『既存のビジネスを破壊するグーグル』

佐々木俊尚=著
表紙 既存のビジネスを破壊する
著者 佐々木 俊尚
出版社 文藝春秋
サイズ 新書
発売日 2006年04月20日頃
価格 836円(税込)
rakuten
ISBN 9784166605019
グーグルこそが、「神の遍在」なのである。それがわれわれにとって薔薇色の夢となるのか、それとも暗黒の悪夢となるのかは、まだだれにもわからない。(242ページ)

概要

Google
Google
著者は、『ヒルズな人たち』『検索エンジン戦争』の、佐々木俊尚 (ささき としなお) さん。Googleのビジネスモデルを「人からどれだけ注目(アテンション)されるか」(197ページ)に着目したものだと評する。
Google検索の肝である被リンク数が、まさにアテンションである。そして、Googleアドセンスを登場させたことにより、アテンションが貨幣価値を持つようになったのである。

佐々木さんは、「アテンションがすべてを支配するアテンションエコノミーの世界では、『囲い込み』という戦略はあり得ない」(200ページ)と指摘する。そして、「人々がお互いのアテンションに基づいてさまざまなコンテンツや情報を流通させる際に、その流通を『仲介』することが、最高の戦略」であると述べ、これがGoogleビジネスモデルの根幹なのである。

著者は最後に、いささか修辞的ではあるが、「グーグルこそが『神の遍在』」(242ページ)と締めくくる。私も著者と同じで、Googleが米国政府の手先にならないことを願うばかりである。これは、あらゆるメディアにつきまとう問題なのだが、現在のマスメディアと違って、Googleの影響力はリアルタイムにワールドワイドに及ぶだけに、権力者に屈した場合の影響は計り知れない。
(2009年1月28日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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