武蔵陵墓地(多摩御陵)には大正・昭和天皇が眠る

2007年1月3日 撮影
多摩御陵入口
多摩御陵は、昭和天皇陵が造営される以前の名称で、現在は武蔵陵墓地が正式名称である。東京都八王子市にある皇室墓地で、大正天皇、貞明皇后、昭和天皇、香淳皇后の四陵が存在する。
大正天皇陵は「多摩陵 (たまのみささぎ) 」、昭和天皇陵は「武藏野陵 (むさしののみささぎ) 」と呼ばれる。
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2009年(平成21年)1月7日、昭和天皇の死去から20年の節目の日に、「昭和天皇二十年式年祭の儀」が武蔵野陵と皇居・宮中三殿で行われた。
武蔵野陵には、天皇・皇后陛下をはじめとする皇族方、麻生首相ら三権の長、閣僚ら約80人が参列。天皇陛下が陵の前で玉串をささげて拝礼し、「御告文(おつげぶみ)」を読み上げた。
宮中三殿で行われた皇霊殿の儀には、昭和天皇の親族ら約40人が参列し、天皇陛下の名代として皇太子さまが、皇后さまの名代として雅子さまが、それぞれ拝礼した。
多摩御陵警備派出所
入り口のそばには、高尾警察署の多摩御陵警備派出所がある。万が一の事態に備え、24時間365日、警官が常駐している。
多摩御陵警備派出所の大きな写真大きな写真
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2008年(平成20年)6月、宮内庁が公開した「大正天皇実録」によると、地盤が地震に強く、万葉集に詠まれた「多麻の横山」の故地であることから、この地が選ばれたことが分かった。また、明治天皇の「伏見桃山陵」に「依リ」「準ジ」という記述が多く見られ、明治天皇陵を意識していることも明らかになった。

昭和天皇陵「武蔵野陵」

昭和天皇陵
第124代天皇、昭和天皇裕仁(1901年4月29日~1989年(昭和64年)1月7日)は、神話上の天皇を除き、在位期間が最長で、最も長命の天皇であった。
崩御直後の1月17日に陵所地鎮祭が行なわれ、造営が始まった。2月24日の大葬の礼の当日は雨。3万2千人の警備の中、霊柩車に改造されたプリンスロイヤルが、皇居から新宿御苑を経由し、武蔵野稜に入り、造営中の陵所に昭和天皇を埋葬した。
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武蔵野稜の形態は、後述する大正天皇陵などと同様、上円下方墳である。大正天皇陵より上円部の丸みがなだらかになり、一般拝所から墳丘がある段までの高さを低くすることで、威圧感を落とす試みがなされている。
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香淳皇后陵「武蔵野東陵」

香淳皇后陵
昭和天皇の后である香淳皇后良子 (こうじゅんこうごう ながこ) (1903年3月6日生誕)は、2000年(平成12年)6月16日に崩御した。7月25日に斂葬の儀が行なわれ、埋葬された。
昭和天皇陵の南東に接して位置している。拝所などの構成は他の陵と同様である。
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大正天皇陵「多摩陵」

大正天皇陵
第123代天皇、大正天皇嘉仁(1879年8月31日生誕)は、初めて一夫一婦制をとった天皇である。
大正天皇は1926年(昭和元年)12月25日に崩御し、翌年2月7日に新宿御苑において大葬が行なわれ、翌8日に陵所に埋葬された。
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大正天皇陵
陵域の面積は2,500平方メートル。上部2段・下部3段の上円下方墳で、上円は直径15メートルで高さが10.5メートルある。一番下部の段は一辺27メートルの正方形で、多摩川の石が葺き石として用いられている。
稜は南に面しており、正面に皇族拝所がある。階段を下ったところには特別拝所があり、さらにくだったところに一般拝所がある。皇族拝所と一般拝所には鳥居が設けられている。
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貞明皇后陵「多摩東陵」

貞明皇后陵
大正天皇の后である貞明皇后節子 (ていめいこうごう さだこ) (1884年6月25日生誕)は、1951年(昭和26年)5月17日に崩御した。6月22日に斂葬の儀が行なわれ、陵所に埋葬された。
大正天皇陵のほぼ東に位置している。陵の構成は一般拝所に段がないことを除けば、大正天皇陵とほぼ同じである。
貞明皇后陵の大きな写真大きな写真
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交通アクセス

JR中央線・高尾駅から徒歩約20分。ウォーキングするのに良いコースだ。
車なら、甲州街道(国道20号線)から北に折れ、巨大なけやき並木を通り、南浅川橋を渡り、御陵の入り口に達する。無料の駐車場がある。

近隣の情報

(この項おわり)
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