豊後の森機関庫公園には「あの扉」がある

2023年8月3日 撮影
豊後の森機関庫公園
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豊後の森機関庫公園
豊後の森機関庫公園(大分県玖珠郡玖珠町岩室36-15)は、1971年(昭和46年)4月に廃止になった国鉄・久大本線 (きゅうだいほんせん) 豊後森 (ぶんごもり) 機関庫を、2006年(平成18年)に玖珠町がJR九州から買い取り、公園として整備を進めている。九州で唯一、扇型機関庫が残っている場所だ。
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あの扉
2022年11月に公開されたアニメ映画『 すずめの戸締まり』の序盤に豊後森機関庫を思わせるシーンがあり、そこに登場する白い扉が、2023年6月29日に設置された。玖珠町観光協会が「あの扉製作プロジェクト」を立上げ、地元高校生も製作に参加したという。
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豊後の森機関庫公園
2009年(平成21年)2月に機関庫と転車台が近代化産業遺産に認定され、2012年(平成24年)8月に機関庫及び転車台がそれぞれ国の登録有形文化財に登録された。
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久大線は1920年(大正9年)から建設が始まり、1929年(昭和4年)に豊後森駅が開業し、1934年(昭和9年)に全通した。1934年(昭和9年)には豊後森機関区も発足し、10両機関車庫と技工長室、道具置場がつくられた。豊後森機関区は1948年(昭和23年)頃に最盛期を迎え、車両25両、乗務員他職員217名が配置された。
太平洋戦争中には軍事輸送の拠点となっていたため、米軍機の機銃掃射にあい、1945年(昭和20年)8月4日には職員3名が死亡するという惨事が起きた。機関庫の壁には、いまも機銃掃射の跡が残っている。

1970年(昭和45年)9月に久大線無煙化により蒸気機関車が姿を消し、翌1971年(昭和46年)4月に豊後森機関区は廃止となった。現在は線路が外され、直径18.5メートルの転車台を中心に半径47.84メートルで放射状に広がる扇形機関庫を残すのみとなっている。

また、1919年(大正8年)に製造された 9600形蒸気機関車(29612号)が静態展示されている。
この機関車は長崎本線や唐津線で旅客、貨物の輸送に活躍し、1945年(昭和20年)8月9日に長崎に原爆が投下されたときには、多くの被災者を乗せ、人命救助に貢献した。
1974年(昭和49年)12月に引退し、福岡県志免町の公園に静態保存されていたが、2013年(平成25年)12月に老朽化による解体処分が決まった。「もうすぐ製造から100年となる蒸気機関車を救って欲しい」との声を受け、玖珠町に譲渡する形で補修が行われ、2015年(平成27年)6月から豊後の森機関庫公園で静態保存展示がはじまった。

交通アクセス

【鉄道】
  • JR久大本線「豊後森駅」より徒歩3分
【自動車】
  • 大分自動車道の玖珠ICより車で3分
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出発地の最寄駅:

目的地:豊後の森機関庫公園
 関連

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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