\,\mathrm{m}+50\,\mathrm{cm} \)を計算するときは、\( 300+50=350 \)のように同じ単位にそろえた数値を計算し、結果に\( \mathrm{cm} \)を付ける。
速さのように異なる種類の量を割ると、\( \mathrm{km/h} \)という新しい単位が生まれる。数値だけでなく単位も式の意味を担っているので、途中式でも単位を意識すると誤りを見つけやすい。詳しくは数と単位を参照されたい。

コラム:SI単位系

SI単位系は、国際的に共通して用いられる単位の体系で、正式には国際単位系という。長さのメートル\( \mathrm{m} \)、質量のキログラム\( \mathrm{kg} \)、時間の秒\( \mathrm{s} \)など、7つの基本単位を土台とする。
キロ\( \mathrm{k} \)は1000倍、センチ\( \mathrm{c} \)は100分の1、ミリ\( \mathrm{m} \)は1000分の1を表す接頭語である。ただし、時間の分や時、かさを表すリットルなど、SI単位そのものではないがSIと併用できる単位も日常で広く使われる。単位記号は大文字と小文字を区別し、複数形にしない。

参考サイト

(この項おわり)
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