『リーダーは95歳』――医療はロマンかビジネスか

大久保隆弘=著
表紙 リーダーは95歳
著者 大久保隆弘
出版社 ダイヤモンド社
サイズ 単行本
発売日 2006年11月
価格 2,200円(税込)
ISBN 9784478720271
本書の執筆に際して、インタビューにご協力にいただいた聖路加国際病院の皆様に厚く感謝の意を表する。医療の専門知識に乏しい筆者に対して、懇切丁寧に説明をいただくとともに、医療に人生を捧げられるその情熱と真摯な姿勢は、強く印象に残っている。(327ページ)

概要

聴診器と医者のイラスト(健康診断)
「医療崩壊」が囁かれている。患者とのコミュニケーション不足から医師は訴えられ、患者に必要なサービスを提供すれするほど病院は赤字となる――こんな最悪の状況の中、90歳を超えてなお現役医師として患者と接する日野原重明氏が牽引する聖路加国際病院の現場スタッフのインタビューを中心としたドキュメント本である。筆者の考えは控えめに、あくまで現場の言葉をそのまま文字にしているところに好感が持てる。
聖路加国際病院は、地下鉄サリン事件の際に大量の患者を引き受けた病院として一躍脚光を浴びた。アメリカナイズされた経営、キリスト教の教えに基づくケアをするだけでは、日本の民間病院として存続し、人気を得ることはできない。

本書を読むと、現場の努力がどれほどのものであるか、そして日本の医療制度が抱える問題、ひいては我々患者自身の問題を含め、いろいろと考えさせられる。
(2007年1月31日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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