『地デジにしたいなんて誰が言った!?』

荒川顕一=著
表紙 地デジにしたいなんて誰が言った!?
著者 荒川顕一
出版社 晋遊舎
サイズ 新書
発売日 2008年08月
価格 792円(税込)
rakuten
ISBN 9784883807949
そもそも、地デジではなく、放送を全てBS、CSなどの衛星に移行するならば、200億円程度の費用で済むとされている。(169ページ)

概要

テレビのアンテナのイラスト(パラボラアンテナ)
地デジにしたいなんて誰が言った!?――少なくとも我が家では誰一人言っていません(笑)。
しかも我が家のテレビは15インチ4:3サイズのブラウン管。もちろん地上アナログしか移りません。あと2ヶ月もしないうちに見られなくなっちゃうんですね、このテレビ。ああ、勿体ない。
というわけで、筆者によれば「現在買い換えの必要なAV機器の台数が、概算で7千万台あるということです。全てのメーカーが力を合わせても、年間の生産が1千万台というのが現状」(38ページ)というから、本書が発行された3年前から数えると、まだ4千万台のアナログAV機器が残っているはず。大本営発表によれば地デジ化率は9割に届く勢いだというが、先月のパナソニックの調べによると「レコーダーの地デジ化率はまだ半数」とのこと。
地デジはコピーガードが厳しいので、レコーダー所有者が全員地デジ対応レコーダに乗り換えるとは思えないが、そうなると数千万台に及びアナログAV機器の運命はどうなるのだろう。海外へ中古品として輸出されればいいのだが、それも限界があるだろう。有料で廃棄物引き取り申請せずに、不法投棄する事例が増えるのではないだろうか。

レビュー

それにしても、なぜ「地デジ」でなければならないのか?
BSやCSにすれば僻地や高層ビル対策に悩まずに済むし、インターネットならいつでも好きな番組が見れるし、より高画質で見たかったらBlu-rayをレンタルすればいい。
加えて、3月の東日本大震災と節電対策で、巨大な液晶テレビを買っている場合ではない。
ワンセグだってVHS並の画質なんだから、これで十分じゃない?――などと思う2011年6月1日の私でした。
(2011年6月1日 読了)
(この項おわり)
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