『「騙されない!」ための経済学?』――もっと賢くなろう

森永卓郎=著
表紙 「騙されない!」ための経済学?
著者 森永卓郎
出版社 PHP研究所
サイズ 新書
発売日 2008年05月
価格 880円(税込)
rakuten
ISBN 9784569648972
経済なんてわからなくていい、勉強する必要がないというあなたは、間違っている。(14ページ)

概要

札束で殴る人のイラスト(棒人間)
テレビのコメンテーターとしてお馴染みの森永卓郎さんの経済学入門書――小泉政権の新自由主義や、それを報じた新聞やテレビなどのマスメディアを批判しつつ、経済的弱者、経済をよく知らない人にとって、とても分かりやすく書いてある。
「小泉構造改革には、もともと国民の生活をよくするなどという前提はなかった」(106ページ)、「経済がデフレのまま利上げをすれば、弱い立場にいる企業や個人が確実にダメージを受けます」(125ページ)など、文章の歯切れがいい。
ただ逆に考えると、小泉政権が終わってからの後出しジャンケン的な論調であり、よって、本書の内容が全面的な「真実」だとも言い切れない。

経済なんてわからなくていい、勉強する必要がないというあなたは、間違っている」(14ページ)という森永さんの意見には全面的に賛成するが、ゆえに、「ボーッとした人でもしあわせに生きていける、日本をそんな国にしていきたいというのが私の願い」(205ページ)というのは矛盾する。日本人は、もっともっと勉強して競争して、賢くならなければならないと思う。
(2010年1月25日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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