2.16 筆算(小学2〜4年)

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位取り表を使って筆算を教える水奈
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筆算は、数を位ごとに縦に並べ、一の位から順に計算する方法である。例えば \( 368+457 \) では、一の位、十の位、百の位をそろえ、繰り上がりを次の位へ渡す。決められた手順には、十が集まると一つ上の位へ移る十進位取り記数法の仕組みが表れている。
この項では、加法・減法・乗法・除法の筆算を、位取りや検算と結び付けて整理する。また、array、\hline、\phantomを使い、筆算を読みやすく配置する\( \TeX \)表記を学ぶ。

目次

本項で扱う範囲

本項の要点
小学2年二位数・三位数の加法と減法を筆算で計算する
小学3年多位数の加減と二位数を掛ける乗法の筆算を学ぶ
小学4年二位数で割る除法、小数の加減などの筆算へ広げる
共通位をそろえ、繰り上がり・繰り下がり・余りを確かめる
\( \TeX \)array、\hline、\phantom を使う

教科書で見かける式

計算横の式筆算で確かめる点
加法\( 368+457=825 \)一の位から計算し、十を一つ上の位へ繰り上げる
減法\( 503-278=225 \)上の位から一つ借り、下の位では十として扱う
乗法\( 47\times36=1692 \)一の位と十の位の部分積を一桁ずらして足す
除法\( 735\div21=35 \)商を立て、掛け、引き、下ろす操作を繰り返す
余りのある除法\( 742\div23=32\mathbin{\ldots}6 \)余りが割る数23より小さいことを確かめる

\( \TeX \)表記

加法と減法では、同じ位を縦にそろえる。\( 368+457 \) の一の位は \( 8+7=15 \) なので5を書き、十の位へ1を繰り上げる。減法 \( 503-278 \) では、0の十の位から直接借りられないため、百の位から順に位を組み替える。筆算の小さな数字は飾りではなく、位を移した数の記録である。
乗法 \( 47\times36 \) では、まず \( 47\times6=282 \)、次に \( 47\times30=1410 \) を求める。十の位の3は30を表すため、二つ目の部分積は一桁左へ置く。最後に \( 282+1410=1692 \) と足す。この計算を筆算で表すと、次のようになる。

2行目の部分積にある \( 141\phantom{0} \) は、\( 47\times30=1410 \) を表している。\phantom{0}で一の位の空白を確保すると、部分積を正しい位へそろえられる。

除法 \( 735\div21 \) では、73の中に21が3個あるので十の位に3を立て、\( 73-63=10 \) とする。次に5を下ろし、105の中に21が5個あるので一の位に5を立てる。商は35である。余りがある場合は、必ず割る数より小さくする。
\( \TeX \)では \begin{array}{r} のような配列で数字を右寄せし、\hline で横線を引く。空白だけを確保する \phantom{0} を使うと、数字の位を崩さずに符号を置ける。 \[ \begin{array}{r} 47 \\ \times\phantom{0}36 \\ \hline 282 \\ 141\phantom{0} \\ \hline 1692 \end{array} \]
筆算の例
\[
\begin{array}{r}
47 \\
\times\phantom{0}36 \\
\hline
282 \\
141\phantom{0} \\
\hline
1692
\end{array}
\]

\( \TeX \)命令の読み方と意味

\( \TeX \)表記読み方意味
\begin{array}{r}ビギン・アレイ右寄せの配列を始め、数字の位を縦にそろえる
&アンパサンド複数列を使うときの列の区切りを示す
\\バックスラッシュ二つ配列内で行を改める
\hlineエイチ・ライン筆算の答えの上などに横線を引く
\phantom{0}ファントム0を表示せず、その文字と同じ幅の空白を作る
\overline{...}オーバーライン数や式の上に横線を引く
\ldotsエルドッツ余りなどを示す横向きの三点リーダーを表示する

よくある間違い

数字を左端にそろえる
一の位、十の位、百の位を縦にそろえる。桁数が違う数は右端の一の位を基準に置く。
繰り上がりを書き忘れる
一の位でできた十は十の位へ加える。小さく記録し、次の計算に含める。
繰り下がり後の数字を直さない
上の位から1を借りたら、その位の数は1減る。借りた側では10増えた数として計算する。
乗法の部分積を同じ位置に書く
十の位を掛けた部分積は一桁左へずらす。これは10倍した数を表すためである。
除法の商を違う位に立てる
最初に割られる部分の位を見て、商の十の位か一の位かを決める。
余りが割る数以上になる
余りは必ず割る数より小さくする。大きければ商をさらに1以上増やせる。
小数点を数字と同じように動かす
小数の加減では小数点を縦にそろえる。除法で割る数を整数に直すときは、割られる数の小数点も同じ桁数だけ動かす。
答えを確かめない
減法は差と引く数の和、除法は「割る数×商+余り」で元の数へ戻るか検算する。

コピーして使える例

加法の筆算
\( \begin{array}{r} 368 \\ +\phantom{0}457 \\ \hline 825 \end{array} \)
減法の筆算
\( \begin{array}{r} 503 \\ -\phantom{0}278 \\ \hline 225 \end{array} \)
乗法の筆算
\( \begin{array}{r} 47 \\ \times\phantom{0}36 \\ \hline 282 \\ 141\phantom{0} \\ \hline 1692 \end{array} \)
余りのある除法と検算
\( 742 \div 23 = 32 \mathbin{\ldots} 6, \qquad 23 \times 32 + 6 = 742 \)

練習問題


次の計算を筆算で行い、横の式と答えを\( \TeX \)表記で記述する。
  1. \( 586+749 \)
  2. \( 800-437 \)
  3. \( 68\times47 \)
  4. \( 864\div24 \)
  5. \( 917\div28 \) を計算し、余りが割る数より小さいことを確かめる。
解答例
  1. \( 586+749=1335 \)
  2. \( 800-437=363 \)
  3. \( 68\times47=3196 \)
  4. \( 864\div24=36 \)
  5. \( 917\div28=32\mathbin{\ldots}21 \)。\( 21<28 \) であり、\( 28\times32+21=917 \) となる。

学習指導要領上の位置づけ

小学校第2学年の算数「A 数と計算」では、二位数の加法・減法を中心に筆算の仕方を理解し、三位数などへ広げる。位ごとに計算できるのは、十進位取り記数法によって同じ位の単位がそろっているためである。
第3学年では加法・減法の筆算を多位数へ広げ、二位数や三位数に一位数・二位数を掛ける乗法の筆算を扱う。第4学年では二位数で割る除法の筆算を学び、整数の四則計算をまとめる。また、小数の加法・減法などでも、位をそろえる考え方を用いる。計算結果を見積もりや検算で確かめる態度も重視される。

次項:場合の数(小学6年)

次項では、起こり得る場合を表や樹形図へ整理し、並べ方と組み合わせ方を落ちや重なりなく数える方法を学ぶ。中学校・高等学校で使う順列・組合せの発展的な\( \TeX \)表記も紹介する。

コラム:筆算は位取りの記録

筆算は計算を速く行うためだけの技法ではない。例えば \( 368+457 \) の一の位で \( 8+7=15 \) となるとき、15個の一を「5個の一」と「1個の十」に組み替える。十の位に小さく書く1は、この組み替えを記録したものである。減法の繰り下がりは反対に、1個の百を10個の十へ、1個の十を10個の一へほどく操作である。

数字だけを追うと、0が続く減法や桁数の多い計算で手順を見失いやすい。位取り表、十進ブロック、硬貨などを使い、「今まとめた十はどの位へ行くか」「借りた1はこの位でいくつになるか」を言葉にすると理解しやすい。概算で答えのおよその大きさを予想し、逆算で検算すれば、位のずれや計算間違いにも気付きやすくなる。

参考サイト

(この項おわり)
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