三保の松原で天女の羽衣がかかっていた松を見る

2019年3月19日 撮影
三保の松原
三保の松原と富士山
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神の道 - 三保の松原
神の道
三保の松原(静岡県静岡市清水区三保)は、右手に青い海、左手には緑の松原、正面には雄大な富士山を望む景勝地で、2013年(平成25年)、富士山とともにユネスコ世界遺産リストに登録された。

羽衣伝説ゆかりの御穂 (みほ) 神社から松原までの約500メートルの参道には樹齢200年以上の松が並び立ち、常世神が通るとされる「神の道」と呼ばれる。
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三保の松原
三保の松原
1922年(大正11年)3月、天橋立とともに日本初の名勝に指定された。
当時の面積は339.8ha、松の木は9万3千本を数えたという。だが、太平洋戦争中の油採取や宅地開発に加え、松食い虫による松枯れが進行しており、2014年(平成26年)には3万本まで減少している。
神の道 - 三保の松原
神の道
神の道をさらに進んでゆく。

三保の松原といえば、羽衣伝説が有名だ。
むかし、この近くに住んでいた漁師が浜で景色を眺めていたところ、1本の松に、見たこともない美しい衣がかかっているのを見つけた。漁師が衣を持ち帰ろうとすると、どこからともなく天女が現れ、「それは天人の羽衣。どうそお返しください」と懇願した。
これを聞いて、漁師は持ち帰って宝物にしようと考えた。すると天女は、「それがないと私は天に帰ることができません」と泣き始めた。
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羽衣の松 - 三保の松原
羽衣の松
漁師は天女を哀れに思い、「天上の舞いを見せてくだされば、お返ししましょう」と言った。天女は喜び、松原を背に美しい舞いを見せた。
漁師は約束通り衣を返し、天女は空高く登っていった。
神の道と砂浜が交差するあたりに、羽衣が掛かっていたとされる松の木があり、羽衣の松と呼ばれている。
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三保の松原
三保の松原
初代の羽衣の松は、1707年(宝永4年)、富士宝永山噴火の際に海中に没したという。2代目の松も樹齢650年(大化6年)を越えて衰弱が激しく、現在は3代目の元気な松に世代交代した。
松のとなりには、御穂神社の離宮・羽車神社がある。

ここから、海岸沿いに北北東へ向かって歩を進めてゆく。
サイクリングロードも整備されており、清水駅周辺にあるレンタサイクルを借りるといいだろう。
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鎌ヶ崎 - 三保の松原
鎌ヶ崎
三保の松原の豊かな砂浜は、安部川から供給される大量の土砂によって生み出されている。ところが近年、海岸侵食が激しくなった。1960年代、安倍川で大量に砂利を採取したことや、砂防ダムや護岸工事を行ったことで、土砂の需給バランスが崩れたためと考えられている。
そこで、消波ブロックを設置したり、人工岬を建設して浸食を抑えている。
鎌ヶ崎 - 三保の松原
鎌ヶ崎
名勝・鎌ヶ崎から望む富士山――じつは、このすぐ右側には、重機やダンプトラックが映っており、世界遺産を守るためとはいえ、ちょっと興ざめするかもしれない。
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三保松原ビジターセンター - 三保の松原
三保松原ビジターセンター
神の道では、三保の松原の観光ガイド施設として、三保松原文化創造センター「みほしるべ」が建設中だ。2020年(令和2年)3月の開館を目指している。
三保松原ビジターセンター - 三保の松原
三保松原ビジターセンター
工事用の単管バリケードが富士山の形をしている🗻
避難所 - 三保の松原
避難所
2011年(平成23年)3月の東日本大震災を受けて、各所に津波避難タワーが建設された。高さ7メートルある。
旧三保駅
旧三保駅
三保の松原の北西に、旧三保駅がある。
1944年(昭和19年)、東海道本線の貨物支線として、清水駅から三保駅までの8.3kmを、清水港線 (しみずこうせん) が結んだ。旅客と貨物を運ぶ路線として黒字になったが、モータリゼーションの影響で赤字に転落。
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旧三保駅
旧三保駅
1984年(昭和59年)4月に全線廃止。三保駅跡地にはホームだけが残り、三保ふれあい広場という名前の公園になった。
近くには、貨物車両の牽引、入換え用として清水運送が使用していた15トンディーゼル機関車とアルミナタンク車が静態展示されている。
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交通アクセス

【バス】
  • JR清水駅からバス三保山の手線で約25分「三保松原入口」下車、徒歩約20分
三保の松原 関連

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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