会津さざえ堂は二重螺旋でめぐる

2016年8月15日 撮影
会津さざえ堂
会津さざえ堂(福島県会津若松市一箕町八幡弁天下1404)は、会津白虎隊の墓所がある飯盛山の中腹にある。動く坂道で飯盛山に登った後、徒歩で降りるコースの途中にある。

正式名称は「円通三匝堂 (えんつうさんそうどう) 」といい、仏堂の一種である。1796年(寛政8年)に正宗寺の仏堂として建てられ、当時は阿弥陀如来を本尊とし、斜路には三十三観音像が安置されていたという。1995年(平成7年)、国の重要文化財に指定された。
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会津さざえ堂
上から見たところ。

六角形、三層構造の木造建造物である。外観がサザエに似ているところから、この名前が付いたとされているが、本当に奇妙な形をしている。
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会津さざえ堂
入場料を払って内部の見学ができる。土足で入れる重要文化財というのも珍しい。
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会津さざえ堂
内部は、スロープになっており、3階まで歩いて上ることができる。途中、上りスロープと下りスロープが出会うことはない。これは二重螺旋構造のためである。木造のきしむ音もさることながら、身体が傾いているような奇妙な感覚にとらわれる。

仏教の礼法である右繞三匝 (うにょうさんぞう) に基づき、順路に沿って三十三観音が配置されており、堂内を進むだけで巡礼が叶うような構造となっている。
なお、正宗寺は、明治初期の廃仏毀釈で廃寺となり、現在は山主飯盛本店が管理している。堂内にあった三十三観音像は他所へ移され、代わりに皇朝二十四孝の額が取りつけられている。
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3階の天井には多くの千社札 (せんじゃふだ) が貼られている。落書きも随所に見られるが、もちろん、現在は落書きや札貼りは禁止である。
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会津さざえ堂
木造であるから傷むのも早い。1890年(明治23年)、地元有志の寄付による大修理が行われた。

1965年(昭和40年)、日本大学理工学部教授の小林文次 (ぶんじ) 博士による学術調査で、「世界唯一の二重らせんスロープを持つ木造建築」「模倣ではなく天才的な創造」と評価された。
小林博士は、フランスの世界遺産であるシャンボール城内部の、レオナルド・ダ・ヴィンチの設計とも伝えられる二重螺旋階段が蘭書に掲載され、めぐりめぐって会津地方まで伝わったのではないかという仮説を述べたが、物的証拠は出ていない。
大正天皇、昭和天皇、今上天皇が御登臨されている。
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会津さざえ堂
さざえ堂の前の階段を下っていくと、「天高し ピサの斜塔と さざえ堂」(櫻桃子 (おうとうし) )の句碑が建っている。ピザの斜塔があるイタリア出身のレオナルド・ダ・ヴィンチをかけているのだろうか。
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交通アクセス

会津若松駅からバスで約10分。まちなか周遊バスの1日フリー乗車券がお得だ。
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出発地の最寄駅:

目的地:会津さざえ堂

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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