2.15 文字を使った式(小学4〜6年)

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箱の数と代金の関係を文字を使った式で教える水奈
変わる数量を文字で表し、いつでも成り立つ関係を見つける
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まだ分からない数や、いろいろな値に変わる数を式に表したいとき、□や△、\( x \)、\( a \) などの記号が役立つ。例えば、1個120円のノートを \( x \) 個買うときの代金は \( 120\times x \) 円と表せる。一つの式で、買う個数が1個の場合も10個の場合も表せるのである。
この項では、□や△で数量の関係を表す方法から、文字に数を当てはめる方法までを学ぶ。式を計算の答えだけでなく、数量どうしの関係を簡潔に伝える文として読み取り、その関係を明確に示す\( \TeX \)表記を紹介する。

目次

本項で扱う範囲

本項の要点
小学4年□や△を使い、未知の数量を含む関係を式に表す
小学5年二つの数量の対応や変わり方を、表と式を関連付けて考える
小学6年\( a \)、\( x \) などの文字を使って数量関係を式に表し、数を当てはめる
式の意味文字が表す数量と、演算の順序や単位を読み取る
\( \TeX \)\square、\triangle、\times、\underbrace を使う

教科書で見かける式

場面表示式の意味
未知の数\( 36+\square=50 \)36にある数を足すと50になる
変わる数\( \triangle=4\times\square \)一方の数量は、もう一方の4倍である
ノートの代金\( 120\times x \)1冊120円のノート \( x \) 冊分
正方形の周り\( a\times4 \)一辺 \( a\,\mathrm{cm} \) の正方形の周りの長さ
長方形の面積\( a\times b \)縦 \( a\,\mathrm{cm} \)、横 \( b\,\mathrm{cm} \) の長方形の面積
代入\( x=4 \) のとき \( 120\times4=480 \)文字 \( x \) に4を当てはめる

\( \TeX \)表記

小学4年では、まだ分からない数を□として \( 36+\square=50 \) のように表す。□は特定の数を隠した記号として使われることが多い。一方、\( \triangle=4\times\square \) のような式では、□に1、2、3と数を入れるたびに、△も4、8、12と変わる。記号を使うと、一つの数だけでなく、二つの数量にいつでも成り立つ関係を表せる。
小学6年では、□や△の代わりに \( x \)、\( a \)、\( b \) などの文字を使う。1冊120円のノートを \( x \) 冊買う代金は \( 120\times x \) 円である。\( x=4 \) なら、\( x \) を4に置き換えて \( 120\times4=480 \) と計算する。このように、文字を具体的な数に置き換えることを代入という。

文字は、その場面で何を表すかを明らかにする必要がある。\( a\times4 \) だけを見ても、\( a \) が正方形の一辺なのか、品物の単価なのかは決まらない。「一辺を \( a\,\mathrm{cm} \) とする」のように、文字の意味と単位を先に定めると式を正しく読める。
小学校では、掛け算の記号を省略して \( 120x \) や \( 4a \) と書く中学校の規則を急いで使う必要はない。まず \( 120\times x \)、\( a\times4 \) と書き、どの数量とどの数量を掛けているかを確かめることが大切である。文字を使った式は答えを隠す暗号ではなく、数量の関係を短く正確に伝える表現である。

\( \TeX \)命令の読み方と意味

\( \TeX \)表記読み方意味
\squareスクエア未知の数などを表す四角形 \( \square \) を表示する
\triangleトライアングル数量を表す三角形 \( \triangle \) を表示する
\timesタイムズ掛け算の記号 \( \times \) を表示する
x=4エックス・イコール・フォー文字 \( x \) が4を表すことを示す
\mathrm{cm}ローマン単位 cm を数式内で立体にする
\underbrace{...}_{...}アンダー・ブレース式の下に波括弧と説明を付ける

よくある間違い

文字を掛け算の記号だと思う
\( x \) は数量を表す文字であり、掛け算の記号 \( \times \) とは異なる。字形と役割を区別する。
文字は一つの決まった数だけを表すと思う
問題によって、文字は未知の一つの数を表す場合と、いろいろな値に変わる数を表す場合がある。
文字に単位を含めて考える
「長さを \( a\,\mathrm{cm} \) とする」とき、\( a \) は数の部分を表し、単位は \( \mathrm{cm} \) で別に示す。
代入するとき文字を残す
\( 120\times x \) で \( x=4 \) なら、\( x \) を4に置き換え、\( 120\times4 \) とする。
演算の順序を変える
\( 500-80\times x \) は、先に \( 80\times x \) を計算してから500より引く。必要なら括弧で関係を確かめる。
式だけを書いて文字の意味を示さない
「冊数を \( x \) 個とする」のように、文字が表す数量を式の前に定める。
文字には0を当てはめられないと思う
場面に合えば0も当てはめられる。ノートを買わない場合は \( x=0 \) で、代金は0円である。
中学校の省略規則を混ぜる
小学段階では \( a\times4 \) の意味を確かめる。中学校では積を \( 4a \) と書く規則を改めて学ぶ。

コピーして使える例

□を使った等式
\( 36 + \square = 50 \)
二つの数量の関係
\( \triangle = 4 \times \square \)
文字を使った代金
\( 120 \times x \)
文字への代入
\( x = 4 \) のとき \( 120 \times 4 = 480 \)
正方形の周りの長さ
\( \underbrace{a + a + a + a}_{\text{4辺}} = a \times 4 \)

練習問題


次の問題を解き、必要な式を\( \TeX \)表記で記述する。
  1. \( 27+\square=45 \) の□に当てはまる数を求める。
  2. 1袋にみかんが6個ずつ入っている。袋の数を \( x \) 袋として、みかんの個数を式に表す。
  3. 1本80円の鉛筆を \( x \) 本買う。代金を式に表し、\( x=7 \) のときの代金を求める。
  4. 一辺が \( a\,\mathrm{cm} \) の正方形について、周りの長さと面積をそれぞれ式に表す。
  5. 1000円を出して、1個 \( x \) 円の消しゴムを3個買う。おつりを式に表し、\( x=120 \) のときのおつりを求める。
解答例
  1. \( 45-27=18 \) より、□は18
  2. \( 6\times x \) 個
  3. 代金は \( 80\times x \) 円。\( x=7 \) のとき \( 80\times7=560 \) より560円
  4. 周りの長さは \( a\times4\,\mathrm{cm} \)、面積は \( a\times a\,\mathrm{cm}^2 \)
  5. おつりは \( 1000-x\times3 \) 円。\( x=120 \) のとき \( 1000-120\times3=640 \) より640円

学習指導要領上の位置づけ

小学校算数では、低学年から数量の関係を加法や乗法などの式に表し、式を読み取る活動を積み重ねる。第4学年では、四則の混合した式や公式を扱うとともに、□や△などを用いて数量の関係を表し、式と具体的な場面を結び付けて考える。
第5学年では、簡単な比例の関係など、伴って変わる二つの数量を表や式で考察する。第6学年では、数量を表す言葉や□、△などの代わりに \( a \)、\( x \) などの文字を用い、数量の関係を式に表したり、文字に数を当てはめて調べたりする。これらの学習は、中学校数学における文字式、方程式、関数の基礎となる。

次項:筆算(小学2~4年)

次項では、加法、減法、乗法、除法の筆算を取り上げる。位をそろえる理由、繰り上がり、繰り下がり、部分積、商と余りを整理し、筆算を読みやすく表す\( \TeX \)表記を紹介する。

コラム:文字は数の入れ物

文字を「数を入れる箱」と考えると、代入の意味をつかみやすい。\( 120\times x \) という式の \( x \) に1を入れれば120、2を入れれば240、10を入れれば1200になる。箱の中身が変わっても、「120を掛ける」という関係は変わらない。文字を使う利点は、多くの場合を一つの式でまとめられることにある。

ただし、文字そのものが空の箱なのではなく、何らかの数を表す記号である。場面によって、まだ分からない一つの数を表すことも、範囲内で変わる数を表すことも、任意の数を代表することもある。文字の役割を判断するには、「何を \( x \) としたか」「値は変わるか」「どの範囲の数を考えるか」を確かめるとよい。
文字の役割例考え方
未知の数\( x+8=20 \)条件を満たす一つの数を求める
変わる数\( 120\times x \)冊数に応じて代金も変わる
数量の代表\( a\times4 \)どの一辺の長さにも成り立つ関係を表す

コラム:方程式の違いと文章題

文字を使った式と方程式の違いは、文字が表す数を求めることが目的かどうかにある。文字を使った式は数量の関係を表し、文字には場面に応じてさまざまな数を当てはめられる。例えば、1本80円の鉛筆を \( x \) 本買う代金は \( 80\times x \) 円である。
一方、方程式は、文字に入る数によって成り立つかどうかが変わる等式であり、その等式を成り立たせる数を求める。鉛筆の代金が400円なら \( 80x=400 \) となり、これを解くと \( x=5 \) である。この5を方程式の解という。

等号を含む式がすべて方程式になるわけではない。\( 3+5=8 \) は文字を含まない等式である。また、\( 2(x+1)=2x+2 \) はどの \( x \) でも成り立つ恒等式である。方程式では、等式を成り立たせる特定の値を探す。
文章題で何を \( x \) にするか迷ったときは、まず問題が「何を求めよ」と尋ねているかを確認し、その数量を \( x \) とする。次に、単位を添えて「鉛筆の本数を \( x \) 本とする」と宣言する。他の未知の数量を \( x \) を使って表し、最後に同じ数量を表す二つの式を等号で結ぶ。この順に整理すると、文章を方程式へ変換しやすい。

例として、「1本80円の鉛筆と1冊120円のノートを合わせて7点買い、720円を支払った。鉛筆は何本か」を考える。問われている鉛筆の本数を \( x \) 本とすると、ノートは \( 7-x \) 冊である。代金の合計に着目すれば、方程式は \( 80x+120(7-x)=720 \) となる。
左辺も右辺も代金を円で表していることを確認する。式を解くと \( 80x+840-120x=720 \)、\( -40x=-120 \)、したがって \( x=3 \) である。確かめとして、鉛筆3本とノート4冊の代金は \( 80\times3+120\times4=720 \) 円、個数は \( 3+4=7 \) 点となり、どちらの条件も満たす。

求める数量を \( x \) とすると他の量を複雑にしか表せない場合は、別の数量を \( x \) としてもよい。大切なのは、未知の数量をなるべく一つの文字で表せること、等号の左右が同じ種類の数量になること、求めた解を元の文章へ戻して条件を確かめることである。「問い」「単位」「数量関係」「等しい量」の四つに印を付けて読むと、何を \( x \) にするか判断しやすくなる。
手順確認すること書き方
問いを探す何を求める問題か鉛筆の本数
文字を定める数量と単位を明記したか鉛筆の本数を x 本とする
他の量を表すすべての未知の量を同じ文字で表せるかノートの冊数は 7-x 冊
等しい量を結ぶ等号の左右が同じ種類、同じ単位か80x+120(7-x)=720

参考サイト

(この項おわり)
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