AI生成コンテンツ / AI-generated content
目次
本項で扱う範囲
本項の要点
中学1年数量を文字で表し、積・商の書き方と式の値を学ぶ
計算項と係数を見分け、一次式の加減と数との乗除を行う
活用代金や長さを式にし、等式・不等式で関係を表す
\( \TeX \)
\frac、^{2}、\left、\right、\leqqを使う
小学校で使った□や言葉の式を、\( a \) や \( x \) などの文字を使う式へ広げる。同じ場面の同じ文字は、同じ数を表す。異なる文字が同じ値を取ることはある。
本項の計算は一つの文字を含む簡単な一次式が中心である。二つの文字を掛けた形や累乗は「表し方」として扱い、多項式同士の積は後の項で学ぶ。正の数と負の数の計算も確かめておこう。
本項の計算は一つの文字を含む簡単な一次式が中心である。二つの文字を掛けた形や累乗は「表し方」として扱い、多項式同士の積は後の項で学ぶ。正の数と負の数の計算も確かめておこう。
教科書で見かける式
文字を使う前に、何を、どの単位で表すかを決める。ノートの冊数なら \( x \) は0以上の整数である。文字に入れられる数は、場面によって制限される。
文字式では掛け算の記号を省き、数を文字の前に書く。\( a\times3=3a \)、\( a\times b=ab \)、\( 1\times a=a \)、\( (-1)\times a=-a \) とする。数字だけの \( 2\times3 \) は23と書けない。同じ文字の積 \( a\times a \) は \( a^{2} \) と表す。
割り算は分数を使い、\( \displaystyle a\div3=\frac{a}{3} \) と書く。\( \displaystyle a\div b=\frac{a}{b} \) では \( b\ne0 \) が必要である。
文字式では掛け算の記号を省き、数を文字の前に書く。\( a\times3=3a \)、\( a\times b=ab \)、\( 1\times a=a \)、\( (-1)\times a=-a \) とする。数字だけの \( 2\times3 \) は23と書けない。同じ文字の積 \( a\times a \) は \( a^{2} \) と表す。
割り算は分数を使い、\( \displaystyle a\div3=\frac{a}{3} \) と書く。\( \displaystyle a\div b=\frac{a}{b} \) では \( b\ne0 \) が必要である。
| 場面・内容 | 式 | 意味 |
|---|---|---|
| ノートと袋の代金 | \( 120x+20 \) 円 | 1冊120円のノートを \( x \) 冊と、20円の袋を一つ買う |
| 長方形の周 | \( 2(a+b) \) cm | 縦 \( a \) cm、横 \( b \) cmの辺をそれぞれ2本足す |
| 3人で等分 | \( \displaystyle \frac{a}{3} \) L | \( a \) Lの飲み物を3人に等しく分けた1人分 |
| 代金の上限 | \( 120x+20\leqq500 \) | 代金が500円以下であることを表す |
文字に数を当てはめることを代入といい、計算した結果を式の値という。\( x=-2 \) のとき、\( 3x+5=3\times(-2)+5=-1 \) である。負の数は括弧で囲んで代入する。\( x^{2} \) の値は \( (-2)^{2}=4 \)、\( -x^{2} \) の値は \( -(-2)^{2}=-4 \) となる。
式を加法だけで表したときの一つ一つの部分を項という。\( 3x-5=3x+(-5) \) の項は \( 3x \) と \( -5 \) である。文字を含む項の数の部分を係数といい、\( 3x \) の係数は3、\( -x \) の係数は \( -1 \) である。文字を含まない項は定数項と呼ぶ。
ここでは \( 3x-5 \) や \( -2x \) のように、文字の次数が1の項だけ、またはそれと数の項の和で表される式を一次式という。\( x^{2}+1 \) は一次式ではない。
同じ文字の項は分配法則でまとめる。\( 3x+2x=(3+2)x=5x \) だが、\( 3x+2 \) はこれ以上まとめられない。
式を加法だけで表したときの一つ一つの部分を項という。\( 3x-5=3x+(-5) \) の項は \( 3x \) と \( -5 \) である。文字を含む項の数の部分を係数といい、\( 3x \) の係数は3、\( -x \) の係数は \( -1 \) である。文字を含まない項は定数項と呼ぶ。
ここでは \( 3x-5 \) や \( -2x \) のように、文字の次数が1の項だけ、またはそれと数の項の和で表される式を一次式という。\( x^{2}+1 \) は一次式ではない。
同じ文字の項は分配法則でまとめる。\( 3x+2x=(3+2)x=5x \) だが、\( 3x+2 \) はこれ以上まとめられない。
| 計算 | 途中の式と結果 |
|---|---|
| 一次式の加法 | \( (3x+2)+(2x-5)=3x+2x+2-5=5x-3 \) |
| 一次式の減法 | \( (3x+2)-(2x-5)=3x-2x+2+5=x+7 \) |
| 数を掛ける | \( 3(2x-1)=6x-3 \) |
| 数で割る | \( \displaystyle (6x-9)\div3=\frac{6x-9}{3}=2x-3 \) |
括弧の前がマイナスなら、括弧内のすべての項の符号を変える。数を掛けたり数で割ったりするときも、各項に同じ計算を行う。ただし0で割ることはできない。
等号で数量の関係を表した式を等式、不等号を使った式を不等式という。ノートと袋の代金が500円なら \( 120x+20=500 \)、500円以下なら \( 120x+20\leqq500 \)、500円未満なら \( 120x+20<500 \) である。「以下」は500円ちょうども含む。式で関係を表すことと、条件を満たす文字の値を求めることを区別しよう。
等号で数量の関係を表した式を等式、不等号を使った式を不等式という。ノートと袋の代金が500円なら \( 120x+20=500 \)、500円以下なら \( 120x+20\leqq500 \)、500円未満なら \( 120x+20<500 \) である。「以下」は500円ちょうども含む。式で関係を表すことと、条件を満たす文字の値を求めることを区別しよう。
\( \TeX \)表記
文中の数式は \( と \) で囲む。例えば \( 3x + 2 \) で \( 3x+2 \) と表示される。以下のコード欄には区切りの内側を示す。
文字は数式内にそのまま入力すれば斜体になる。3x は表示のための表記であり、入力するだけで計算が実行されるわけではない。
文字は数式内にそのまま入力すれば斜体になる。3x は表示のための表記であり、入力するだけで計算が実行されるわけではない。
| \( \TeX \)表記 | 表示 | 書き方の要点 |
|---|---|---|
3x + 2 | \( 3x+2 \) | 加法の記号は省略しない |
\frac{a+b}{3} | \( \displaystyle \frac{a+b}{3} \) | 分子と分母をそれぞれ波括弧でまとめる |
x^{2} | \( x^{2} \) | 指数の範囲を波括弧で指定する |
2\left(x+\frac{1}{2}\right) | \( \displaystyle 2\left(x+\frac{1}{2}\right) \) | 分数の高さに合わせて丸括弧を拡大する |
120x+20 \leqq 500 | \( 120x+20\leqq500 \) | 以下を表す不等号を入力する |
{ } は命令が受け取る範囲をまとめる波括弧で、通常は画面に出ない。式に見せたい丸括弧は ( ) と書く。\frac{a+b}{3} では分子全体が \( a+b \) になる。
分数を含むインライン数式には \displaystyle を付ける。例えば \( \displaystyle \frac{a+b}{3} \) とする。分数を含まない \( 3x+2 \) には付けない。
計算過程は aligned 環境で等号の位置をそろえられる。& が位置合わせ、\\ が改行の指定である。
分数を含むインライン数式には \displaystyle を付ける。例えば \( \displaystyle \frac{a+b}{3} \) とする。分数を含まない \( 3x+2 \) には付けない。
計算過程は aligned 環境で等号の位置をそろえられる。& が位置合わせ、\\ が改行の指定である。
\[
\begin{aligned}
(3x+2)-(2x-5) &= 3x+2-2x+5 \\
&= (3-2)x+(2+5) \\
&= x+7
\end{aligned}
\]
\( \TeX \)命令の読み方と意味
読み方は覚えるための目安である。英字や記号だけで書けるものと、バックスラッシュから始まる命令を区別しよう。
| \( \TeX \)表記 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
\frac{a}{b} | フラック | 分数(fraction)の分子と分母を指定する |
\times / \div | タイムズ/ディバイド | 掛け算/割り算の記号 |
^{2} | キャレット、波括弧の中に2 | 直前の文字や括弧の右肩に指数を付ける |
\left( / \right) | レフト/ライト | 式の高さに合わせた左右の括弧 |
\leqq / \geqq | レス・イコール/グレーター・イコール | 以下/以上を表す不等号 |
\ne | ノット・イコール | 等しくないことを表す |
\displaystyle | ディスプレイスタイル | 分数などを独立表示に近い大きさにする |
\begin{aligned} ~ \end{aligned} | ビギン/エンド・アラインド | 複数行をそろえる環境の始まりと終わり |
よくある間違い
- 足し算でも記号を省く
- \( a+b \) のプラスは省けない。\( ab \) は \( a\times b \) を表す。
- 係数1の省略と項の消去を混同する
- \( 1x=x \)、\( -1x=-x \) である。係数が0のときに \( 0x=0 \) となる。
- 文字の項と数の項をまとめる
- \( 3x+2 \) はそのままである。まとめられる例は \( 3x+2x=5x \) である。
- 負の数を括弧なしで代入する
- \( x=-2 \) のとき、\( x^{2}=(-2)^{2}=4 \) とする。\( -2^{2}=-4 \) とは異なる。
- 引く式の最初の項だけ符号を変える
- \( -(2x-5)=-2x+5 \) と、両方の項の符号を変える。
- 括弧の最初の項だけに数を掛ける
- \( 3(2x-1)=6x-3 \) であり、マイナス1にも3を掛ける。
- 分子の範囲を間違える
- \( \displaystyle \frac{a+b}{3} \) は
\frac{a+b}{3}と書く。\( \displaystyle a+\frac{b}{3} \) とは異なる。
- 以下と未満を混同する
- \( x\leqq5 \) は5を含み、\( x<5 \) は5を含まない。
- 掛け算に英字を使う
- 掛け算記号は
\times、未知の数などを表す文字はxを使う。
コピーして使える例
区切りを含めてコピーできる。\( \TeX \)を表示するで設定したKaTeXの自動描画を使うページに貼り付けよう。
積の省略
\( 120 \times x = 120x \)
分数を含む文字式
\( \displaystyle \frac{a+b}{3} \)負の数の代入
\( 3 \times (-2) + 5 = -1 \)
一次式の減法
\[
\begin{aligned}
(3x+2)-(2x-5) &= 3x+2-2x+5 \\
&= x+7
\end{aligned}
\]数を掛ける
\( 3(2x-1)=6x-3 \)
数量の関係
\( 120x+20 \leqq 500 \)
練習問題
まず数学として答えを求め、次に \( \TeX \)表記を書こう。分数の分子と分母、負号の位置も点検する。
- \( a\times5 \)、\( b\div4 \)、\( (-1)\times x \)、\( y\times y \) を、文字式の約束に従って表す。
- \( x=-3 \) のとき、\( 2x+7 \) と \( x^{2} \) の値を求める。
- \( -4x+9 \) の項と、文字を含む項の係数を答える。
- \( (5x-3)+(2x+8) \) と \( (5x-3)-(2x+8) \) を計算する。
- \( -2(3x-4) \) と \( (8x-12)\div4 \) を計算する。
- 1個80円の品物を \( n \) 個と、30円の袋を一つ買う。代金を文字式で表し、\( n=4 \) のときの代金を求める。代金が500円以下という関係も表す。
- \( \displaystyle \frac{x+2}{5} \) の表記を書き、\( x=3 \) のときの値を求める。
解答と考え方
- \( 5a \)、\( \displaystyle \frac{b}{4} \)、\( -x \)、\( y^{2} \)。表記は
5a、\frac{b}{4}、-x、y^{2}。 - \( 2\times(-3)+7=1 \)、\( (-3)^{2}=9 \)。負の数全体を括弧で囲む。
- 項は \( -4x \) と9、係数は \( -4 \)。符号も項や係数の一部である。
- \( 7x+5 \)、\( 3x-11 \)。減法では \( 5x-3-2x-8 \) とする。
- \( -6x+8 \)、\( 2x-3 \)。括弧内の両方の項に計算を行う。
- 代金は \( 80n+30 \) 円。4個なら \( 80\times4+30=350 \) 円。関係は \( 80n+30\leqq500 \)。表記は
80n+30 \leqq 500。 \( \displaystyle \frac{x+2}{5} \)。式の値は \( \displaystyle \frac{3+2}{5}=1 \)。
学習指導要領上の位置づけ
中学校学習指導要領(2017年告示)解説 数学編の第1学年「A 数と式」の「文字を用いた式」に対応する。文字を使う意味、乗法・除法の表し方、簡単な一次式の加減、数量の関係や法則を式に表して読み取ることが中心である。
本項では、買い物や長方形の周などの具体的な場面と式を結び付け、項と係数、数との乗除、等式・不等式の読み書きまで扱う。小学校の文字を用いた式の学習を土台に、負の数の代入にも広げる。\( \TeX \)の命令は本講座で加える表記技術であり、学習指導要領で必修とされる内容ではない。
本項では、買い物や長方形の周などの具体的な場面と式を結び付け、項と係数、数との乗除、等式・不等式の読み書きまで扱う。小学校の文字を用いた式の学習を土台に、負の数の代入にも広げる。\( \TeX \)の命令は本講座で加える表記技術であり、学習指導要領で必修とされる内容ではない。
次項:一次方程式と比例式(中学1年)
次は一次方程式と比例式(中学1年)へ進む。\( 120x+20=500 \) のような等式を成り立たせる文字の値を、等式の性質を使って求める。比例式の解き方と、途中の式をそろえる表記も学ぶ。
コラム:文字は「まだ分からない数」だけではない
文字を見たら、必ず値を求めなければならないと思っていないだろうか。\( 120x \) は、冊数を変えて何度でも使える代金の式である。3冊でも5冊でも、同じ関係を一つの式にできる。
一方、\( 120x=600 \) という条件では、その条件を満たす冊数を調べる。また、\( a+b=b+a \) は、数を入れ替えても和が変わらないという法則を表している。
文字が何を表し、式がどのような役割を持つかを読むことが大切である。文字式を覚えるときは、記号の操作に進む前に「何の数か」「どの単位か」「どんな数を入れられるか」を言葉で説明してみよう。
一方、\( 120x=600 \) という条件では、その条件を満たす冊数を調べる。また、\( a+b=b+a \) は、数を入れ替えても和が変わらないという法則を表している。
文字が何を表し、式がどのような役割を持つかを読むことが大切である。文字式を覚えるときは、記号の操作に進む前に「何の数か」「どの単位か」「どんな数を入れられるか」を言葉で説明してみよう。
移動の式:どの文字が未知数かは、問題によって変わる
一定の速さで進むとき、距離を \( d \)、速さを \( v \)、時間を \( t \) とすれば、\( d=vt \) と表せる。距離をkm、速さをkm/h、時間をhでそろえると、時速4kmで1.5時間歩く距離は \( d=4\times1.5=6 \) より6kmとなる。このとき \( v \) と \( t \) は分かっている値であり、求めたいのは \( d \) である。
同じ式で、時速4kmで6km進む時間を求めることもできる。今度は \( 6=4t \) を満たす \( t=1.5 \) を求める。式が表す関係は変わらず、どの量が分かっているかが変わっただけである。文字を使った式は、どの文字が未知数かを固定していない。複雑な式でなくても、文字で関係を表す利点はある。
一定の速さで進むとき、距離を \( d \)、速さを \( v \)、時間を \( t \) とすれば、\( d=vt \) と表せる。距離をkm、速さをkm/h、時間をhでそろえると、時速4kmで1.5時間歩く距離は \( d=4\times1.5=6 \) より6kmとなる。このとき \( v \) と \( t \) は分かっている値であり、求めたいのは \( d \) である。
同じ式で、時速4kmで6km進む時間を求めることもできる。今度は \( 6=4t \) を満たす \( t=1.5 \) を求める。式が表す関係は変わらず、どの量が分かっているかが変わっただけである。文字を使った式は、どの文字が未知数かを固定していない。複雑な式でなくても、文字で関係を表す利点はある。
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水を温める式:複数の量を一つの関係で表す
水を温めるのに必要な熱量は、\( Q=mc(T_{2}-T_{1}) \) と表せる。\( m \) は水の質量、\( c \) は水の比熱、\( T_{1} \) は初めの温度、\( T_{2} \) は温めた後の温度である。例えば20℃から40℃に温めるなら、温度差は20℃となる。水の量や温度が変わっても、同じ式に値を入れて考えられる。
水を温めるのに必要な熱量は、\( Q=mc(T_{2}-T_{1}) \) と表せる。\( m \) は水の質量、\( c \) は水の比熱、\( T_{1} \) は初めの温度、\( T_{2} \) は温めた後の温度である。例えば20℃から40℃に温めるなら、温度差は20℃となる。水の量や温度が変わっても、同じ式に値を入れて考えられる。
比熱とは、物質の単位質量の温度を1℃上げるために必要な熱量である。水をkgで量り、熱量をJ(ジュール)で表すなら、水の比熱はおよそ4200 J/(kg・℃)として計算できる。水が液体のままで、温度範囲内の比熱を一定とみなす場合の式である。沸騰して水蒸気になる変化などは、この式だけでは扱えない。
\( T_{2}-T_{1} \) は温度の上昇幅であり、\( \Delta T \) とまとめて \( Q=mc\Delta T \) とも書ける。記号 \( \Delta \) はここでは変化量を表す。\( T_{1} \) と \( T_{2} \) の右下の数字は、初めと後を区別する添字であり、掛け算や累乗ではない。表記は

この場面で、\( m \) ははかりで測った値、\( T_{1} \) は温度計で測った値、\( T_{2} \) は目標として決める値にできる。\( c \) は物質の性質を表し、ここでは一定の値として扱う。\( Q \) は、それらを使って求める結果である。測定値・設定値・物質の性質・計算結果を、一つの式で結び付けているのである。文字はすべて「まだ分からない数」というわけではない。
例えば0.5kgの水を20℃から40℃へ温めると、水が受け取る熱量は \( Q\approx0.5\times4200\times(40-20)=42000 \) より約42000Jとなる。同じ温度差なら、水の質量が2倍になると必要な熱量も2倍になる。式は数値を計算するだけでなく、条件を変えたときに結果がどう変わるかも教えてくれる。

ただし、ここで求めたのは水そのものを温める熱量である。実際の電気ケトルの消費電力量には、容器を温める分や周囲へ逃げる熱なども関わる。式に文字を入れる前に、どの範囲の現象を表す式かを確かめる必要がある。
この物理の式は発展的な例であり、今すべてを暗記する必要はない。文字は未知数の代役であると同時に、量の関係を一般的に表す道具でもあるという点に注目したい。値を代入する、条件を変える、別の量を求めるという使い方を通して、文字式が日常の計算や自然現象を説明する共通の言葉であることが見えてくる。
\( T_{2}-T_{1} \) は温度の上昇幅であり、\( \Delta T \) とまとめて \( Q=mc\Delta T \) とも書ける。記号 \( \Delta \) はここでは変化量を表す。\( T_{1} \) と \( T_{2} \) の右下の数字は、初めと後を区別する添字であり、掛け算や累乗ではない。表記は
Q=mc(T_{2}-T_{1}) となる。\( mc \) は \( m\times c \) の掛け算を省略したもので、文字式の約束が物理の式にも使われている。
この場面で、\( m \) ははかりで測った値、\( T_{1} \) は温度計で測った値、\( T_{2} \) は目標として決める値にできる。\( c \) は物質の性質を表し、ここでは一定の値として扱う。\( Q \) は、それらを使って求める結果である。測定値・設定値・物質の性質・計算結果を、一つの式で結び付けているのである。文字はすべて「まだ分からない数」というわけではない。
例えば0.5kgの水を20℃から40℃へ温めると、水が受け取る熱量は \( Q\approx0.5\times4200\times(40-20)=42000 \) より約42000Jとなる。同じ温度差なら、水の質量が2倍になると必要な熱量も2倍になる。式は数値を計算するだけでなく、条件を変えたときに結果がどう変わるかも教えてくれる。
ただし、ここで求めたのは水そのものを温める熱量である。実際の電気ケトルの消費電力量には、容器を温める分や周囲へ逃げる熱なども関わる。式に文字を入れる前に、どの範囲の現象を表す式かを確かめる必要がある。
この物理の式は発展的な例であり、今すべてを暗記する必要はない。文字は未知数の代役であると同時に、量の関係を一般的に表す道具でもあるという点に注目したい。値を代入する、条件を変える、別の量を求めるという使い方を通して、文字式が日常の計算や自然現象を説明する共通の言葉であることが見えてくる。
参考サイト
- 中学校学習指導要領(2017年告示)解説 数学編:文部科学省
- Supported Functions:KaTeX
- Heat, Specific Heat, and Heat Transfer:OpenStax
(この項おわり)

この項では文字式の約束、代入、一次式の計算を学び、分数や括弧を読みやすく表す \( \TeX \)表記を身に付ける。