2.13 比、比例、反比例(小学5〜6年)

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水とシロップの比から比例を教える水奈
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二つの量を比べるとき、差だけでなく「一方が他方の何倍か」に着目すると、割合や比が見えてくる。水とシロップを \( 3:1 \) で混ぜるように、比は二つの量の関係を簡潔に表す。さらに、一方が2倍、3倍になると他方も2倍、3倍になる関係が比例であり、一方が2倍になると他方が半分になる関係が反比例である。
この項では、割合から比へ進み、比例と反比例を式・表・グラフで読み取る方法と、その関係を明確に示す\( \TeX \)表記を学ぶ。

目次

本項で扱う範囲

本項の要点
小学5年割合を「比べる量÷もとにする量」として捉える
小学6年比と比の値、等しい比、比例、反比例を学ぶ
表と式対応する値を表に整理し、二つの量の関係を式で表す
グラフ比例は原点を通る直線、反比例は曲線になることを確かめる
\( \TeX \):、\frac、\propto、\begin{array} を使う

教科書で見かける式

内容例意味
割合\( \displaystyle 6\div15=\frac{2}{5}=0.4 \)15をもとにした6の割合
比\( 6:15 \)6と15を順序を保って比べる
比の値\( \displaystyle 6:15=\frac{6}{15}=\frac{2}{5} \)前の数を後ろの数で割った値
等しい比\( 2:5=6:15 \)比の値が等しい
比例\( y=3x \)\( x \) が2倍、3倍になると \( y \) も2倍、3倍になる
反比例\( \displaystyle y=\frac{12}{x} \)\( x \) と \( y \) の積がいつも12になる
比例定数\( \displaystyle \frac{y}{x}=3 \)比例する二つの量の商が一定になる

\( \TeX \)表記

割合は、もとにする量を \( 1 \) と見たとき、比べる量がどれだけに当たるかを表す。比べる量が \( 6 \)、もとにする量が \( 15 \) なら、割合は \( \displaystyle 6\div15=\frac{2}{5}=0.4 \) である。割合に単位は付けない。百分率では \( 0.4=40\% \) と表す。
二つの量 \( a,b \) の割合を、順序を保って \( a:b \) と表したものが比である。その比の値は \( \displaystyle \frac{a}{b} \) である。\( 6:15 \) の両方を \( 3 \) で割ると \( 2:5 \) になり、比の値はどちらも \( \displaystyle \frac{2}{5} \) なので、\( 6:15=2:5 \) と書ける。
原点を通る比例のグラフ
原点を通る比例のグラフ
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\( x \) の値が2倍、3倍、…になるのに伴って、\( y \) の値も2倍、3倍、…になるとき、\( y \) は \( x \) に比例する。比例定数を \( a \) とすると関係式は \( y=ax \) であり、\( x\ne0 \) なら \( \displaystyle \frac{y}{x}=a \) である。グラフは原点 \( (0,0) \) を通る直線になる。
原点を通らない反比例のグラフ
原点を通らない反比例のグラフ
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\( x \) の値が2倍、3倍、…になるのに伴って、\( y \) の値が \( \displaystyle \frac{1}{2},\frac{1}{3},\dots \) になるとき、\( y \) は \( x \) に反比例する。比例定数に当たる一定の数を \( a \) とすると、\( \displaystyle y=\frac{a}{x} \)、すなわち \( xy=a \) である。\( x=0 \) では割り算ができないため値は定まらず、グラフは原点を通らない曲線になる。
比例か反比例かは、表の一部分だけで決めず、対応する値の関係を調べる。\( \displaystyle \frac{y}{x} \) がいつも同じなら比例、\( xy \) がいつも同じなら反比例である。例えば1個80円の品物を \( x \) 個買った代金 \( y \) 円は \( y=80x \) で比例する。一方、面積が \( 24\,\mathrm{cm}^2 \) の長方形では、横を \( x\,\mathrm{cm} \)、縦を \( y\,\mathrm{cm} \) とすると \( \displaystyle y=\frac{24}{x} \) で反比例する。

比の式 \( a:b=c:d \) では、\( ad=bc \) が成り立つ。これは比の値を \( \displaystyle \frac{a}{b}=\frac{c}{d} \) と表し、両辺に \( bd \) を掛けると確かめられる。小学校では、比の両方の数に同じ数を掛けたり、同じ数で割ったりして等しい比を作る方法を中心に扱う。

\( \TeX \)命令の読み方と意味

\( \TeX \)表記読み方意味
a:bエー対ビーコロンで二つの量の比 \( a:b \) を表す
\frac{a}{b}フラクション分子と分母を指定して \( \displaystyle \frac{a}{b} \) を表示する
\divディバイド割り算の記号 \( \div \) を表示する
\timesタイムズ掛け算の記号 \( \times \) を表示する
\proptoプロポーショナル・トゥ比例を表す記号 \( y\propto x \) を表示する
\neノット・イコール等しくないことを \( x\ne0 \) と表す
\%パーセント百分率の記号を \( 40\% \) と表示する
\begin{array}アレイ対応する \( x \) と \( y \) の値を行と列にそろえる

よくある間違い

比べる量ともとにする量を逆にする
割合は「比べる量÷もとにする量」である。6を15と比べるなら \( \displaystyle 6\div15=\frac{2}{5} \) とする。
:比の順序を入れ替える:\( 2:3 \) と \( 3:2 \) は異なる。問題文で示された量の順序を保ち、単位をそろえてから比を書く。:
:比の片方だけを掛けたり割ったりする:等しい比を作るには両方の数に同じ0でない数を掛けるか、同じ数で割る。\( 2:3=4:6 \) である。:
:比と比の値を同じものとする:比は \( 2:5 \)、比の値は \( \displaystyle \frac{2}{5} \) である。表している関係は同じでも、問われた形に合わせる。:
増える関係をすべて比例と考える
比例では \( \displaystyle \frac{y}{x} \) が一定である。\( y=x+3 \) は増えるが比例ではなく、グラフも原点を通らない。
減る関係をすべて反比例と考える
反比例では \( xy \) が一定である。表の積を確かめ、\( \displaystyle y=\frac{a}{x} \) と表せるか判断する。
反比例で x を0にする
\( \displaystyle y=\frac{a}{x} \) では0で割れないため \( x=0 \) を使えない。反比例のグラフは原点を通らない。
:単位をそろえずに比を簡単にする:\( 1\,\mathrm{m}:50\,\mathrm{cm} \) は、\( 100\,\mathrm{cm}:50\,\mathrm{cm}=2:1 \) と単位をそろえる。:

コピーして使える例

比と比の値
\( \displaystyle 6:15 = 2:5,\quad \frac{6}{15} = \frac{2}{5} \)
比例の式
\( y = 3x \)
比例定数
\( \displaystyle \frac{y}{x} = 3 \)
反比例の式
\( \displaystyle y = \frac{24}{x},\quad xy = 24 \)
比の式
\( a:b = c:d \quad \Longrightarrow \quad ad = bc \)
比例の表
\( \begin{array}{c|rrrr} x & 1 & 2 & 3 & 4 \\ \hline y & 3 & 6 & 9 & 12 \end{array} \)

練習問題


次の問題を解き、必要な式を\( \TeX \)表記で記述する。
  1. 赤い玉が8個、白い玉が12個ある。赤い玉と白い玉の個数の比を最も簡単な整数の比で表す。
  2. \( 18:24 \) の比の値を、約分した分数で求める。
  3. \( 3:5=12:x \) の \( x \) を求める。
  4. \( y \) が \( x \) に比例し、\( x=4 \) のとき \( y=10 \) である。\( y \) を \( x \) の式で表す。
  5. \( y \) が \( x \) に反比例し、\( x=3 \) のとき \( y=8 \) である。\( x=6 \) のときの \( y \) を求める。
  6. 面積が \( 36\,\mathrm{cm}^2 \) の長方形について、横 \( x\,\mathrm{cm} \) と縦 \( y\,\mathrm{cm} \) の関係を式にし、比例か反比例か答える。
解答例
  1. \( 8:12=2:3 \)
  2. \( \displaystyle \frac{18}{24}=\frac{3}{4} \)
  3. \( 3x=5\times12 \) より \( x=20 \)
  4. \( \displaystyle \frac{10}{4}=\frac{5}{2} \) より \( \displaystyle y=\frac{5}{2}x \)
  5. \( xy=3\times8=24 \) より、\( x=6 \) のとき \( y=4 \)
  6. \( xy=36 \)、すなわち \( \displaystyle y=\frac{36}{x} \) なので反比例

学習指導要領上の位置づけ

小学校算数の第5学年「C 変化と関係」では、二つの数量の関係に着目し、割合を用いて比べることを学ぶ。簡単な場合について比例の関係があることを知り、伴って変わる二つの数量を表や式で考察することも扱う。割合の意味を、日常の場面、百分率、グラフと関連付けて理解する段階である。
第6学年では、比の意味と表し方、比の値、等しい比を理解し、比例や反比例の関係を式・表・グラフで考察する。既習の乗法、除法、分数、割合を結び付け、未知の数量を求めたり、変化を予測したりする。これらは中学校で学ぶ比例・反比例の関数や一次関数へつながる。

次項:平均とデータ(小学5~6年)

次項では、平均を「合計÷個数」として捉え、測定値の平均、平均からの合計の推定、代表値、度数分布表や柱状グラフによるデータの整理を学ぶ。式や表を読みやすく表す\( \TeX \)表記も紹介する。

コラム:比例と反比例の見分け方

小学生が「比 (ひ) 」「比例 (ひれい) 」「反比例 (はんぴれい) 」でつまずくのは、二つの変化する数量の関係を抽象的に捉えることが難しいためである。数が増えた、減ったという一回の変化だけで判断せず、二つの量がどのような規則で対応し続けるかを見る必要がある。ここでは、単元ごとのつまずきやすいポイントと解決のコツを整理する。
比の値の意味が分からない
\( a:b \) の比の値を求めるとき、\( a\div b \) か \( b\div a \) か分からなくなることがある。原因は、「前にある数が、後ろにある数の何倍か」という比の値の意味が抜けているためである。比の値は \( \displaystyle a\div b=\frac{a}{b} \) となる。「\( a:b \) は \( a\div b \)」と、左から右へ読む習慣を付けるとよい。割り算の記号 \( \div \) と比の記号 \( : \) は形も似ていると伝えると、順序を思い出す手掛かりになる。ただし、記号の形だけでなく、「前の量が後ろの量の何倍か」を毎回言葉で確認することが大切である。
小数や分数を含む比を簡単にできない
\( 1.2:1.8 \) や \( \displaystyle \frac{1}{2}:\frac{1}{3} \) を簡単にするとき、小数、分数、比の計算が重なって混乱しやすい。小数の比は、まず両方を \( 10 \) 倍して \( 12:18 \) とし、両方を \( 6 \) で割れば \( 2:3 \) になる。分数の比は、両方に分母の最小公倍数を掛けて整数にする。\( \displaystyle \frac{1}{2}:\frac{1}{3} \) なら両方に \( 6 \) を掛けて \( 3:2 \) となる。二つの分数を通分すると \( \displaystyle \frac{3}{6}:\frac{2}{6} \) となるため、分子の \( 3:2 \) を比べる方法も視覚的に分かりやすい。
比例定数の正体が分からない
比例の式 \( y=kx \) にある「決まった数」\( k \) が、実際の数量と結び付かないことがある。\( k \) は「\( x \) が \( 1 \) のときの \( y \)」、つまり1当たりの量である。1個 \( 100 \) 円なら \( k=100 \)、分速 \( 80\,\mathrm{m} \) なら \( k=80 \) となる。表では、対応する \( x \) と \( y \) について \( y\div x \) を計算する。どの組でも商が同じ \( k \) になれば比例である。「決まった数」を探すのではなく、「1個当たり」「1分当たり」の量を求めると捉えると、式と具体的な場面が結び付く。
比例のグラフを原点から描けない
比例では \( x=0 \) のとき \( y=0 \) になることを見落とし、\( y \) 軸の途中から線を引き始めることがある。「1個も買わなければ代金は \( 0 \) 円」「進む時間が \( 0 \) 分なら道のりも \( 0\,\mathrm{m} \)」という具体的な場面で確かめるとよい。比例 \( y=kx \) のグラフは原点 \( (0,0) \) を通る直線になる。ただし、「原点を通る」だけで比例と決めず、表の \( y\div x \) が一定であることや、式が \( y=kx \) の形になることも併せて確認する。
増えたら減る関係をすべて反比例だと思う
「\( x \) が増えると \( y \) が減る」というだけで、\( x+y=10 \) のように和が一定の関係まで反比例だと考えることがある。反比例は単に減る関係ではない。\( x \) が2倍、3倍になると、\( y \) がそれぞれ \( \displaystyle \frac{1}{2} \) 倍、\( \displaystyle \frac{1}{3} \) 倍になる関係である。面積が一定の長方形の縦と横の長さや、同じ道のりを進むときの速さと時間を使うとイメージしやすい。縦を2倍にすれば、同じ面積にするため横は半分になる。同じ道のりなら、速さを2倍にすると必要な時間は半分になる。
反比例の式へ数を当てはめられない
反比例の式 \( \displaystyle y=\frac{k}{x} \) や \( y=k\div x \) に数を当てはめる段階で手が止まりやすい。このときは、式を変形した \( xy=k \) に注目するとよい。対応する \( x \) と \( y \) の積は、どの組でも同じ「決まった数」\( k \) になる。表を縦に見て \( x\times y \) を計算し、「どの列でも全部同じ数になる」と確かめる。分からない値があれば、まず一定の積 \( k \) を求め、\( k\div x \) で対応する \( y \) を求められる。比例が「商で一定」、反比例が「積で一定」であることを対にして覚えると整理しやすい。
項目比例反比例
変化の規則\( x \) が2倍、3倍になると、\( y \) も2倍、3倍になる\( x \) が2倍、3倍になると、\( y \) は \( \displaystyle \frac{1}{2} \) 倍、\( \displaystyle \frac{1}{3} \) 倍になる
見分ける計算\( y\div x \) が一定\( x\times y \) が一定
式の形\( y=kx \)\( \displaystyle y=\frac{k}{x} \)、または \( xy=k \)
グラフ原点を通る直線座標軸に近づく曲線
文章題で比例か反比例か迷ったら、まず表を作り、\( y\div x \) と \( x\times y \) を調べる。商が一定なら比例、積が一定なら反比例である。それでも判断できないときは、\( x \) を2倍にしたとき \( y \) が2倍になるか、半分になるかを考える。具体的な数量、表、式、グラフを行き来して、同じ関係を別の表し方でも確かめることが解決のコツである。

コラム:比例で予測する

比例は、全部を一つずつ数えなくても量を予測できる道具である。例えば、同じ種類の紙 \( 20 \) 枚の重さが \( 90\,\mathrm{g} \) なら、1枚の重さは \( 90\div20=4.5\,\mathrm{g} \) と見積もれる。紙の枚数を \( x \)、重さを \( y\,\mathrm{g} \) とすると、関係式は \( y=4.5x \) である。したがって、\( 300 \) 枚の重さは \( y=4.5\times300=1350\,\mathrm{g} \) と予測できる。
実際の測定値には、紙の湿り具合、はかりの目盛り、包装の重さなどによるずれが生じる。比例の式から得た値は、条件が同じだとみなした予測である。少ない標本から全体を推測するときは、何が比例すると仮定したのか、測定のずれがどの程度ありそうかを併せて考えることが大切である。
紙の枚数 \( x \)20100300
重さ \( y\,\mathrm{g} \)904501350
商 \( y\div x \)4.54.54.5

参考サイト

(この項おわり)
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